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2014年1月

2014年1月31日 (金)

「憎まない生き方」講演会

2月19日19時~(開場18時30分~)、東京・なかのZEROホールで、「憎まない生き方」の講演会を開催します。
http://www.akishobo.com/info/571.html

その告知を先週、「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」(TBSラジオ)もさせてもらったところ、180人を超える予約が入りました。

定員は500人。
あと100席を残すことになりました。
ありがたいことです。

講演会では、パレスチナのアブエライシュ医師をお招きします。
彼は、イスラエルの爆撃で3人の娘さんを殺されたのにもかかわらず、憎まない生き方を宣言しています。
どうしても日本に来て、平和を訴えたいということで、ぼくが航空チケットを買って、招待することにしました。

571_l 来日するアブエライシュ医師の著書「それでも、私は憎まない」(亜紀書房)

日本はいま中国や韓国と、かつての米ソのように冷たい関係になりつつあります。
ヘイトスピーチも広がりはじめています。
そのなかで、お互いが理解し合い、前を向いて、平和を築いていくにはどうしたらいいのでしょうか。
個人の人間関係でも、嫌なことを言われたら、相手を憎んでしまいます。
ぼくたちはそういう動物なんです。
だからこそ、一人ひとり「憎まない生き方」というのを考えてみることで、人生が変わるし、この国の在り方も変わるかもしれません。

この講演会は、鎌田事務所が音頭をとることなりました。
ホールを借りたり、何かと大変ですが、JVCやJIM-NET、そして特にピースボートに応援をいただいています。
たくさんの人の手をお借りして、なんとか盛会にしたいと思っています。

聖教新聞、朝日新聞、東京新聞がこれから告知を打ってくれます。
イスラエルの大使館がメルマガで、情報を流してくれるそうです。
パレスチナとイスラエルがなかなか仲よく一つのテーブルにつけない状況ですが、せめて日本では同じテーブルについて、平和について語り合うことができたら、と思います。

当日は、永六輔さん、村上信夫さん、永さんのラジオでアシスタントをしている外山恵理さんが来てくれます。
開演前の時間に、4人でちょっと楽しいおしゃべりもしたいと考えています。
少し早めにおいでください。

講演会の申し込みは、ピースボート事務局(電話03-3363-7561)まで。
 
平日10~19時、土日祝日休

ぜひ、聴きに来てください。

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2014年1月30日 (木)

チョコも倍返し?

先週、永六輔さんのラジオ番組「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」(TBSラジオ)に久々に出演。
チョコ募金についてお話させていただきました。
永さんの番組はファンが多いので、たくさんの人が電話やメールで申し込んでくれました。

実のところ、12万個を突破したあたりから胸突き八丁で苦しんでいましたが、おかげでたくさんの方に協力いただきました。

チョコ募金、いよいよゴールが近づいてます。
なんとか2月14日までに16万個を達成したいと思いますが、残ったときには、ホワイトデーのプレゼントに。
男性は「倍返し」しないといけないというウワサがありますが(笑)、そのときはぜひ、哲学のあるチョコでお願いいたします。

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2014年1月29日 (水)

福島県内の放射能測定所ガイド

JIM-NETでは「福島市民放射能測定所ダイレクトリー」を日本ルーテル教団のご支援をいただいて、ようやく完成させた。

福島県内の放射能測定所一覧表だ。
有料か無料か、測定限界値はいくつか、測定所の状況などを網羅している。

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この冊子を見れば、食品の放射線をどこで測定できるかわかるようになっている。
興味のある方、特に福島で子どもを育てていて、食品に気を付けている方は、ご活用ください。

冊子そのものは無料だが、チョコ募金など、できればJIM-NETやJANICにご協力いただけるとありがたい。
お問い合わせは、JIM-NETまでお願いします。
http://www.jim-net.net/news/info/2014/01/post-146.php

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2014年1月28日 (火)

義理チョコには、哲学のあるチョコで

チョコ募金、なんとか2月14日のバレンタインデーまでには16万個を達成できればと思います。

「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)や「日曜はがんばらない」(文化放送)
「高嶋ひでたけ朝ラジ」(ニッポン放送)を聞いて、たくさんの方が協力してくださいました。
「毎日新聞の連載、楽しみにしています」という方も。
「がんサポート」のエッセイ大賞の受賞者の方も、協力してくださいました。
ありがたいことです。

Choco01

バレンタインの義理チョコにとお考えの方は、ぜひお急ぎください。

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2014年1月27日 (月)

農業と健康

日本の米の関税は、778%。
小麦の関税が252%、バターが360%。
TPPの交渉でも、日本はここを守りたいと考えているようだ。
守れたら守ったほうがいい。
しかし、いつまでも続くことはないだろう。

農業従事者の平均年齢は66歳。
農業の継承は難しく、今のままではそう簡単ではない。

企業が入ることや集約化は致し方ないだろうと思う。
しかし、小さな農業は、長野県の例にみるように、高齢者の健康と生きがいに直結し、アメリカの医療費の2.6分の1でありながら、世界有数の長寿国をつくる要素になっている。

