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2013年4月30日 (火)

ナイルの真珠

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フィラエ島は、ナイルの真珠といわれる。
小舟でアプローチするのが、心をわくわくさせる。
この島にはイシス神殿という美しい神殿がある。

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我々は何者なのか、と思いながらアフリカを旅してきた。
ホモサピエンスは、脳を大きくしながら、道具を作り、火を発見し、火を見ながら抽象能力を身につけていった。
夜は、猛獣に襲われる一番危険な時間帯だが、火を使うことで身を守ることができた。
ヒトは火を見ながら、いろいろなことを考えるようになった。
生と死、愛など抽象的思考を試みるようになった。
言葉はさらに想いを複雑にしていき、神を生み出す。

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フィラエは、神の島である。
古代エジプトは多神教の時代が長く続いた。
「オシリス神と美しい女神イシスは兄弟でありながら結婚する。オシリスの弟セトは、妬んで兄を殺す。妻のイシスは必死に夫の再生を願い、復活を遂げる」
このオシリスこそが闇や墓の神となり、エジプト王朝の王たちを守護する。

神の話にしているが、これは我々ホモサピエンスの心の中の愛欲の物語である。
愛は、時には生きる力になり、時には生きにくくする。

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ナイル川と美しい柱、その柱に描かれるレリーフに心を揺さぶられながら、いろいろな想いに浸った。

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