がんばらない経済学⑳
「科学技術イノベーション総合戦略」が閣議決定された。
その重点区分には、「エネルギーシステムの新しい実現」とか、「ITロボット技術による生産システムの高度化」とか、「競争力の高い農林水産業の再生」などがあり、なんとなく実体が伴わないものが並んでいる。
しかし、一つだけ面白いと思ったのは、「国際社会のさきがけとなる健康長寿社会の実現」。
その項目の中の「がんなどの革新的予防、診断、治療法の開発」は、もともと日本が得意にしているところであるが、お金が投入されないために、アメリカなどに距離をあけられている。
ここでお金が投入されれば、たとえばiPS細胞などの実用化のように、画期的な刺激薬になると思う。 色とりどりの花が咲く蓼科
しかし、残念なことに哲学がない。
長野県は長寿県になった。
医療費も介護費も低く、県民の幸福度も高い。
この恩恵を、なぜ日本全体に広げないのだろうか。
日本全体が長野県並になれば、破綻しかかっている国民皆保険や介護保険制度を維持することができるのではないか。
長野県で行ってきたことは、それほどお金は必要としない。
ほかの地域でもできるはずである。
ぼくは、科学技術イノベーションの研究拠点を東京や筑波に置くのではなく、長野や青森、沖縄に置くべきだと思っている。
なぜ、長野は健康長寿になったのか、なぜ、青森はワースト1位なのか、なぜ、沖縄は長寿王国から転落したのか。
長野、青森、沖縄に健康長寿の研究所をつくることで、いい刺激薬になるはずだ。
それだけではない。青森を含め東北は苦しい状態なので、青森に最先端の研究所ができるというのはとても大事なことだ。
沖縄も、たいへんな状況下で、ストレスを抱えている。
どちらの県も、地域が元気になるとともに、世界に誇れる健康長寿県になってもらいたい。
こういう哲学をもった発想で、骨太の経済成長戦略をもたないから、株価が乱高下し、ヘッジファンドの食い物にされるのだ。
アベノミクスでは今のところ、日本人のほとんどだれも豊かにはなっていない。
真に、国民が幸せになるような成長戦略をたててほしいと思う。
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