小さな農業も、どう守るかということをきちんと議論すべきだ。
TPPの議論そのものを隠すのではなく、TPPをすすめながら、すべき議論はきちんとすべきである。

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2014年1月26日 (日)

チョコ募金あと3万個

バレンタインデーが近づいてきました。
今年の義理チョコは、ぜひ、哲学のあるチョコ募金にご協力ください。

たくさんの人たちに応援していただいています。
歌手の神野美伽さんの事務所で、たくさん協力いただきました。
その半分は施設に寄付するということです。
頭が下がります。

この前、「日曜はがんばらない」(文化放送)にゲストに来ていただいた久米信行さん。
「ピンで生きなさい」(ポプラ新書)の著者ですが、チョコ募金のことを人に広めていただいています。

67323516かわいい缶の中には、ハート型のチョコが入っています

NHK第一ラジオの「ラジオビタミン」を今も覚えていて、懐かしんでくれる方からは
「村上信夫さんと鎌田先生の声が聞けなくなって残念」とのこと。
そんなメッセージとともに、チョコ募金に協力いただきました。

なかにはこんなメッセージも。
「チョコレートがおいしいことにびっくり。鎌田先生への信頼がいっそう深まりました」

そう、おいしいチョコです。
ぜひ、ご協力をお願いいたします。

お申込みは、右側のJIM-NETのHPからどうぞ。

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2014年1月25日 (土)

がんばらない経済学29

ロンドンオリンピックの歳出は、運営費も含めて1兆4000億円だったが、期待されるオリンピック景気はなく、
イギリスでは結局マイナス成長にとどまった。
経済は浮揚しなかったのだ。
イギリスはこの後、たぶんギリシャやスペインと同じように厳しい時代を迎えるのではないだろうか。

2

東京オリンピックの施設整備費は4500億円という。
とても、この程度で経済が活性化するとは思えないが、東京都の試算では、3兆円の経済波及効果があると読んでいる。
これは、割の合う数字なのか?
実際のところ、オリンピックの整備は、10年間で200兆円という国土強靭化対策をからめながらすすめていくだろう。
戻ってくるお金よりも、かけたお金のほうがはるかに大きいのではないか。

東京オリンピックは、数字的にみて日本経済にそれほどいい影響を与えるわけではない。
経済の成長は望めないだろう。
むしろ、東京オリンピックを目指して、「成熟社会をつくる」という目標をかかげてはどうか。
オリンピック開催には、どの国も経済成長という下心があったように思うが、2020年の東京オリンピックでは、「成熟社会をつくる五輪」というキーワードを押し出したほうがいいのではないか。

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2014年1月24日 (金)

JIM-NETの10年「絆ぐるぐる展」開催 2/14〜19 atギャラリー日比谷

イラク戦争・福島原発事故・シリア内戦

JIM-NETの10年「絆ぐるぐる展」をギャラリー日比谷で開催いたします。

いつもこのギャラリーはJIM-NETに好意的にお貸しくださっています。

2月14日は、オープニングイベントとして、
  13:30-14:30 鎌田實のがんばらないトーク
  14:30- 佐藤マキさんがシリアの難民キャンプの状態などをお話します。

アラブ、シリア、イラクのことなどご興味のある方は、ぜひお集まりください。

日時 : 2月14日(金)〜2月19日(水) 11:00〜19:00(最終日は17:00まで)
会場 : ギャラリー日比谷 東京都千代田区有楽町1-6-5       
ギャラリー日比谷ビル 会場直通電話 : 03-3591-8948

詳細は下記をご覧下さい

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2014年1月23日 (木)

がんばらない経済学28

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催で、経済が浮揚すると思い込んでいる人がいるが、
そんなに甘くはないはず。
元日のNHKスペシャルで、ぼくは「成長よりも成熟」と述べた。
もちろん、成長は必要。
しかし、いくらムチを打っても、そうは成長を望むことはできないと思う。

Dsc_5550 雪に包まれた岩次郎小屋の庭

1964年の東京オリンピックのときには、経済成長率約10%だった。
もともと経済が成長しているときにオリンピック開催があり、それがホップ・ステップ・ジャンプにつながったのだ。

この16年間、約650兆円の借金をひろげながら、公共投資や経済の活性化に使ってきたが、経済の成長は起きてこなかった。
ならば、むしろ成熟を考えるべきだ。
7%の成長なんて望めない。
まず、1~2%の成長を目指しながら、人間が幸せに穏やかに生活できる国、つまり成熟を目指す国をつくるべきだと思う。
・・・・次回につづく。

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2014年1月22日 (水)

お知らせ

「中央公論」2月号で、「認知症の恐れない」という特集をしている。
失ったものを数えない、認知症とつきあうための処方箋。
鎌田は、バリデーションというケアの考え方を中心に話を展開している。

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「SAPIO」2月号では、鎌田の人生哲学。
世間の「正解」だけが「解」ではない、被災者に教わったマルでもバツでもない「△」の生き方。
批判にさらされたときは、だれかのためになっているか自身に問え。
チョコ募金のことも詳しく紹介してもらった。

