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2013年4月

2013年4月30日 (火)

生者の都と死者の都

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ナイル川東岸は生者の都で、西岸は死者の都だ。

東岸にあるカルナック神殿やルクソール神殿では、政治が行なわれたり、庶民の生活があったり、祭があったりした。

西岸には、王家の谷があり、62の墓が見つかっている。
死ぬ前から、王は自分が埋葬される壮大な墓をつくった。
再生復活することを権力者たちは願っていたのだ。

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Dsc_2419_2 ハトシェプスト葬祭殿

ツタンカーメンの墓をのぞけば、ほとんどの墓は盗掘され、復活するための装飾品や船や生活道具などはすべて盗まれた。
結局、ファラオたちの夢は叶わず、誰も再生復活は出来ていない。
死者の町は、死者の町なのだ。

その死者の町には、ハトシェプスト女王がつくった弔いの儀式が行なわれる葬祭殿が残っている。
「死」は、人間のみが生み出した概念である。
多くの人がこの「死」を恐がり、哀しみ、苦しんできた。
再生という願いを込めて、その不安から脱出しようとしてきた。
今でも、世界中に再生を願う宗教は多い。

Dsc_2495 一番上とこの写真は、カルナック神殿の大柱部屋

僕は再生を願わない。
死んだら終わり。死ぬまで精一杯生きればいいと思っている。
「100万回生きたねこ」のように、死んでも死んでも生き返ってしまったら、なんだか疲れてしまいそうだ。
僕は、生者の町でしっかり生きようと心に決めた。

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ナイルの真珠

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フィラエ島は、ナイルの真珠といわれる。
小舟でアプローチするのが、心をわくわくさせる。
この島にはイシス神殿という美しい神殿がある。

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我々は何者なのか、と思いながらアフリカを旅してきた。
ホモサピエンスは、脳を大きくしながら、道具を作り、火を発見し、火を見ながら抽象能力を身につけていった。
夜は、猛獣に襲われる一番危険な時間帯だが、火を使うことで身を守ることができた。
ヒトは火を見ながら、いろいろなことを考えるようになった。
生と死、愛など抽象的思考を試みるようになった。
言葉はさらに想いを複雑にしていき、神を生み出す。

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フィラエは、神の島である。
古代エジプトは多神教の時代が長く続いた。
「オシリス神と美しい女神イシスは兄弟でありながら結婚する。オシリスの弟セトは、妬んで兄を殺す。妻のイシスは必死に夫の再生を願い、復活を遂げる」
このオシリスこそが闇や墓の神となり、エジプト王朝の王たちを守護する。

神の話にしているが、これは我々ホモサピエンスの心の中の愛欲の物語である。
愛は、時には生きる力になり、時には生きにくくする。

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ナイル川と美しい柱、その柱に描かれるレリーフに心を揺さぶられながら、いろいろな想いに浸った。

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2013年4月29日 (月)

夜と月と権力

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アスワンから砂漠を200キロ走って、ルクソールに着いた。
満月に近い月が我々を照らす。

ルクソールの最大の神殿、カルナック神殿を訪ねた。
134本の大柱がそびえる大列柱部屋―高さは21メートルもある。
歴代の王たちが競って増築し続けた神殿である。
自分の権威を高めるために、神から特別な権限が与えられているような絵が描かれている。
ハトシェプスト女王のオベリスクは、漆黒の夜空にこれみよがしにそそり立つ。
その上に月の光がやさしく注がれている。

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古代エジプトの古い王朝時代は、ナイル川の氾濫によってしばらくの間、農業が出来なくなると豊かな財力を動かしてピラミッドを作った。
公共投資で人々の生活を守ったといわれている。
しかし、ヒッタイトなどに襲われ、王権が弱体化する。
さらにアッシリア、ギリシャ、ローマ、マケドニアなどの強国が、エジプト王朝にプレッシャーをかける。

弱体化した王朝が、これだけの神殿を増築しつづけることは、国民を苦しめることに繋がっていっただろう。
王と神官たちの闇の権力争いもあったはずだ。

我々は、かつて爬虫類だった時代があった。
爬虫類脳の中に4つの本能があるといわれている。
食べたい。眠りたい。セックスしたい。戦いたい。
我々はこの爬虫類脳を今も持ち続けている。

カルナック神殿の夜空の下で、我々の中にある獣の心を、歴史の遺物の中に見させられているような気がした。

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ムスリムの帽子?

エジプトで帽子を買った。

町を歩いていると、方々から、「アッサラーム アレイコムーこんにちは/おはよう/こんばんは/あなたに平和を」と声がかかる。
初めは、何を言われているのか、わからなかった。
イスラムのおじさんが「ムスリムか?」と聞いてきた。

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ガイドのエジプト人ハニさんが「先生の帽子とヒゲは、まるで本物のイスラム教徒のように見えます」と言い、「あなたに平和を」と声を掛けられたら、「ワ アレイコム・ッサラームー あなたにも平和を」と返事をしてあげ.るといいと教えられた。

よくエジプトで耳にするフレーズの「インシャアッラー」は、神の思し召しのまま、とか、なるようにしかならない、という意味のようだ。
「インシャアッラー」は、僕の生き方に少し似ているような気がした。
旅も、人生も、なるようにしかならない。

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2013年4月28日 (日)

ナイルの風

ナイル川は、今も昔もエジプトに恵みを与えてきた。

アスワンの新ダムと旧ダムは、エジプトの電力のすべてをまかなっている。
アフリカでは珍しく水道水が飲める。
豊かな農業も展開され、農作物は輸出されている。
魚もとれる。
あのピラミッドの石も、船でアスワンの方から運ばれたという。

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ナイル川の幸運は風である。
日によって違うが、多くの場合、海から内陸部へ風が吹く。
帆を立てれば、その風をうけて下流から上流へと物を運ぶことが出来る。
これが、エジプトを豊かにしたのである。

