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2013年6月 8日 (土)

鎌田實の一日一冊(179)

「座右の本」(原田かずこ著、宝島社、780円)

著名人70人の人生を変えた一冊を紹介している。
ぼくはドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を取り上げた。
おもしろいもので、ほかに「カラマーゾフの兄弟」はもちろん、ドストエフスキーの作品を上げた人はいない。
フランクルの「夜と霧」や「アンネの日記」「冷血」「桜の園」・・・。
みんな違うのが、おもしろい。

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作家の山本一力さんはジェフリー・アーチャーの「ケインとアベル」。
「おもしろさに4回読んだが、死ぬまでにもう一度読みたい」「こういう物語が書けたら、作家として筆を折ってもいいだろうなと思った」とまで言う。
へえ、と思ってしまう。

田辺聖子さんは、パール・バックの「大地」。
戦争で燃えてしまった本を探し歩き、ようやく手に入れた。
それほどまでに読みたいと思ったのに、結局、読みきれていないとか。
もうそろそろ読もうかなと先日に手にしたら、ほこりがもうもうとしている、と相変わらず面白いことを言っている。

とても、よくわかる。
これを読むとかっこいいなと思って、買ってはみるが、なかなか読みきれない本てあるのだ。
ぼくの場合は、ラブレーの「ガルカンチュアとパンタグリュエル」がそうだ。
こ惑的な笑いとか、炸裂する笑いとかいうけれど、何しろ厚い文庫で4巻。
1500年ぐらいのモンテギューの時代のフランスを代表する文学者の作。
いつか読みきりたいなと思っているが、まだその時は来ていないようだ。

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