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ぜひ、ご覧ください。

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2014年1月21日 (火)

「憎まない生き方」講演会

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アブエライシュ医師・来日記念講演
「憎まない」生き方
鎌田實×イゼルディン・アブエライシュ×清田明宏

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日時/2014年2月19日19時から
会場/なかのZEROホール
料金/1000円・要予約

受付/ピースボート事務局03-3363-7561(平日10~19時)
詳しくは、亜紀書房のHP↓
http://www.akishobo.com/info/571.html

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憎しみの連鎖を続けていても悲劇が大きくなるだけ。
必死に耐えて、憎まない生き方を選んだ産婦人科ドクターで「それでも、私は憎まない」(亜紀書房)の著者、アブエライシュ氏が来日。

チェルノブイリやイラク、福島で医療支援をおこなっている鎌田と、国連パレスチナ難民救済事業機関の医療部門のトップ、清田先生もパレスチナから戻ってきて、「憎まない生き方」について鼎談する。
ないしょだが、ゲストも参加する予定。

ぜひ、ご参加ください。

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2014年1月20日 (月)

新春の緩和ケア病棟

諏訪中央病院の緩和ケア病棟の患者さんは、明るい人が多い。
よく笑う。よく食べる。がんの末期とは思えない。

東京から来ている女性は、「最後は諏訪中央病院にやってきて大正解、迷いはなかった」という。
毎日が「うれしくて」と、まるでがんなんて感じさせない。
「悪いことを考えてもどうすることもできない」と、ものすごく楽天的だ。

76歳の新聞屋さんのおじいちゃんもこう言う。
「くよくよ考えたってしょうがない、なるようにしかなんねえんだ」
みんな自分のことをよく知っているが、くよくよしないのだ。

Dsc_5569 信州の雪、あったかい

宮大工のおじさんも「病院で、こんなにいろんな種類のお餅が食べられるとは思わなかった」と大喜び。
あんこや黄粉、えだまめ、ゴマのお餅に目を見張った。

その話を受けて、ぼくは冗談を言う。
「ほかの病院では、のどに詰ませれて大変なことがあると困るので、お餅は出さないんです。
でも、この緩和ケア病棟は気にしません。
自分で食べたいと思った人は食べればいいんです」

そう言ったら、みんな大笑い。
餅を詰まらすなんて、自分たちはちっとも怖くない、という。

病室から出てこれず、意識がうろうろしているおばあちゃんがいた。
でも、親戚と家族が15人くらい部屋に集まって、にこにこしながら、あたたかく見守っている。

不思議な病棟だ。
しかめっ面をしている人がいない。

新しく横浜から女性の患者さんがやってきた。
この人は子どものころ諏訪にいたという。
「がんになったら、ふるさとの諏訪中央病院」と決めていたという。
実際に、戻ってくることができ、ほっとしたという。
ぼくが回診にいくと、「握手してください」と手を差し出した。
先生のテレビを見てましたとか、本を読んでますとかの話はでても、自分の病気の質問はまったくない。
子ども時代を過ごしたふるさとに帰ってきただけでうれしい
八ヶ岳が見えるだけでうれしい」と笑顔を浮かべる。

ぼくが「にこにこしている人には奇跡がよく起こります
ほかの病院で、もうだめと言われた人でも、そこからよくなることがよくあります」というと、
「先生、よくなっても、よくならなくてもどっちでもいい、帰ってきただけでうれしいんだから」
軸足がしっかりしている。

何種類もの野沢菜漬けが出てきた。
みんなが自分の家の自慢の野沢菜漬けをもってくる。
これがいい、いや、こっちのもいい味だ、と勝手に批評しながらいただく。
塩分がどうとか、もう関係ない。
こわいものはない。
食べたいものを食べるだけである。

看護師も手があくと、一分間くらい座ってお茶を飲んでいく。
なかなか座ろうとしない看護師がいると、「たまには座っていかないとだめ、心に余裕がないと、いい仕事ができないよ」と人生の先輩から声をかけられる。
患者さんたちが、看護師のことを心配してくれているのだ

ぼくの回診中、笑わない人は9人中1人もいなかった。
笑い声があふれている緩和ケア病棟。
いつでも、笑いがあふれている。
不思議な病棟だ。

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2014年1月19日 (日)

スキー、温泉、カレー

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1時間ほどスキーをした後、温泉に入り、久々に蓼科東急にあるナマステへ。
大好きなタンドリーチキンや、野菜ゴロゴロのカレーを食べた。

ケイシーさんは、スパイスの魔術師だ。
30種類のスパイスを使い分けて、豆カレーやほうれん草のカレーをつくる。

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2か月ほど、仕事でダッカへ行くというケイシーさん。
その間、このカレーが食べれません。

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2014年1月18日 (土)