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ファルーカという帆船にどうしても乗りたくなった。
わずかな風を上手に利用しながら、下流へも上流へも見事に船は進んだ。

「風まかせ」の人生というと頼りないが、エジプト人はわずかな風を見事にコントロールし、豊かさを築いてきた。

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笑える車

イシス神殿を見に、ナイル川沿いにあるアスワンという町にやってきた。
面白い車が走っていた。
「HUNDA」というロゴの軽トラックだ。
あきらかに「HONDA」をもじっている。
大笑いになった。

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以前、タンザニアで「TOYO」というオートバイを見た。
最後の「TA」がないだけで、あきらかに「TOYOTA」を意識している。
これは、中国製だった。

面白くなってアスワンの街で目を凝らしてみると、「HANCO」。
またまた僕たちの車は大笑い。
さらに追い打ちをかけられたのは「JUMPO」だ。
声を出して読んで欲しい。
どうやらジャパンを意識しているようだ。

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日本人は、アフリカではとても好かれている。日本商品も好かれている。
しかし、最近、勇気がないのか、アフリカまであまり出ていかない。
中国人は、どんどん進出して、中国製品を売り歩いている。
日本ももっと勇気を持って出ていかないといけないと思う。
HUNDAやJUMPOやHANCOに負けてはいけない。

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2013年4月27日 (土)

アフリカ/コーヒー旅

僕はコーヒーが好きだ。
岩次郎小屋にいても、朝起きて、まず一杯のコーヒーを淹れる。
その半分は父の仏壇に供え、残りの半分は自分で飲みながら、仕事をはじめる。

ケニアのエコロッジでも、いつものように4時半に起きて、ロビーで本を読んでいると、従業員がさっとコーヒーを運んできた。
このときのコーヒーの淹れ方は、容器の中にコーヒーの粉を入れ、その上からお湯を注ぎ、細かい穴の開いた板をぐーっと押し下げていくフレンチプレス・スタイル。

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日本では、布か紙で漉すスタイルが多い。
最近日本でも流行っているイタリア式エスプレッソは、圧力でコーヒーを抽出する。
アフリカのコーヒーは、どちらかというとコーヒーの粉をお湯でぐつぐつとやる時間が長い。
よりコーヒーのうまみが抽出されている感じがする。

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その典型例がエチオピアのコーヒーセレモニーだ。
コーヒーセレモニーは、一連の儀式的な流れがある。
お香を焚き、香りをたてながら、青い生のコーヒー豆をフライパンで煎るところから始まる。
その後、コーヒー豆をすりこぎのような棒ですりつぶす。
その粉をコーヒーやかんのようなポットに入れて、上澄みを飲む。

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アフリカを北上してきたが、エジプトに入るとアラブの色が濃くなり、コーヒーもアラビア風になってくる。
コーヒーの粉を、フライパンのようなポットでぐつぐつと煮出し、それをコーヒー茶碗に注いで飲む。
粉を漉していないので、茶碗の半分より下は飲みづらくなる。
ムリして飲むと、粉をたっぷり口の中に入れなくてはいけない。
あまりのおいしさに、最後の一滴まで飲みたいと思う僕はは、たいてい粉を飲んでしまうことになる。

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2013年4月26日 (金)

我々は何者なのか・愛する動物

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ラムセス2世と妻のネフェルタリ

今のところ最古の恋文といわれているのは今から3200年前、ラムセス2世が妃ネフェルタリに送ったものといれている。
ネフェルタリは、エジプト三代美女(ほかはクレオパトラ、ネフェルティティ)のうちの1人だ。
その恋文は、王家の谷のレリーフの中に残っている。

440万年前のエチオピアのラミダス猿人には、チンパンジーのオスなどに特徴的な大きな犬歯がみられない。
ラミダス猿人が大きな犬歯を必要としなくなったのは、なぜか。
それまでは、オスは暴力的にメスに襲い掛かっていたが、必死に食べ物を多く取り、プレゼントするというという方法で、妻を得るようになった。
愛の始まりである。

Dsc_1921 アブシンベル小神殿

ラムセス2世は、絶世の美女ネフェルタリに熱烈な恋文を出しているが、一説によると、80人近い妻がいたという。
子どもの数も、やはり諸説があるが、200人近くいたのではないかといわれている。
しかも90歳を過ぎてまで生きていた。
北の遊牧民と戦う強い男であったが、女性にも強かったようだ。

人間の心の中に、愛するという行為が広まってはいくが、ペンギンのようにただ一羽のパートナーに操を立てるわけではなく、もうちょっと複雑な愛の形が作られていく。
権力を守ろうとして、自分の子どもを多くしたり、一筋縄ではいかない愛し方をする生き物なのだ。
ラムセス2世は結局、最愛の女性ネフェルタリと同じ墓には入らなかった。
我々ホモサピエンスの愛の形は、多様で不思議で難しい。

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2013年4月25日 (木)

うつろな荒野

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我々は何者なのか、というテーマを抱えながらの旅を続けている。
はやくもケニアからエチオピアを経て、エジプトに着いた。

ここエジプトは、「アラブの春」後も政情は安定せず、空気は沈滞している。
なんと僕らが泊まったホテルは、我々以外一人もゲストがいない。

砂漠化は進み、国土の96%が砂漠という。
かつて肥沃だったナイル川流域に、文明が根付き、今から5000年ほど前には、エジプト王朝が誕生している。

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紀元前2000年頃、文明は武装化した。
青銅の発明と馬を扱うこと、車輪を発展させ戦車をつくったことにより、インダス流域やメソポタミア、トルコを中心にした遊牧民のヒッタイトなどが、次々に武装化。圧倒的な攻撃力をもつようになった。

紀元前1600年頃、エジプト王朝は遊牧民の異民族に支配される。
このときのエジプトの社会を『イプエルの訓戒』は、「エジプトはうつろな荒野と化した」と記録している。

