仮設住宅の人たちに寄り添う医療
絆診療所の遠藤清次先生が、福島みんゆう県民大賞を受賞した。
福島民友は、福島県内の有力紙である。
遠藤先生は、震災時、南相馬市立小高病院の院長だった。
小高病院は福島第一原発から20キロ圏内にある。
ぼくは震災直後から彼の安否を心配し、何度も携帯に電話したがつながらなかった。
つながったのは4日後の夜中。
奇跡的に回線がつながった。
それから、彼が避難していた南相馬市立総合病院の副院長や市長と連絡を取りながら、南相馬に救援に入ることになった。
遠藤先生は、諏訪中央病院のスタッフと一緒に、避難所をまわったり、家庭を訪問診療したりして活動を続けた。
病院と住宅を失った彼は、請われて猪苗代町立病院に勤務するようになった。
しかし、もといた病院の小高地区の人々の熱いラブコールで、南相馬市鹿島区の仮設住宅の近くに設けられた仮設診療所の医師になった。
それが絆診療所だ。
仮設の診療所であるから、長期的には継続できない。
それでも被災者の健康状態を知っている医師が見守ることが大事と、彼は決意した。
はっきりは聞いていないが、おそらく2000万円以上の費用が必要だったはず。
しかも、数年間という限りのある診療所に対して、である。
いま遠藤先生は、仮設住宅に住む人たちの診療をしながら、休診の日には、仮設住宅の集会所に出かける。
作業療法士と一緒に体操や食事の指導などをする。
甲状腺の検査に対しても、丁寧な診察と検査画像を見せながら、納得し、安心してもらえるような医療を実践している。
それが、今回、評価されたのだと思う。
その遠藤先生の絆診療所で、6月18日午前11時から、鎌田實の3回目の被災地健康講演会が開かれる。
よろしければ、聞きに来てください。
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