お酒の○△□

兵庫県丹波市の山名酒造から「○△□」というお酒が贈られてきた。
丹波でとれた酒米の最高峰、山田錦を材料にした生の原酒だという。

酒の名前「○△□」は、江戸時代の禅僧、仙厓(せんがい)の禅書をもモチーフにしているという。
民衆の中に入って弱きものを励まし、おもしろおかしい風刺画や書を残した人と伝わる。
○△□の書は、さまざまな憶測を呼び、自由に解釈されているという。

1401052___2 スキー場の樹氷の林

「なんだか仙厓が鎌田先生とだぶってみえてきました」と、山名さんのお手紙にあった。
ぼくの「○に近い△を生きる」(ポプラ新書)を「読みだして一気に読んだ」そうだ。

山名さんは、自分にとってのヒーローの一人であるチェ・ゲバラについても書かれていたので、「驚き」という。
丹波に行ったときには、山名酒造を訪ねたいと思っている。

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2014年1月17日 (金)

沖縄の食

旅の楽しみは、その土地のものを食べること。
沖縄では、ミミガー(豚の耳)を食べた。
こりこりと歯ごたえがいい。

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イカスミ焼きそば。その黒い麺は、イカスミがねりこまれている。
これはおいしかった。

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島豆腐の上に、スクという貴重な魚の塩辛がのっている、スクガラス豆腐。
これもおいしい。

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沖縄は何を食べてもおいしい。
沖縄の伝統的な料理はとても健康にいい。

ただ、どれも脂が多い。
野菜の摂取量が全国ワースト1になったことは、健康長寿王国から脱落する原因になったと思う。

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2014年1月16日 (木)

辺野古の海

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沖縄に行ってきた。
ポプラ社からの依頼で、那覇市の琉球新報で講演・サイン会。
その後は、諏訪中央病院の後輩が、久米島病院の院長になったので、応援の意味もこめて、健康の話をしに行った。

その間中、おいしいものをいただいた。
宮古島出身の方が、手作りのサーダーアンダーギーというお菓子と、「年の数だけ食べると元気になる」とお餅をもってきてくれた。
おいしいお餅だが、これを65個食べるのは、ちょっと大変。

1401102___21401101___1 ソウキそばと、いただいたお餅

地元の人と辺野古の話になったら、涙ぐんでいた。
辺野古のある名護市は、1/19に市長選がある。

安倍さんは、沖縄に巨額のお金を投入するという約束して、辺野古に基地をつくり、普天間基地移転を成功させようとしている。
日本全体からみれば、これしかないように思うが、沖縄の人からみればとんでもないことだ。
いつまでも札束でいいようにあしらうことはやめたほうがいい。

実際に辺野古にも行ってみたが、とにかく美しい海だった(=上の写真)。
ここに滑走路をつくれば、この景観は損なわれ、サンゴも死滅する。
沖縄本島でも、本当に美しいという海が減っている。
この数少なくなった、美しい海のことを考えただけでも、そこに滑走路ができてしまうのは賢い選択とは言えないと思う。

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2014年1月15日 (水)

お知らせ

チョコ募金は、残り4万9000個になりました。
明日16日の「ニュース・エブリィ」(日本テレビ)で、16時25分ごろから4分間ほど、チョコ募金のことやイラクの白血病の子どもたちの支援の様子が映ります。
ちょっと注意して見てみてください。
 

18日には、「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」(TBSラジオ)
におじゃまします。
また永さんにかまわれるかと思いますが、チョコ募金はけっこうまじめに応援してくれます。

チョコ募金、もう一息。
ぜひ、ぜひ、ご協力ください。
詳しいことや申し込みはこちらから↓

http://www.jim-net.net/choco/

1401031__ 白銀のゲレンデで

八ヶ岳山麓映像日記に、昨年12月に行ってきたチェルノブイリの病院や、シリアの難民キャンプを訪ねたときの様子をアップしました。
もちろん、無料。
左側の映像をクリックするだけ。
ぜひ、ご覧ください。

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2014年1月14日 (火)

コツコツと「見える化」を

茨城の方から手紙をいただいた。
茨城も低線量被曝のうわさが絶えず、風評被害のため、干し芋が以前ほど売れないというのだ。
手紙とともに、干し芋も送られてきた。
宣伝してほしいとも手紙に書かれていた。

131230___1 雪に覆われた信州の田畑

やたらに宣伝はできないので、JCFのチームめとばーー信州大学の大学院生たちが運営している放射能測定所ーーで時間をかけて検査をした。
干し芋は2種類ともNDであった。
チームめとばで用いている検査機器の検出限界値は8.5ベクレル。
時間をかけて調べたが、検出値はゼロであった。
100ベクレル以下だから大丈夫と言わずに、ND値を詳しく公表することが大事だと思う。

こんなふうに放射能の見える化を図り、一つひとつデータをオープンにしていくことが大事だと思う。
その積み重ねが風評被害を解いていくことになる。

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2014年1月13日 (月)

チョコ募金10万個突破

チョコ募金が10万個を突破しました。
残りはあと6万個です。

ぜひ、フェイスブックやツイッターなどで広めてください。
元日放送のNHKスペシャルで、ラインの森川社長とご一緒したとき、チョ募金の話をしたら興味をもってくれました。
ラインに乗せられるか、検討してくれるということです。