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その後、再びエジプト王朝は復活し、ラムセス二世の時代には、ヒッタイトとの戦いに勝利した。
このアブシンベルに大神殿と小神殿を造っている。
レリーフには、「侵略」「征服」「支配」「残忍」「格差」が刻まれ、異民族の顔に足をのせて、異民族を打ち負かしたことを示す。

巨大なラムセス二世の立像を仰ぎ見ながら、これを造るためにどれだけ多くの人間の血が流れたかを考えた。
我々は何者なのかという問いをさらに深く考えていかなければならない。

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明日新刊発売

明日、鎌田實の新刊『がまんしなくて いい』(集英社)が発売される。
約20の欧米の文献をもとにしながら、心の正体は何か、どうしたら心と体が健康になるか、科学的に書いている。

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といっても、カタい話ではなく、具体的なエピソードをまじえたもので読みやすい。
12年前に書いた『がんばらない』のテイストに近いと思う。

うるうるしたり、大笑いしたりしながら読みすすめていくと、どうしたら免疫力が上がるか、幸せホルモンを出すことができるか、食べ方や発想の転換法などがわかる。

ぜひ、お読みください。

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2013年4月24日 (水)

腕利きビジネスマンとの哲学的な話

マサイ・マラのエコロッジ「ベースキャンプ」に行くために、原っぱのような飛行場に下りた。
マサイの青年が少し遅れて迎えにきた。
もう1人、西洋人の中年のゲストがいた。
紹介し合うと、ゲストではなく、ベースキャンプロッジの管理職員で、かつ「自己責任の旅行会社ーResponsible Travel」という旅行会社の幹部だという。
ジャスティンと名乗った。
車の中で話が合い、一緒に昼食を取ることになった。

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僕は、「ウェットな資本主義」というタイトルの本を書いているが、この有能なビジネスマンは「あたたかな資本主義」をテーマに仕事を組み立てているという。
インターネットを使ってユニークな旅行プランを提案し、欧米では評判のようだ。
世界各地にベースキャンプというロッジを持っている。
このマサイ・マラにあるエコロッジは:
1)マサイの村を大事にしている
2)環境に配慮している
3)ほかでは味わえない楽しみ方をゲストに提案している。
例えば、ウォーキングサファリ。ゲストの自己責任であるが、マサイ族のガイドとライフルを持ったスタッフが付いて歩くサファリを楽しむ。

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このロッジの幹部でもあるジャスティンさんは、マサイの人たちが彼らの伝統や文化を守り続けながら、リアルな世界の中でも生き抜けるように最大の配慮をしている。
ほかのロッジでは、スタッフはユニフォームを着ているが、ここではマサイの伝統衣装を身に着けているというのも、彼の方針のあらわれだろうか。

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彼とイブニングサファリに出掛けた。
マサイの運転手兼ガイドが同行した。

ケニアは雨季。
ハプニングが起きた。
ぼくたちの車が泥沼にはまって抜けられなくなったのだ。
まずい!
周囲の森には、ライオンがいる。

こんなピンチのなかで、ジャスティンさんと話が弾んだ。
「人生には、失敗がつきものである。いくら失敗してもいい。しかし、常にかっこいい事が大事」

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マサイの青年が脱出を試みている時、僕らは、「上を向いて歩こう」を歌った。
英国人のジャスティンさんは、イギリスのコメディーのモンティ・パイソンの"Always look on the bright side of life-人生の常に明るいところを見ようー元気だせよ"という歌を歌った。

2時間程立ち往生したが、結局、車は脱出できなかった。
ロッジから応援に来てもらい、僕たちは別の車で運んでもらった。
しかし、このハプニングの最中、マサイの青年の行動は終始一貫してかっこよかった。

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救出部隊が到着した頃、空は夜に変わりかけていた。
音痴の僕は心のなかで歌った。
「見上げてごらん、夜の星を」

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2013年4月23日 (火)

ヴラダン・コチ来日コンサート

チェコのチェリスト、ブラダン・コチがゴールデンウィークに来日し、コンサートをする。
以前、お知らせした4/29兵庫、5/2東京・府中、5/6山梨・小淵沢の3カ所につづき、5/7松本の古民家でのコンサートも実現することとなった。

5/7は、信州大学医学部付属病院で院内コンサート終了後、松本の喜源治(きげんじ)という古民家でチェロ・コンサートを行う。

Photo← クリックすると拡大します

古民家で奏でるチェロ・コンサートin喜源治

日時 5月7日(火)午後4時開場 4時30分開演
出演 ヴラダン・コチ&ヤナ・ヴェヴェルコヴァー/プラハ・チェンバー・チェロ・デュオ
演目 望郷のバラード チャールダッシュ 白鳥 鳥の歌ほか
入場料 3000円(全席自由、先着50人まで)
問い合わせ 喜源治 〒390-0823 長野県松本市中山4096 電話0263-58-9379

コンサートは東日本大震災復興支援。
ぜひ、いい音楽に触れてください。

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アフリカ気球旅

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気球の事故があったので、ぜひとも気球に乗っておこうと思った。
天の邪鬼な性格はどうすることもできない。

朝4時に起きて、ダートをランクルで走り、気球乗り場にたどり着いた。
コーヒーを一杯飲んですぐに出発。
気球からの、大草原に朝日の昇る姿は感動ものだった。

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マサイ・マラの動物を見た後、着陸して大草原の一本の木の下にテーブルを置いて、ブレックファースト。
草原で食べるオムレツは、格別においしかった。
やっぱり、一本の木に引き寄せられるのだ。

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2013年4月22日 (月)

鎌田實の一日一冊(172)

「15歳若返る 錆びないカラダのつくりかた」(吉川敏一著、集英社、1365円)

