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2014年4月

2014年4月30日 (水)

鎌田實の一日一冊(201)

「「自由」のすきま」(鷲田清一著、角川学芸出版、1728円)

鷲田さんの本のなかに、「味わう人」というエッセイがある。

「ホモ・サピエンスという言葉がある。人の定義として最も有名なもので、「賢い人」「知恵のある人」などと訳される。
人と他の動物との違いがどこにあるかというときに、それを知性の有無に求めるのだ。
しかし、「サピエンス」は動詞の「サピオ」の現在分詞であり、サピオは味わうこと、味わい分けることを意味する。
サピエンスは。そこから「吟味する」、さらに「賢い」へと意味を広げていったという」

そういうことだったのか、と思う。

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臨床哲学者の鷲田さんとは、人を支えるとは何か、介護とは何かというテーマで対談したことがある。
「いのちの対話」にもゲストで出ていただいた。
わかりやすい言葉で、深く納得させられてしまう、鷲田哲学の真骨頂は文章の後半にも現れている。

「赤ちゃんは口で何でもくわえ、なめ、しゃぶり、かじって、口で吟味する。
これが私たちの知覚の原型であり、以後、見るときも「なめるように見る」ことになる。
生きるうえでどうしても外せない異物の判定、その基礎にはいつもこの吟味がある」

なるほど、とうなってしまった。

この本も、そんな哲学が満載だ。

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2014年4月29日 (火)

京都で、春を食す

京都に行ってきた。

NKHの「プロフェッショナル」で取り上げられた草食料理の中東(なかひがし)。
今、いちばん予約がとりにくいとか。
たけのこ、さばずしの上には、ねぎの根を揚げたもの、こごみの白和え・・・。

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こちらは、鍵善のくずきり。
黒蜜で食べるのがお気に入り。

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2014年4月28日 (月)

大阪の書店で、囲む会

ポプラ社より「下りのなかで上りを生きる」「ほうれんそうはないています」の発刊、集英社より「人間らしくヘンテコでいい」の発刊記念イベントとして、
大阪の書店で「鎌田實を囲む会」を開催することになった。

読者の方と近い距離で語り合う「囲む会」。
ぜひ、お近くの方は、ご参加ください。

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鎌田實を囲む会&サイン会>

日時:2014年5月17日(土)18:30開場 19:00開演
会場:隆祥館書店 7階 ギャラリ-

   (応募人数多数の場合、会場を変更させていただく場合があります)
CafeBreakTime :1,500円
(要予約・事前購入制とさせていただきます。申込み順)
  振込先 三井住友銀行上町支店(普通)1353923
  カ)リュウショウカンショテン

申込み・お問合せ:隆祥館書店 TEL06-6768-1023
        Eメ-ルryushokan@eos.ocn.ne.jp
主催:隆祥館書店
後援:ポプラ社 集英社

(時間の都合上、サインは、当店でお買上の方に限らせていただきます)

詳しくは、隆祥館のHP↓

http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/2014/04/2014517%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%81%95%E3%82%93%E3%82%92%E5%9B%B2%E3%82%80%E4%BC%9A%E9%8E%8C%E7%94%B0%E5%AF%A6%E3%81%95%E3%82%93%E3%82%92%E5%9B%B2%E3%82%80%E4%BC%9A%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%B3%E4%BC%9Ano67.html

以下は、HPから・・・

『下りのなかで上りを生きる』では、経済至上主義や放射能問題など、前作から更に具体的に踏み込んで、下り坂にある日本で私たちが目指すべき「新しい人間」のあり方を教えてくれます。
帯に「絶望するな。逆境こそ逆転のチャンス!今、この国が抱えるすべての問題の答えはあなたの足元にある。誰よりもあなたが、あなたのことを本気で考えてほしい、私たちが生きる日本の未来を。」とあります。

また、福島の放射能問題については、日本中の子どもたちにもその痛みと悲しみを伝えたいということで、絵本作家の長谷川義史さんとタッグを組んだ絵本『ほうれんそうはないています』も刊行されました。
ただただ、心から、現在と未来の子どもたちを守りたいという、著者2人の大きな覚悟が溢れています。
未来の子どもたちを守るために何かできることが、私たちにもあるのではと考えさせられます。