67323516かわいい小さな缶に、3種類の味のハート型のチョコが入っています

カタログハウスでは、東京・代々木に移転した新しい本社ビルのB1Fに「福島のいまを伝える」をコンセプトにした物産店「本日!福島」をオープン。
チョコ募金を500個置いてくれています。
ここでは、放射性物質検査をした野菜や果物、加工食品、酒類、生活用品などを扱っています。

ご興味のある方は、ぜひ、のぞいてみてください。
営業時間は10時から19時(カタログハウス東京店のHP→http://www.cataloghouse.co.jp/shop/tokyo/2014/01/post-47.html

チョコ募金は第3コーナーをまわり、ここからが胸突き八丁。
ぜひ、バレンタインデーやちょっとしたプレゼントなどに、哲学のあるチョコレートをお役立てください。

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2014年1月12日 (日)

朝いちのスキー

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時間ができると、スキーを担いで朝一番のゴンドラに乗り、ひと滑り。
骨折前の感覚がもどり、スピードを出しながら、かなり安定して滑り続けることができるようになってきた。
その後は、温泉に入って帰ってくる。
健康ためのいいと思って、時間を見つけてはスキーを楽しんでいる。

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スキーをした日は体が疲れるので、いつもより早く眠りにつく。
でも、4時間半睡眠が身についているので、深夜というか朝3時に起きてしまう。

今の時季、信州はかなり寒い。
家の中でも寒い。
ひどいときには、家の中でスキーウエアのズボンを着こむことも。

でも、その代わり、夜が明けていく時間はとてもすばらしい。
空が刻々と変わっていくのを見ながら、コーヒーをいれ、飲みながら原稿を書いている。

冬は大好き。

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2014年1月11日 (土)

あたたかい医療を支える改革

諏訪中央病院にはいろいろな分野で、専門的な技術をもつ看護師が働いている。
感染管理認定看護師、感染症看護専門看護師、集中ケア認定看護師、救急看護認定看護師がいる。
緩和ケア病棟などでは、緩和ケア認定看護師やがん性疼痛看護認定看護師が働いている。

皮膚・排泄ケア認定看護師は床ずれの管理や、ストーマの患者さんたちのサポートをしている。
摂食・嚥下障害看護認定看護師は、食べることを専門にケアをしてくれる。
こういう人がいることで、おとしよりのケアのクオリティーが上がっていく。

1311067__ 改革を行いなから、質の高い医療の実現を目指す諏訪中央病院

全体の看護を束ねる認定看護管理者という看護部長もいる。
諏訪中央病院の看護は、あたたかさを第一の看板にしているが、そのあたたかさをしっかりした看護技術と専門的な知識が支えている。

諏訪中央病院は、1986年の大きな改革、98年の大きな改革を経て、現在のような360床の病院になった。
今回3回目の改革として、五十数億円をかけて、増改築がはじまっている。
救急体制の強化や地域連携の強化、病棟の質・アメニティーの改善、外来診療部や透析部門の充実、
それにドクターヘリに対応できるよう屋上ヘリポートの整備など、
新しい構想をもとに、さらに質の高い医療を目指している。
いろんな意味で、楽しみである。

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2014年1月10日 (金)

2/26講演会のお知らせ

あんしん財団福祉講座で、鎌田實が講演をします。
介護が必要になったときも、幸せに生きるための提案です。

あんしん財団福祉講座
 ~がんばらない介護でいきいき暮らそう!

日時 2014年2月26日(水) 17:30~19:45(開場 16:45~)

 第1部 「認知症サポーター養成講座~認知症を正しく理解するために~」(60分)
 第2部 鎌田實の講演 (60分) 
 

会場 ホテル横浜ガーデン JR関内駅から徒歩5分
定員 300人
申込締切 1月27日(無料ですが、申し込みが必要です)

主催 財団法人 中小企業災害補償共済福祉財団

申し込みや詳しい内容はこちら↓

http://www.anshin-zaidan.or.jp/welfaer_semminer

ぜひ、お近くの方、聞きに来てください。

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2014年1月 9日 (木)

シリア難民キャンプ

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ナナカリ病院の視察を終え、アルビルの郊外へ向かった。
アルビル郊外には4箇所、シリア難民キャンプができている。
いちばん巨大なキャンプを、代表が案内してくれた。

このキャンプの難民の数は、1週間ほど前には6000人だったが、ぼくが行ったときにはなんと7300人。
どんどん膨れあがっている。

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食事と水は十分という。
UNHCRがテントをはってくれた。
ユニセフが入り、教育もはじまった。
日本政府が仮設の学校を建てるという。
日本政府の動きも機敏である。

JIM-NETは、妊婦さんを支援してきたが、これが評価された。
外務省がNGOを支援するプロジェクトで2000万円を支援してれることが決定したのだ。
ありがたいことである。