著者の吉川先生は、フリーラジカルやアンチエイジングの権威である。
どうしたら健康寿命を伸ばせるか、わかりやすく書かれている。
最近、注目されている食べる順番(野菜、たんぱく質、炭水化物の順番に食べると太りにくい)も、なぜ、そうなのか書かれていておもしろい。
ぼくがこだわっているカキとか、にんにくとか、大豆イソフラボンがなぜいいのかも、簡潔でわかりやすい。

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科学的な根拠をもとにした、アンチエイジングの秘訣をあげている。
とかく、極端なことを言って、注目を集めようというものが多いが、この本は違う。
科学的根拠があり、オーソドックスであるため、とても納得しやすい。

いい本だと思う。

                  □

訂正のお知らせ

21日の「日曜はがんばらない」(文化放送)のゲストを永六輔さんとお知らせしましたが、放送に変更があり、吉川敏一さんでした。
申し訳ありません。
吉川先生のお話は、こちら↓で後日、放送の一部が聴けます。http://www.joqr.co.jp/kamata/

永六輔さんがゲストの回は、5/5に放送いたします。

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ケニアのマサイマラの雲は表情が豊かだ。
55年ほど前、「少年ケニア」という読み物絵本のファンだった。マサイ族の少年の物語である。
「少年ケニア」を思い出しながら、空を眺めた。

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楽しそうな雲がいた。
ちょっと悲しそうな表情の雲もいる。
いばって怖そうな雲もいた。
雲にも分裂気質の雲がいた。
まとまろう、まとまろうとしている雲の中で、孤高を凛として示しているようなかっこいい雲もいた。

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刻々と雲の表情は変わる。まるで人生のようだ。
嬉しい時があったり、哀しい時があったり、楽しい時があったり、イライラする時もある。
雲はおもしろい。

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2013年4月21日 (日)

一本の木の物語

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一本の木はいつも僕の心を揺さぶる。
ケニア南西部、ビクトリア湖と大地溝帯の間に位置する、マサイ•マラ国立保護区で見た一本の木は魅力に溢れていた。
マサイ族の人に聞くと、マサイマラのマラは、ぽつんぽつんと立っている木がある地域という意味。

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なぜ、一本の木が生えるか。
分裂気質の木があるんじゃないか。
ホモサピエンスが出アフリカに成功したのも、分裂気質という気質がそうさせたように思う。

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一本の木は、寂しそうに見える。
しかし、一本の木は自由だ。
自分の中にも群れていたい自分と1人でいたい自分がある。
一本の木はいつか林を作ったり、森を作ったりするのかもしれない。
それでも、一本の木が僕にはかっこいいと思う。
これからも、一本の木に心が奪われるだろう。

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鎌田写真館~信州の春

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アフリカへ出発する直前、茅野の桜が見ごろを迎えた。
諏訪中央病院の庭と、その近くのスポーツ公園の桜は、木によっては満開、多くが6、7分咲きといったところだ。

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桜が咲き出してから、岩次郎小屋にも何度も春の雪が積もった。
それでもようやく桜が咲き、八ヶ岳の雪と美しいコントラストをつけている。

これからは新緑の季節。
原村にあるカナディアンファームは、自然を満喫できるレストラン。
大きな窯の遠赤外線で焼く鶏は絶品だ。

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Dsc02766 鶏の燻製(上)と窯で焼いたパン。これがまたうまい!

Dsc02759 カナディアンファームのハセヤンと鎌田

春の原村をドライブし、カナディアンファームでお昼を食べ、午後は諏訪湖畔の原田泰治美術館で、原田泰治の世界にひたるのはいかが。

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2013年4月20日 (土)

スラムの花

ケニアの首都ナイロビには、キベラという世界有数のスラム街がある。
暴動があったり、レイプがあったり、殺し合いがあったり。
日本人はなかなか入れない。

このキベラに、マゴソという学校をつくる協力をした日本人の早川千晶さん。
その早川さん自身がコーディネートしてくれ、なんと、5人の警察官に守ってもらいながら、マゴソを訪ねた。

Img_8530 キベラというスラム街

マゴソとは、Mashimoni Good Samaritan for the Orphansの略で:「穴ぼこ村の行き倒れになった人たちを助ける孤児のための学校」の意味。
この学校があることによって、孤児やストリートチルドレンが救われている。
お父さんやお母さんがエイズになり、村の人からも虐待された子たちもいる。

Img_8601 歓迎の歌をうたうマゴソスクールの子どもたち

Img_8581 先生と子どもたちに引っ張られて、鎌田も踊りだす

みんな目を輝かせて、勉強は楽しいと言った。
スラムに咲いた花々だ。

早川さんをリーダーに、この学校のスタッフたちが日本にやってきて、全国各地で歌を披露したり、映像を使いながら講演する。
5月7日からの予定だが、詳しい日程は後日、ブログで紹介する。
とても感動すると思う。
無理をしてでも講演を聴く価値があると思う。

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2013年4月19日 (金)

ゲストは永六輔さん

4月21日の「日曜はがんばらない」(文化放送、10.0~10.30)のゲストは、永六輔さん。
 ※放送は5月5日に変更されました。

文化放送はビルが新しくなって、はじめてとのこと。
大竹まことさんの番組「ゴーデンラジオ」にも誘われているようだが、「その前に、カマちゃんのところに来た」と言ってくれた。
しかし、収録が終わるやいなや、そのまま大竹さんの番組に“拉致”されて、ついでにぼくまで呼び入れられて、なんだか、てんやわんやの収録になった。

Photo_2 永さんと鎌田。約束を守る永さんが「また来ます」と言ってくれた

「日曜はがんばらない」では、永六輔が、坂本九や中村八大、いずみたく、淀川長治、岸田今日子らを語る。
絶品の話だ。

どうぞ、お聞きください。

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人類発祥の地に立つ

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アフリカのケニアに着いた。
さっそく、ナイロビからチャーター機で、地の果てと言われるトゥルカナ湖へ。
世界遺産にもなっている。