『人間らしくヘンテコでいい』は、鎌田さんが6年間も世界中を旅しながら、考え続けてきた「人間が幸せに生きるのに、本当に必要なものは何か」というテーマを一冊の本にまとめたものです。
鎌田さんは、アウシュビッツの強制収容所や、パレスチナの難民キャンプ、エジプトのピラミッド、モアイ像で有名なイースター島、そして人類発祥の地であるアフリカの大地溝帯など、さまざまな国を訪れ、いろんな人に出会いました。
誰の心の中にも、ケモノと天使が棲んでいて、ほんの紙一重の差で、憎しみ合ったり、助け合ったりするのだということに、気がつきました。
ケモノを暴れさせないで、自分も、周りの人も、みんなが幸福に生きるために、
本当に必要なものは何なのか?旅を続け、現地の人と語り合い、たくさんの本を読む中で
ひとつのキーワードに行き当たったのだそうです。それが、なんと「ヘンテコ」というへんてこな言葉でした。

この3冊の本の刊行を通じて鎌田實さんは、私たちに何を伝えようとされているのでしょうか?鎌田實さんを囲んで更にお話を聞かせていただくためにも是非ご参加下さい。

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2014年4月27日 (日)

5/21ほろ酔い勉強会

恒例の「ほろ酔い勉強会」の215回。
今回は、都立駒込病院でがん治療に取り組んできた坂巻壽先生と、鎌田の講演。

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日時 2014年5月21日(水)午後2~4時
会場 諏訪中央病院 講義室

「健康で長生きの秘訣教えますⅡ」
 諏訪中央病院名誉院長 鎌田 實

「癌治療の最前線~駒込病院での取り組み」
 がん・感染症センター 都立駒込病院名誉院長 坂巻 壽

坂巻先生は血液疾患の治療や若い医師への指導のため、週一回、諏訪中央病院に来てくれることになった。
がん治療の最前線について興味深い話が聞けると思う。

坂巻先生は、鎌田の大学の同級生でもある。
同級生と一緒に講演するのは、リハビリ医の長谷川幹先生以来だ。

参加は無料です。
ぜひ、聴きにきてください。

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2014年4月26日 (土)

鎌田写真館~高遠の桜

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高遠のコヒガンサクラ。
先週、満開になった。
池の水面には、
舞い落ちた花びらの花いかだが、美しい。

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2014年4月25日 (金)

新刊のお知らせ

「人間らしくヘンテコでいい」(集英社、1500円+税)が本日、発売された。

われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか。
世界中を旅し、人間という不思議な生き物について6年かがりで取材し、執筆した。

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いくつもの偶然が重なって、命が生まれた。
人間の心のなかのケモノと天使がいる。

信じられないような悪いことをしてしまう人間。
しかし、想像を超えて、すばらしいことをするのも人間だ。

この本を書くために、たくさんの本を読んだ。
たくさんの人に会った。

写真も多用し、ぜいたくな本に仕上がっている。
ぜひ、多くの人に読んでもらいたいと思う。

続きを読む "新刊のお知らせ"

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2014年4月24日 (木)

「おはよう21」で新連載スタート

彼は、若年性認知症。
認知症のことを理解してもらいたいと、自らカミングアウトした。

学校で数学を教えたり、コンピュータのエンジニアをしていた。
40代から記銘力障害が現れ、今、ご飯を食べたかどうか、薬を飲んだかどうか、わからなくなってしまう。
自分で食事や服薬を記録するパソコンのソフトをつくり、記憶を補った。

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お会いしたときは、最寄の駅まで一人で来ることができた。
しかし、どこの駅で乗り換えるというような場合は、はじめのうちは覚えていられるが、すぐに忘れてしまう。
自分でもそのことがわかっているからこそ、生活に支障が出ないように工夫する。
なんと、一人で北海道まで行ってくることもできた。

彼は、「認知症になったからといって、人生が終わったわけではない」と言う。
記憶に障害があっても、うれしい、楽しい、悲しいという心は動いていると訴える。

認知症は470万人、予備軍は400万人いるといわれている。
認知症になってもイキイキと生きていくことができる社会になるといいなとも、彼は言った。

               ◇  ◇  ◇

介護専門職の総合情報誌「おはよう21」(中央法規出版)で、鎌田實の新連載がスタートします。
介護に興味のある方、介護専門職の方はぜひ、お読みください。

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2014年4月23日 (水)

