夢のバナナ屋さん
ぼくの絵本『雪とパイナップル』のなかで、人気があるシーンは茅野市のバナナ屋だ。
バナナ屋という屋号がおもしろい。
実際は、肉も野菜もその他の日用品も売っている雑貨屋さんだ。
車のないお年寄りにとっては、大切なお店だった。
かつてはバナナも置いていて、貧しかった時代、子どもたちの憧れの的だったと思う。
とても趣きがある国道沿いのお店だ。
隣の村の方から「バナナ屋さんが閉店しました」とメールをいだいた。
今年に入って何度となくこの店の前を通るたびに、カーテンが引かれているのが気になっていた。
閉店と聞いて、さびしくなった。
絵本のバナナ屋さんの絵はとてもかわいい。
夢のような幻想的なバナナ屋さん。
こうやって時代は移っていくのだが、今日はとてもさびしい。
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