大地溝帯は、人類発祥の地といわれている。
大きな湖があり、水や、魚をはじめ海藻などを得ることができた。
そのため、人が多く住んだ。

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空から望む大地溝帯は、立体的にイメージできる。
数百万年前の地層が裂け、沈みながら周りを盛り上がらせている。
400万年前とか、500万年前とかの地層が表面に出ている所が多い。
この一帯から有名なトゥルカナボーイ(約160万年前の少年の骨がほぼ完全な形で発見された)だけでなく、500万年前からの猿人や原人、現世人類の多様な骨が見つかっている。

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人類発祥の地を踏みしめ、我々は、どこから来たのか、我々は何者なのかを考えながら歩いた。

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2013年4月18日 (木)

編集長の遺言

月刊誌「がんサポート」は、創刊10周年を迎えた。
ぼくは創刊号からボランティアで巻頭対談をしてきた。
編集長、深見さんの意気込みにほれたからである。

一般の人が読むがんの雑誌というのは、経営的に大変である。
いくつも雑誌があったが、ほとんど廃刊に追い込まれている。
ぼくがこの雑誌を応援しているのは、いいかげんなサプリメントや健康食品の広告を載せないという主義を守っているからである。
おそらく雑誌をやりくりするには、のどから手が出るほどお金はほしいであろうが、その主義を貫く姿勢は、頭が下がる思いであった。

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その深見編集長が、盲腸がんになった。
がんは肝臓や肺、骨に転移していた。末期である。
そんななか、ぼくは編集長の緊急のリクエストに応じて対談をしにいった。
彼が命がけで訴えたことがいくつかある。

①抗がん剤治療は進歩したが、副作用の対策は十分とはいえない。
②進行がんの患者も、適正ながん治療を行えるようにしたい。「手遅れだ」とか言わずに、困難だけれどそれでも治療を受けたい人には、適正な治療がおこなえるようにすべき。
③がんの患者団体の連合をつくり、もっと国民目線でがん治療の進歩を獲得したい。
④これは、ぼくに向けての宿題であったが、がんになっても楽しく生きられるエンジョイヤーが増えるよう、日本の文化を変えたい。

深見さんはみずからの死を覚悟しながらの鬼気迫る状況のなかで、そう語った。
それは、「がんサポート」4月号に掲載され、この10年、日本のがん治療を変えたいと活動してきたジャーナリストの遺言状になった。

今、がんと闘っている方、そのご家族、すばらしい雑誌です。
ぜひ、読んでください。

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2013年4月17日 (水)

石巻の衣類をシリア難民へ

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JIM-NETでは、石巻の服をシリア難民に届ける~絆ぐるぐるプロジェクト~に取り組んでいます。
このプロジェクトは、東日本大震災で被災した石巻に集まり、供給過多でいま保管されたままになっている衣類を、シリア難民に届けるというもの。
被災者から、避難民へ、絆をぐるぐるつなげようというものです。

現在、衣類の輸送費のための資金を募っています
ぜひ、皆様のご協力をお願いいたします。

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石巻の服をシリア難民に届ける
~絆ぐるぐるプロジェクト~

https://readyfor.jp/projects/guruguru
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この「絆ぐるぐるプロジェクト」は、クラウドファンディングのREADYFORを通じて、資金を募っています。
一緒に服を運ぶお手伝いをしてくれませんか?
  ※まもなく目標の30万円に達しますが、30万円は2回分の輸送費なので、資金が多く集まれば、その分たくさん送ることができます。輸送費支援のご協力よろしくお願い致します!

先月3月11日で、東日本大震災から2年が経ちました。
また、シリア内戦が始まってからも2年が経ちました。

2013年4月8日現在、130万人以上のシリア人が近隣諸国に避難しており、毎日シリアから逃れてくる難民の数は8000人を超えます。
ヨルダンは多くのシリア難民を抱え、その数は41万人以上とされています。
イラクへも、12万人以上の難民が避難してきています。(UNHCR, 2013.4.8)

Photo 日本から送られた衣類を体にあてる女の子

JIM-NETはこれまでに、イラクやヨルダンに逃れたシリア難民の支援を行ってきました。
イラクでは、妊産婦の健診支援を実施しています。
ヨルダンでは、アーキラ病院を通じた出産サポートを行っています。
また、冬にユニクロの衣類など防寒具を配布しました。

そんな中、JIM-NETが東北地方で活動してきた繋がりで知り合った石巻の地元の人から、緊急支援で届けられ現在は供給過多で保管状態にある衣類を、シリア難民に届けられないかという申し出がありました。

2 ボランティアの方が衣類を仕分けし、緑色の袋や箱に詰めている

現在でも石巻は、人手不足のため復興がなかなか進んでいない状況です。
そのような状況下でも、シリア難民を気にかけ衣類を届けたい、という住民の方の思いをつなげたいと思います。

こういった背景で立ち上がった「絆ぐるぐるプロジェクト」は、石巻に残っている緊急支援物資の衣類をシリア難民に届けるプロジェクトであり、現在その輸送費を募っております。

東北支援で寄せられた「絆」を、日本国内だけでなく、地球上でぐるぐると繋げませんか。

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2013年4月16日 (火)

再びアフリカへ

「我々はどこから来たのか、どへ行くのか」というテーマにずっと夢中になっている。
今年1月、南アフリカ共和国やジンバブエ、ボツワナ、ナミビア、タンザニアなどを訪ねた。
今度は、3週間ほどかけて、人類の祖先の足取りを追って、大地溝帯を見てくる。

Dsc_0281 諏訪中央病院の桜がようやく咲いた

ケニアのトゥルカナ湖のほとりに、古人類の骨がたくさん出ている。
ナイロビから小型機をチャーターして、人類の祖先が住んでいたところとはどんなところなのか、見てこようと思っている。
さらに北上してエチオピアに入り、「ルーシー」に会いたい。
ルーシーは、320年前の女性のヒトが骨で、直立二足歩行したという痕跡が残っている。
当時はやっていたビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・タイヤモンズ」という曲にちなんで、ルーシーと名づけられた。
その後、エジプト文明を見た後、スペインでは、アルタミラ周辺の洞窟の絵を見てこようと思う。
出アフリカに成功した人類が、いくつかの洞窟に絵を残しているのだ。

Dsc02794 アフリカ出発を目前にして、信州の春をカメラにおさめるカマタ

また、現在の政治や経済にも興味がある。
カイロでは、2年前のアラブの春は、何をもたらしたのか。
ギリシャやイタリアにも少し寄るが、ユーロ経済の足をひっぱっている両国がどんな状況か見たい。

インターネットの状況次第だが、できるだけ旅の様子をご紹介する予定だ。
どうぞお楽しみに!

