チェルノブイリ訪問記⑦
ウクライナの25年の報告書によると、2008年、原発周辺の避難民の78.5%が慢性疾患をかかえている。
消化器疾患、循環器疾患、呼吸器疾患などが多く、がんではない疾患が多くなっているという。
236万人の被災者のデータから出てきた数字である。
低線量被曝をすることで、みんなが動脈硬化やがんになったりするわけでないが、
ミトコンドリアや血管内細胞が放射線によって傷つけられることで、血管疾患やがんが、わずかだが多くなることは確かにあると思う。
ウクライナ国立放射線医学研究センターを訪ねた。
22年ぶりである。
ここで1991年1月、アナトリ・チュマク先生やベベシェイコ教授、ロマネンコ教授らとディスカッションしたことを覚えている。
2005年のIAEAを中心したチェルノブイリフォーラムでは、事故による放射線被曝にともなう死亡者数は4000人と推計された。
しかし、このデータはWHOを中心に「過小評価」と批判され、2006年のキエフ会議では、がんの死亡者数は3~6万という推計値が出された。
実際のところ、正確な数字はわからない。
おそらくがんの死亡総数は、IAEAとキエフ会議の報告数の間にあるのでないかと思う。
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