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ぼくが聞きとりをしただけでも、つい最近、車の中やテントの中でも出産があったばかり。
できるだけ安全な出産が行われるように、キャンプ内の診療所の充実や、妊娠中の健診のために必要なエコーの購入などが、
難民キャンプの診療所のドクターから要請され、検討することになった。
キャンプの診療所での出産が難しい場合は、
専門の病院と連携できるよう、バックアップ体制がとられている。

徐々にではあるが、シリア難民キャンプの女性や子どもたちを守る体制ができあがってきた。

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2014年1月 8日 (水)

沖縄で講演

このブログの閲覧者が899万を超えました。
もうすぐ900万!
たくさんの方に見ていただき、感謝です。

1401053___1 白銀のゲレンデから

今週の鎌田は、沖縄へ。
1月10日(金)午後6時30分から、琉球新報社2階多目的ホールで講演をします。
ポプラ新書「○に近い△を生きる」刊行記念講演会。
沖縄の方、ぜひ、ご参加ください。

詳しくはこちら↓
http://www.poplar.co.jp/info/event/008381.html

翌日11日には久米島に飛んで、沖縄の長寿王国復活のために何が必要か、保健師さんと討論。
その後、島の人たちに、長野県の健康づくりの話をします。

久米島では、以前、諏訪中央病院で心臓外科をしていた深谷先生が公立病院の院長をしています。
その応援のための講演です。

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イラクの病院へ

ウクライナのキエフからイスタンブールへ、そして、イスタンブールからイラクのアルビルへ。
休む間のない、地獄のような行程でアルビルに着いた。

アルビルにはJIM-NETの事務所がある。
体はくたくた。
大好物のシュワルマ、これはチキンの薄切りと野菜をはさんだアラブのファストフードだが、これをほおばりながら、
ナナカリ病院へ向かった。

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病院の事務長とドクター3人、看護師たちが迎えてくれた。
途中から院長も加わり、感謝状のたてまでいただいた。

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病院は、雰囲気がとてもよくなっていた。
感染症対策を指導したものの、ここ2、3年停滞していた。
ところが、今は病院のいたるところに手洗い場が設置され、手洗いが徹底されている。
外来で、男性看護師に手洗いをみせてもらったら、指の間までていねいに洗い落とすみごとなものだった。
システムとしても徹底していた。

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外来のベッドは、感染症予防のカーテンで仕切られるなど、いたるところで工夫がされていた。
やはり日本に研修に来たことは大きかったようだ。
2月にはまた信州大学の小児科の坂下先生や、JIM-NETの井下先生がイラク入りし、このアルビルでJIM-NET会議が開かれる。

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ここナナカリ病院では、白血病の治療成績も上がってきている。
JIM-NETの支援のお金は、薬に充てられている。
薬の90%は政府から供給できているが、10%は足りない。
足りない薬を支援のお金を使って、市場で買ってきているという。
貧困のため、お金を払えない人たちの医療費も、JIM-NETのお金をあてることで、医療が継続されるようになった。
さらにその2割を使い、貧困家庭の子どもたちにミルクを与え、栄養面のサポートもしてきたという。
今までイラクではなかった支援が行われるようになり、それを日本のNPOが支えているということで、日本に対する評価もあがっているようだ。

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2014年1月 7日 (火)

お知らせ

「別冊暮しの手帖」で、「○に近い△を生きる」(ポプラ社)が紹介されました。
松浦弥太郎編集長が、○に近い△の生き方とは、「○でもなく×でもない、もうひとつの正しさであったり、新しい価値を見つけようという工夫された生き方のことです」と書評を書いてくれました。

Very_20131207女性誌の「VERY」1月号の養子をテーマにしたページに、鎌田が登場。
写真がとてもきれいです。
さんざん、いろんな写真を撮ったあとで、帽子をかぶり、マフラーをして帰ろうとしたら、「このほうがいい」と再度撮った写真です。

「パンプキン」では、「こわせない壁はない」(講談社)が取り上げられました。
この写真もなかなかしゃれた撮り方です。

「婦人公論」1/22発売号では、著名人11人による「生きる力がわいてくる心の言葉」。
鎌田は「自由に生きていい」という岩次郎さんの言葉について述べています。

1402l_3「日経おとなのOFF」

2月号では、「今年こそ自分で健康をつくる食習慣、医者いらずの食べ方」という特集に登場。
「だらしないベジタリアン」の鎌田は、血管、骨、心に効く食習慣を紹介しています。

朝は鎌田流野菜ジュース、お昼はゴマたっぷりの温野菜うどん。
夜のおかずは、イカまぐろ納豆のねばねばあえ。

どうぞ、ご覧ください。

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2014年1月 6日 (月)

チェルノブイリ訪問記⑦

ウクライナの25年の報告書によると、2008年、原発周辺の避難民の78.5%が慢性疾患をかかえている。
消化器疾患、循環器疾患、呼吸器疾患などが多く、がんではない疾患が多くなっているという。
236万人の被災者のデータから出てきた数字である。