では、行ってきます。

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2013年4月15日 (月)

原田泰治美術館開館15周年

ぼくが兄貴と慕っている原田泰治さんの原田泰治美術館が開館15周年を迎える。
信州が誇る人気美術館の一つである。
先月には来館者が130万人を突破した。

開館15周年イベントとして、5月12日、鎌田と原田泰治さんのトークショーを原田泰治美術館ですることになった。午後2~4時。無料。
7月6日からは飯山の人形作家・高橋まゆみさんの人形展を開催。
また同日7月6日には、名誉館長でもあるさだまさしさんのチャリティーライブが諏訪文化センターで行われる。参加には、往復はがきによる申し込みが必要(4/20まで)。

これらのイベントの詳しいスケジュールや、申し込みについては、原田泰治美術館のHPをご覧ください↓

http://www.taizi-artmuseum.jp/news/2013/03/post-41.php

1304095___2 原田泰治さんと蓼科のみつ山で食事をした。このおすし屋さんは、ぼくのお気に入り。泰治さんの話は抱腹絶倒で、かつあたたかく、ためになる。
なんと! ぼくの孫のために絵を描いてくれた

原田泰治美術館は、諏訪湖畔に面し、原田泰治の世界をたっぷり堪能できる。
紅葉の季節も、御神渡りの季節もいい。
どの季節に行ってもいいが、これからの新緑の山々に囲まれた諏訪湖は特にいい。
原田泰治の絵画を鑑賞し、素敵なカフェで一休みするのも楽しい一日になりそうだ。
5月12日前後からは、JIM-NETのイラクの子どもたちの絵画や写真、絵本なども展示される。

ぜひ、原田泰治美術館へお出かけください。

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2013年4月14日 (日)

齊藤さんのアルビル報告③

イベント2日目(3/15)
午前中アルビル市郊外にある追悼施設を訪問し、犠牲者への献花を行いました。
昨日の小学生が献花用のバラを配っております・・・

以下は、JIM-NETの齊藤信一さんの報告のラストです(リポートの画面上をクリックすると拡大します)。

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2013年4月13日 (土)

齊藤さんのアルビル報告②

イベント初日(3/14)

ホテルから2,000名は入れるセンタ(Saad  Abdulla Convention Center)に移動。
センタは厳重なチェック体制でパスポート・貴重品の入ったバッグ迄検査。
中々返してもらえません。 
目からバッグを外せません。
しばらくしてそのまま返却してもらいました・・・・

以下は、JIM-NETの齊藤信一さんの報告です(リポートの画面上をクリックすると拡大します)

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2013年4月12日 (金)

齊藤さんのアルビル報告①

フセインがイラク国内のクルド人を攻撃した時期があった。
毒ガスが使われ、たくさんの人々が亡くなった。
ぼくも以前、クルド人自治区に行き、虐殺があったハラブジャを訪ねたことがある。
市長と面談し、歓迎された。

今回はそのつながりからクルド人虐殺25周年記念イベントに現地政府(KRG)から招待をされ、3月中旬、JIM-NETの事務局スタッフの齊藤信一さんとアルビルに常駐している望月さんの2人が代表して、北イラクに入った。

齊藤さんのリポートを3回に分けて、紹介しよう。
(リポートの画面上をクリックすると、拡大します)

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2013年4月11日 (木)

八戸のさば

青森県の八戸は、大変な津波被害にあったのだが、その被害はあまり知られていない。
3/10のNHKの放送で、津波の被害にあった八戸にある水産業者、ディメールの津波に負けない試みを取り上げた。
このディメールのさばの冷燻、昆布しめさば、蒸鶏などを食べたが、とてもおいしかった。

1304093__ 八戸のさばの冷燻。薬味はショウガ

1304094__ 蒸鶏を使ってのサラダ。チーズもたっぷり

東北を応援したい方、おいしい魚が好きな方は、ぜひ、お取り寄せなどはいかがか。

株式会社ディメールのHP↓

http://www.de-mer.com/index.html

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2013年4月10日 (水)

作り笑いでも・・・

PHP5月号の鎌田の連載は、「そよ風のように生きる」というテーマ。

「もっとゆっくりでいい。
少しだけ他人のために生きよう。
作り笑いでいいから笑おう」

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このところぼくは、作り笑いの効果に注目している。
アメリカのカンザス大学のクラフト博士の研究では、本当の笑いでなくても、作り笑いでも、心拍数を安定させたり、ストレスを緩和したり、ナチュラルキラー細胞を増加したりする効果が明らかになった。

心から笑えなくても、いいんだ。
作り笑いでも笑っているうちに、いいことが起きて、本当の笑いになる。

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2013年4月 9日 (火)

八ヶ岳映像日記をご覧ください

このブログもアクセス数が800万回以上となりました。

とにかく、国内外を動きまわり、見たこと、感じたこと、食べたもの、出会った人のすばらしさを紹介してきました。
イラクやパレスチナ、チェルノブイリなどに支援活動に行ったときも、ハワイやアフリカに行ったときも、休まずに、その土地で感じたこと、考えたことをアップしてきました。

4月からは、新たに「八ヶ岳映像日記」をメニューに加えました。
第一回目は、ぼくが兄貴と慕う原田泰治さん。
(右側の動画をクリックすると見られます。もちろん無料です)
ご覧いただけましたか?
まだの方は、ゆったりとした気分でごらんください。

これからもすてきなゲストに出演してもらう予定。
お楽しみに!

