なぜ言葉は生まれたのか
僕らホモサピエンスは言葉を生み出した。
トゥルカナ湖のトゥルカナ・ボーイは、多くの人骨のパーツが発見されている。
その舌骨や胸郭から想像すると、言葉を発声する力は弱かったとみられている。
少なくとも160万年前までは、言語の発生は難しかったと考えられる。
それから少し経って、我々の祖先は、山を下ってはじめて川を見たり、湖を見たりしたとき、感動表現をしたのではないだろうか。
無意識に肺から出た空気が声帯を振るわせ音を出した。
やむにやまれぬ感動が言葉を生み出したのではないだろうか。
言葉は、音声として発達し、複雑化していく。
メソポタミアや北アフリカで、文字が生まれる。
遺跡の壁面にたくさんの言葉が残されている。
ヒエログリフという象形文字は、多くが表音文字で、今のアルファベットのような役をしている。
王の名前は、カルトゥーシュとよばれている楕円形の枠の中の象形文字で示される。
ラムセス2世が何をしてきたか、克明に記録されている。
王家の谷の墓にも、それぞれの王がどんな政治をしたり、どんな戦いをしてきたかが書かれてきた。
カルナック神殿の中にあるハトシェプスト女王のオベリスクに刻まれた象形文字
僕の知りたいのは、もっと庶民の心の動き、それが知りたいと思った。
王家の谷からは、王の為の言葉の向こう側に、この谷を掘り続けた庶民の苦しみが見えてくるだけであった。
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