鎌田實の一日一冊(176)
「検閲帝国ハプスブルク」(菊池良生著、河出書房新社、1575円)
著者は、ハプスブルク家の本をたくさん書いている。
これまで、ハプスブルク家から、警察ができる歴史や郵便ができる歴史を学んできたが、この本は、ハプスブルクの非常識な検閲から、著作権がうまれたという壮大なストーリーが展開される。
とてもおもしろい。
ハプスブルクは権威を守るため、躍起になって検閲した。
その検閲に対し、表現者は必死に抜け穴を見つけていく。
実は、著者の菊池君は小学校の同級生。
彼がピッチャーで、ぼくがキャッチャー、野球のバッテリーを組んでいた。
ノーコンで暴投が多いピッチャーだったが、今回は暴投ではない。
昔から簡単なことを難しく言うのが好きな著者だが、この本はわかりやすく、なるほどとうなづきながら読める。
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