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子どもたちの感性

『アハメドくんのいのちのリレー』の読後感想文を書いた杉並区の小学5年のミヤウチソラさんが最優秀賞を受賞した。

以下はその一部だ。
「私はこの本で二つの国の紛争をはじめて知りました。地図では地中海に面したイスラエル中に囲まれたパレスチナがあるのに、衛星写真には境界線はなく、砂漠と緑の大地が広がっている。それを見て、国を分ける壁は人々の心の中にあるのだと思いました。
感情をいったん横に置くことで、人はいろんなことを許すことができる。
シグナルは遠く離れた日本の私のもとにも確実に伝わっています。大切なのはそのシグナルのバトンを一人でも多くの人にわたし、途中で止めないこと。世界中にシグナルが広がれば、憎しみと悲しみの連鎖はあたたかさの連鎖へと変わっていくことでしょう」

すごい文章!
小学校5年生とは思えない。
本が好きなのだろう。
ぼくの本を読んでくれ、うれしい。

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岩手県の宮古第一中学の子どもたちは、まず『雪とパイナップル』を教科書で読み、その後、先生が『アハメドくんのいのちのリレー』を紹介した。
それを読んだ子どもたちが感激し、ぼくに手紙をくれた。
6月にはボランティアで、宮古第一中学へ「教科書にない一回だけの命の授業」をしに行く。

子どもたちのやわらかい感性にふれにいきたい。

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2013年4月 8日 (月)

ヴラダン・コチ来日コンサート

チェコのチェリスト、ブラダン・コチがゴールデンウィークに来日し、コンサートをする。
1988年、自由のない国で自由を叫び、良心の囚人となった。
魂のチェリスト。

アムネスティーインターナショナルに協力し、ボランティアで演奏活動を続けている。
東日本大震災後も度々来日し、被災地支援を行っている。

今回、4/29兵庫、5/2東京・府中、5/6山梨・小淵沢と3箇所で、それぞれ魅力的なプログラムのコンサートを行う。
とてもおもしろい組み合わせで、コチが世界で活躍していることが感じられてうれしい。

「友情のサビーナ・オーケストラ コンサート」
出演 ヴラダン・コチ ヴィンチェンツォ・パーチ ロリス・アンティガ 
日時 4月29日12時45分開場 13時30分開演
会場 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
入場料 5000円、4000円、3000円、2000円(当日券は各500円増)
問い合わせ イタリア生活文化交流協会 電話06-6844-8787 FAX06-6844-8788

http://www.sabina-net.jp/index.html

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「東日本大震災復興支援チャリティコンサート 祈り、希望、光」ヴラダン・コチ&アンサンブル・サビーナ ジョイントリサイタル2013


出演 ヴラダン・コチ アンサンブル サビーナ
日時 5月2日18時15分開場、19時開演
会場 東京・府中の森芸術劇場 ウイーンホール
入場料 3000円(全席自由)
チケット申し込み・問い合わせ先 電話042-366-7758(室さん)FAX042-366-6825
チケットは、府中の森芸術劇場(電話042-335-6211)でも販売

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「東日本大震災復興支援チャリティコンサート 祈り、希望、光」プラハ・チェンバー・チェロ デュオリサイタル
出演 ヴラダン・コチ ヤナ・ヴェヴェルコヴァー
日時 5月6日15時30分開場 16時開演
会場 アルソア本社 スペース森羅(山梨県北杜市小淵沢、0551-20-5000)
入場料 3000円(全席自由)
問い合わせ 0551-36-3826(ペンション風路)0551-36-4166(ペンションあるびおん)

Img001いずれも画像をクリックすると拡大します

ゴールデンウィークはいい音楽を堪能してみてはいかがでしょう。

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2013年4月 7日 (日)

夢のバナナ屋さん

ぼくの絵本『雪とパイナップル』のなかで、人気があるシーンは茅野市のバナナ屋だ。
バナナ屋という屋号がおもしろい。
実際は、肉も野菜もその他の日用品も売っている雑貨屋さんだ。
車のないお年寄りにとっては、大切なお店だった。
かつてはバナナも置いていて、貧しかった時代、子どもたちの憧れの的だったと思う。
とても趣きがある国道沿いのお店だ。

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隣の村の方から「バナナ屋さんが閉店しました」とメールをいだいた。

今年に入って何度となくこの店の前を通るたびに、カーテンが引かれているのが気になっていた。
閉店と聞いて、さびしくなった。

絵本のバナナ屋さんの絵はとてもかわいい。
夢のような幻想的なバナナ屋さん。
こうやって時代は移っていくのだが、今日はとてもさびしい。

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2013年4月 6日 (土)

山崎先生と対談

『病院で死ぬということ』の著者で緩和ケアの専門医の山崎章郎先生の研究所に頼まれて、講演に行ってきた。
もう3回目になる。
今も、東京で緩和ケアを必要とする患者さんがいたりすると、先生に相談している。

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講演の後、先生と2人で対談をした。
山崎先生は在宅ケアもするようになり、医療の幅がますます広がって、おもしろい対談となった。

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2013年4月 5日 (金)

鎌田流・健康レシピ⑰~健康朝ごはん

下諏訪に「ぎん月旅館」という温泉旅館がある。
旅館からは諏訪湖がはじっこが見え、7年に一度御柱が立つ諏訪下社の春宮から1分くらいのところにある。

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その旅館から頼まれて、体にいい朝ごはんをプロデュースした。
健康長寿・長野県でよく食べられている「まごはやさしい」を基本にしている。

