鎌田流・健康レシピ⑭~長野県のヒミツ(上)
2010年度の都道府県別平均寿命では、男性、女性ともに長野が1位になった。
75年から女性の一位はずっと沖縄であったが、その沖縄が3位になり、長野が1位になった。
長寿の大切な指標に、健康寿命というのがある。
日常生活動作が自立している期間の平均のことだ。
これも、長野は男女ともに1位だった。
さらには昨年発表された年齢調整死亡率でも、長野は最も低い結果となっている。
今回の発表もあわせ、長野は健康長寿の三冠王に輝いたことになる。
長寿王国といわれた沖縄が、男性が1位から26位に脱落したのは2000年のことだ。
26ショックという。
その沖縄の男性は今回30位まで、じりじりと下げている。
長野がトップに躍り出て、沖縄が下がっていく要因はなんだろう。
一つは野菜の摂取率があると思う。
長野県は冬が長く、11月から3月くらいまでは露地での栽培はできない。
沖縄は一年中、野菜が採れる。
ハンデをかかえた長野だが、野菜の摂取量は日本一だ。
青森は、平均寿命が全国最下位の47位だった。
この原因は塩分の多さが関係していると思う。
長野でもかつて塩分の多い食習慣があったが、減塩運動をおこなった結果、一日14グラム、いいときには12グラムくらいまでに減らすことができた。
しかし、関西に比べれば多いほうだ。
これが東日本のがんや脳卒中を多くしている原因にもなっている。
長野のいいところは、海がないのに、魚の摂取量がほどほどに多いことだ。
海藻を食べる食文化もある。
きのこの摂取量も多い。
えごまや胡桃などのオメガ3の油が入った食べ物も食べている。
マイナス12度になる諏訪地域や大雪に覆われる北信など、生きる環境としては決して恵まれていないが、そのなかで健康にいい食文化が根付くとともに、保健師や保健補導員たち医学的な健康情報の普及活動が、平均寿命日本一を支えてきた。
5月になると、諏訪中央病院に新しい研修医が入ってくる。
そこで鎌田塾を開き、地域を支えてきた保健補導員や食改さんたちと交流してもらうのは、若い医師たちにとっても大きな意味がある。
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