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低線量被曝をすることで、みんなが動脈硬化やがんになったりするわけでないが、
ミトコンドリアや血管内細胞が放射線によって傷つけられることで、血管疾患やがんが、わずかだが多くなることは確かにあると思う。

ウクライナ国立放射線医学研究センターを訪ねた。
22年ぶりである。
ここで1991年1月、アナトリ・チュマク先生やベベシェイコ教授、ロマネンコ教授らとディスカッションしたことを覚えている。

Dsc00564 無人となった家の前で

2005年のIAEAを中心したチェルノブイリフォーラムでは、事故による放射線被曝にともなう死亡者数は4000人と推計された。
しかし、このデータはWHOを中心に「過小評価」と批判され、2006年のキエフ会議では、がんの死亡者数は3~6万という推計値が出された。

実際のところ、正確な数字はわからない。
おそらくがんの死亡総数は、IAEAとキエフ会議の報告数の間にあるのでないかと思う。

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2014年1月 5日 (日)

チェルノブイリ訪問記⑥

ウクライナ政府は、事故後25年の健康被害の状況をまとめた。
その小児科の担当教授エフゲーニャ・ステバーノバさんに話をうかがうことができた。

ウクライナでは低線量被曝でたいへんなことがおきていると思われがちだが、決してそうではないと教授は言う。
たとえば、貧血などが40数%に増加している。
それは事実だが、その貧血がすぐに白血病につながるということではない。

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貧血の原因として、低線量被曝も一つの要因ではあるが、国の経済が悪化したことや、食べ物の汚染により、好きなものを食べられなくなったことなどいくつもの要因も関係している、とウクライナのドクターは考えているようだ。

だからといって、低線量被曝を軽くみているわけでない
放射線が血管内膜を変化させることは、科学的に究明できている。
放射線は細胞のなかにあるミトコンドリアの被膜などに影響を与え、細胞の老化を早めるということも、アメリカとの共同研究で研究されている。
放射線は、DNAを傷つけるだけでないく、フリーラジカルとしての放射線が血管内膜や細胞を傷つけ、がんのリスクをわずかだが高めていることも、データから明らかになっている。

低線量なら被曝していいと思わないほうがいい、というのはこのためだ。
これは、ベラルーシやロシアのドクターとの共通した考えだそうだ。

Dsc08080 ステバーノバ教授と

周産期の異常も事故後多くなっている。
異常というと、子どもの心臓や手足の奇形といったことをイメージする人が多いが、そうではない。
ウクライナで増えている周産期の異常とは、やや小さな赤ちゃんが生まれやすかったり、流産が多かったりすることを言う。
この点は、ぼくたちがベラルーシで見てきたことと一緒だと思った。

子どもが重い病気になったり、心臓や手足に障害をもって生まれてくるということはほとんどないが、
それでも低線量被曝の健康への影響はある。

その事実を冷静にとらえ、小さい子は高汚染地域に住まわせないようにするために、この25年の健康被害の状況をまとめたのだという。
理にかなった説明を受けた。

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2014年1月 4日 (土)

チェルノブイリ訪問記⑤

ウクライナの放射能汚染地域ジトミール州ナロジチ地区へ行った。
ここは、年間5ミリシーベルト以上の高汚染地域で、1991年につられたウクライナのルールによると強制移住地域にあたる。

まちの3軒に一軒は無人。
強制移住がはじまり、希望者から転居からおこなわれていったが、途中でウクライナの経済が悪くなり強制移住ができなくなっていく。
結局、5ミリシーベルトの地域でも住まざるをえなくなったのだ。
この結果に対して、ふるさとを離れたくなかった多くのまちの人は、不安と不満と歓迎のごちゃまぜの感情だったようだ。

ナロジチ地区の外側に、1~5ミリシーベルトの地域がある。
移住選が与えられ、自己選択ができる地域で、出ていった人と、残った人たちがいる。

0.5~1ミリシーベルトの地域は放射線管理区域とされ、保養と健診、食品の放射能の見える化が徹底して行われた。

だが、結局、この国は経済が厳しい状況になり、いい基準をつくったはずなのにその通りに実行されず、多くの人が町に残ったことになる。
2万5000の人口は、いま1万1000人。
年間110人の子どもが生まれている。

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ナロジチ地区の病院のセルゲイ副院長と話をした。
彼は33歳。医学部を卒業後、両親がいる出身地で、勤務医になった。

彼はに7歳の子がいる。
その子をこのまちで暮らさせているのかと聞くと、
いまは0.1マイクロシーベルトくらいなので、家族と一緒に暮らすほうがいいと考えている、という。

かつては1.2~1.5マイクロシーベルト以上の放射線があったが、除染と27年の時間が経過したことによって、町の多くの地域が0.1マイクロシーベルトになった。
強制移住区域ではなく、移住選択区域に替えてらおうという動きもあるという。

福島県の医師たちの子どもの多くは、福島県外に出ている、と福島の若い親たちから聞かされてきた。
福島で暮らすことについて「だいじょうぶ」と言いながら、自分の子どもは県外に出しているということに対して、不信感をもっているのだ。