ま・・・豆。大豆はたんぱく質が豊富で、骨を強くする成分が含まれている。
ご・・・ゴマ。ぼくのうちは驚くほどゴマをたくさん使う。山菜のゴマ和えはゴマたっぷりでとてもおいしい。
わ・・・ワカメ。海藻類は繊維が豊富。
や・・・野菜。野菜の煮物はいろんな種類がある。
さ・・・魚。信州サーモンの赤い色素には、抗酸化力があるアスタキサンチンが入っている。
し・・・シイタケ。繊維が豊富なうえ、ビタミンDが骨を強化してくれる。
い・・・イモ類。根菜はエネルギーになる。

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具だくさんの味噌汁は、減塩ができ、野菜もとれる。
長野県で減塩運動を普及させたときのコツだ。

野菜サラダに、赤いのはトマト寒天。
ドレッシングにはシェフにお願いして、エゴマ油を少し入れてもらっている。
エゴマには、オメガ3といういい油が含まれている。
温泉地ならではのおいしい温泉卵もつく。

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諏訪湖にはいい温泉があり、これからいい季節を迎える。
15周年を迎えた原田泰治美術館や下社を見たり、蓼科に上り、茅野の温泉に行くもいい。
楽しみはいっぱいだ。
鎌田の健康朝ごばん、ぜひ、諏訪湖に遊びにきた折にはどうぞ試してみてください。

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2013年4月 4日 (木)

盛況だった「いのちの対話」

先日、三重県の菰野(こもの)町で、「鎌田實 いのちの対話」が開かれた。
今回で3回目。
どこも会場があふれ、今回も立ち見がでた。

菰野町の菰野高校は、春の甲子園にも出場。
町はなんとなく元気だ。
会場も爆笑、爆笑。
ちょっとじんときたり、うるうるしたり。

P3230212 「いのちの対話」で会場の人たちと語り合う村上信夫さんと鎌田實

「いのちの対話」は、かつてNHKラジオでやっていたように、講演会と違って一方的に聞くだけでなく、ぼくの講演の後、会場と対話するのが特徴だ。
村上信夫さんのリードで、会場の人たちがぼくの質問に答えたり、意見を言う。
一方向の講演会ではなく、双方向で言葉が交わされるのがいい。

今度の「いのちの対話」は大阪、そして東京の杉並で予定している。

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2013年4月 3日 (水)

原村診療所

原村診療所に通うのが最後になった。
18年間、隔週水曜日、通ってきた。

最後は患者さんからお菓子をいただいたり、スタッフからお花をいただいたり・・・。
たくさんの人にお世話になった。

1303213__ 諏訪中央病院

諏訪中央病院からこの診療所に医師を出す以上は、その医師が孤立しないよう、リーダーが顔を出すのが大事だと思って続けてきた。
そんなぼくも65歳。
10年前に病院を退職したが、本当の定年の年になった。

菅先生という総合診療のすばらしい先生があとをついでくれることになった。
かえって原村にとってよかったと思う。
楽しい地域医療をさせてもらった。
心から感謝です。

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2013年4月 2日 (火)

鎌田流・健康レシピ⑯~カルシウムの過剰摂取に注意

カルシウムは骨粗しょう症の予防にとって大事であるが、過剰摂取はよくないという研究が発表された。
カルシウムはほどんどが骨や歯に蓄えられるが、過剰に摂取すると血中のカルシウム濃度が上がり、血管の組織について石灰化がすすみ、動脈硬化をおこす。
この発表をしたのは、スウェーデンのウプサラ大学。
50歳以上の女性で、一日1400mg以上のカルシウムをとっていた人は、欧米の基準値600~1000㎎をとっていた人に比べて、脳梗塞や心筋梗塞の死亡率が1.4倍も上がった。

Dsc_0223 岩次郎小屋から遠く八ヶ岳を望む

ぼくは牛乳が苦手で、飲む機会が少なかった。
この10年ほどは、腸が大事ということで、よくヨーグルトを食べるようにしている。
小魚などもよく食べるし、チーズも好きだ。
こんな食生活をしているぼくの場合は、カルシウムのサプリは必要ない。

カルシウムは、牛乳、ヨーグルト、チーズ、魚、豆腐などに豊富に含まれている。
だいたいふつうの食事をしていれば、一日に必要な量の7、8割は食事でとることができる。
なので、食事に偏りがある人、高齢者で骨粗しょう症があり食が細い人以外は、それほど神経質になる必要はない。
むしろ、サプリメントによるカルシウムの過剰摂取には注意したい。

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2013年4月 1日 (月)

外遊びフェスin猪苗代

3月のはじめ、JIM-NETの齊藤信一さんが、福島に応援に行った。
JIM-NETを応援してくださっている方からいただいたおもちゃが、雪の上の宝探しでとても喜ばれたという。
応援ありがとうございます。

以下は、斉藤さんの報告です。
画面上をクリックすると、拡大します。

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お知らせ

「毎日が発見」4月号の健康力アップ研究所のゲストは京都大学大学院医学研究科准教授・高橋英彦さん。
なぜ他人の不幸は蜜の味なのか、脳の働きを科学的に解説している。
美しい人やお金持ちが不幸になると、報酬系というドパミンが分泌されて、ちょっと快感を覚えるという。

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高橋先生は精神科医。
セロトニンが出てくると、満足度が得られやすくなるので、食べ過ぎたり、飲み過ぎたりする依存症の予防にいいという。

セロトニンを分泌されやすくするには、バナナ、アボカド、魚類、肉類、豆類をとって、朝の光を浴びるといい。

4/26に発売されるぼくの新しい本『がまんしなくて いい』(集英社)にも詳しく書かれているが、ここにも科学的に書かれているので、納得しやすいと思う。
納得すると、行動変容が起こりやすい。

ぜひ、ご覧ください。

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