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2013年4月24日 (水)

腕利きビジネスマンとの哲学的な話

マサイ・マラのエコロッジ「ベースキャンプ」に行くために、原っぱのような飛行場に下りた。
マサイの青年が少し遅れて迎えにきた。
もう1人、西洋人の中年のゲストがいた。
紹介し合うと、ゲストではなく、ベースキャンプロッジの管理職員で、かつ「自己責任の旅行会社ーResponsible Travel」という旅行会社の幹部だという。
ジャスティンと名乗った。
車の中で話が合い、一緒に昼食を取ることになった。

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僕は、「ウェットな資本主義」というタイトルの本を書いているが、この有能なビジネスマンは「あたたかな資本主義」をテーマに仕事を組み立てているという。
インターネットを使ってユニークな旅行プランを提案し、欧米では評判のようだ。
世界各地にベースキャンプというロッジを持っている。
このマサイ・マラにあるエコロッジは:
1)マサイの村を大事にしている
2)環境に配慮している
3)ほかでは味わえない楽しみ方をゲストに提案している。
例えば、ウォーキングサファリ。ゲストの自己責任であるが、マサイ族のガイドとライフルを持ったスタッフが付いて歩くサファリを楽しむ。

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このロッジの幹部でもあるジャスティンさんは、マサイの人たちが彼らの伝統や文化を守り続けながら、リアルな世界の中でも生き抜けるように最大の配慮をしている。
ほかのロッジでは、スタッフはユニフォームを着ているが、ここではマサイの伝統衣装を身に着けているというのも、彼の方針のあらわれだろうか。

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彼とイブニングサファリに出掛けた。
マサイの運転手兼ガイドが同行した。

ケニアは雨季。
ハプニングが起きた。
ぼくたちの車が泥沼にはまって抜けられなくなったのだ。
まずい!
周囲の森には、ライオンがいる。

こんなピンチのなかで、ジャスティンさんと話が弾んだ。
「人生には、失敗がつきものである。いくら失敗してもいい。しかし、常にかっこいい事が大事」

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マサイの青年が脱出を試みている時、僕らは、「上を向いて歩こう」を歌った。
英国人のジャスティンさんは、イギリスのコメディーのモンティ・パイソンの"Always look on the bright side of life-人生の常に明るいところを見ようー元気だせよ"という歌を歌った。

2時間程立ち往生したが、結局、車は脱出できなかった。
ロッジから応援に来てもらい、僕たちは別の車で運んでもらった。
しかし、このハプニングの最中、マサイの青年の行動は終始一貫してかっこよかった。

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救出部隊が到着した頃、空は夜に変わりかけていた。
音痴の僕は心のなかで歌った。
「見上げてごらん、夜の星を」

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