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この副院長は、家族がばらばらにならないことを選んだ。
だが、この地区で子どもを育てるために、注意も怠らない

放射能の食品の測定。特に子どもが食べるものは、安全な地域から作物を買っている。
保養はどうだ、と聞くと、
年3回、行っているという。
国が補償してくれるのは1回のみ。その1回さえも、国の経済が厳しく、許可がでないことがある。
あとの2回は、彼自身が自分のお金で子どもを保養に出している。

一回の保養は24日間。
0.1マイクロシーベルトの地域でも、子どもを24日×3回、安全な地域に出している。
ここは日本もみならったほうがいいと思う。

何もしないで、汚染地域に住んでいいということではない。

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2014年1月 3日 (金)

チェルノブイリ訪問記④

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チェルノブイリ原発から10キロのところにあるプリピャチは、かつて原発労働者の夢の町だった。
原発事故当時10歳だった若者アレクサンドルさんに、今はゴーストタウンになった、彼の住んでいたアパートメントを案内してもらった。

母親と一緒に暮らしていたその部屋の窓辺には、花がドライフラワーになってそのまま残っていた。
避難した後、母親がはじめて戻ってきたときに置いたものだという。

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プリピャチは当時、若者たちにとってあこがれのまちだった。
住民の平均年齢は26歳。
優秀な技術者たちが住んでいた。
ソ連の中ではめずらしく、スーパーなどにはたくさんのものがあふれていた。
その夢のようなのまちが突然、住めなくなった。
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3日で戻れる」といわれ、1100台のバスに乗り込んだ。
そのバスの行列の様子を、アメリカのNASAが衛星からとらえて、事故を推定した。

この若者は母親と一緒に逃げたが、放射能疎開のための保養で各地を転々とし、母親といき別れてしまった。
探したがみつからず、孤児の施設に入れられる寸前に、劇的に母親と再会した。
自分は孤児になっていたかもしれないと話してくれた。

原発事故でみんなが人生を狂わされていった。
この一帯は毎時7~8マイクロシーベルト。

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遊園地にも行った。
この遊園地があと5日でオープンするというときに発生した原発事故。
10歳だった彼は、オープンまで待ちきれず、遊園地にしのびこんでスタッフにしかられた。
電気自動車に乗りたくてしかたなかったという。
夢の遊園地。
その遊園地は一度も子どもたちを迎えることなく、廃墟となった。

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2014年1月 2日 (木)

チェルノブイリ訪問記③

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事故を起こした4号炉の原子炉は今、30度くらい。
当然、石棺の中は人が入れる状態ではない。

今回、1号炉の中や、2号炉のコントロール室に入れてもらった。
毎時0.5マイクロシーベルト。
どちらも停止している。

それでも操作盤でたくさんの人が働いているにもかわらず、0.5マイクロシーベルトある。
「高い」とぼくが言うと、
ここはふつうの町の中ではないのだ」と怪訝な顔をされた。
ここは原発なのだから、0.5マイクロシーベルトぐらいで働くのは当たり前とでも、さも言いたそうだった。

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3号炉と4号炉はひとつのビルでつながっている。
だが、今はその間の通路が壁でふさがっている。
その壁のあたりは、なんと29.5マイクロシーベルト。

3号炉の熱を下げるためのタービン室の一帯も、20マイクロシーベルトと高い。
4号炉の中には、爆発したとき亡くなった方の遺体がそのままある。
運び出せなかったのだ。

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事故当日、3号炉と4号炉の調整のために働いていた原発技術者にインタビューすることもできた。
彼は体内被曝をした。
一時的に避難したあと、復帰し、キエフから原発に通い続けたという。

健康を害し、奥さんとも別れた。
原発事故で人生が狂った、と話してくれた。

原発事故は、それぞれの人に深刻な悲劇を招く。

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2014年1月 1日 (水)

あけましておめでとうございます

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お正月の鎌田は、一時間ほどスキーをした後、温泉に入り、
4人の孫にかこまれてお雑煮を食べています。

家族だんらんを楽しんだ後は、さっそく原稿。
この性分は、今年も続きそうです。

今年は2月に、パレスチナ人ドクターのアブエライシュさんを招き、講演会を開きます。
彼は、3人の娘をイスラエルの空爆で亡くしました。
「それでも、私は憎まない」という本を書いており、亜紀書房から出版されています。

講演会のテーマは、「憎まない生き方」。
ぼくがパレスチナに行くときにお世話になった国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田先生も帰国し、シンポジウムに参加してくれます。

どうしたら世界が平和になるのか、3人で考えると同時に、
憎しみを横に置く生き方についても語り合っていきます。

講演会について詳しくはこちら(http://www.akishobo.com/info/571.html

チェ・ゲバラは、革命をおこしても、一人ひとりが新しい人間にならないと世の中は変わらないと考え、つねに自ら新しい人間になるために、汗を流して努力していました。

ぼくも今年は「新しい人間」をめざして生きたいと思っています。
みなさんがよいお年でありますように。

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