桜そば

蓼科のみつ蔵というお蕎麦屋さんは、いつも行列ができている。
並ばないと食べられない。
ぼくは並ぶのがきらいなので、食べに行くのは久しぶりだ。

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ここのだし巻き卵がおいしい。
桜の葉が入っている桜そばをいただいた。

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2014年4月22日 (火)

よっくんの詩

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おいらとママで直線。
先生とで三角形。
看護婦さんとで四角形。
研修医の先生とで五角形。
ギザギサがとれて、だんだんまあるくなっていく。
角がなくなってだんだんまあるくなっていく。
たくさんの人と手をつないで、まあるく、まあるくなりたい。
こころもまあるくなりたい。

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これは、原発性免疫不全などのいくつも難病で、12歳で亡くなったよっくんの詩。

彼は詩集をつくりたいという夢をもっていた。
生きている間には、かなわなかったが、
一般財団法人メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパンの応援により、
「いつかぼくもビーズになる! よっくんのポエム」(米野嘉朗・綾子著、大阪東方出版)が出版されることになった。
詩集の印税は、すべてこの法人に寄付される。

 

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彼はぼくの「がんばらない」や「あきらめない」を読んでくれていたという。
ぼくもこの詩集を応援している。

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2014年4月21日 (月)

Dr.かまたの超減塩みそ汁&雑炊 新発売!

茅野市の老舗寒天メーカーより、鎌田實プロデュース、
「Dr.かまたの超減塩シリーズ」 新発売です!

Dr.かまたの超減塩みそ汁

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みそ汁1杯の塩分、なんと0.8g以下。しかもカロリー30kcal以下。なのに具材は、もりだくさん。しゃっきりキャベツとにんじん、ふわっとたまごと小松菜、なめらかとうふと油あげの三種類。

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さわやかな風味の信州味噌とコク深い三州豆味噌を合わせ、かつお節、宗田かつお節、いりこの3種類のだしを使い、うまみで勝負。減塩でも物足りなさを感じさせない、まろやかな味わいのお味噌汁に仕上げています。しゃっきりキャベツとにんじん、なめらかとうふと油あげのみそ汁は、塩分なんと、たったの0.7g。

最初は、今までのお味噌汁よりちょっと味が薄いかなと思うけど、2回目には慣れ、3回目にはもうやみつき。おいしい、おいしいと、うちの孫たちには大好評。

このお味噌汁の特徴は、化学調味料を一切使わずに、だしと、合わせみそ、具で、表現できたこと。塩分が減っただけでなく、みその発酵成分が、腸の機能を高め、免疫力をあげてくれる。

免疫細胞の6割は腸にあり、腸の機能を高めると、感染症やがんにも少しなりにくくなる。

腸にいいものは、繊維と、発酵食品。野菜、きのこ、こんにゃく、寒天。

寒天と野菜がたっぷり入っているから繊維が豊富。そして、大豆を発酵したみそ。このみそ汁で、両方同時に摂取することができる。

Dr.かまたのおいしい寒天雑炊

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5種類の穀物とかまた推奨の具材を使って、「まごわやさしい」にごだわった。

め、 ま、 かめなどの海藻類、 やさい、 しいたけなどのキノコ類。

そして、雑炊1杯、なんと塩分0.9g以下、カロリーは57~83kcal。

味は、帆立だし、鶏白湯、和風海苔、鯛だしの4種類。それぞれおいしさにも特徴がある。どれもおいしいが、まんべんなく4種類を順番に食べてもらえると、「まごわやさしい」が、自然に体に摂取され、無理なく健康になれる。

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<ご購入は・・・>
日本チェルノブイリ連帯基金

〒390-0303 長野県松本市浅間温泉2-12-12
 TEL 0263-46-4218
 FAX 0263-46-6229

お電話、または、FAXでご注文ください。
オンラインによるご注文は、こちらから

発売キャンペーンとして、期間限定、
5000円以上、
送料無料です。

●Dr.かまたのおいしい寒天雑炊 12食・・・ 3,150円  (税込)
●Dr.かまたの超減塩みそ汁 24食・・・ 1,730円  (税込)

※JCFよりご購入いただいた場合、売上げ金の2割が、福島・チェルノブイリ支援のために使われます。

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製作は、茅野市の老舗寒天メーカー、北原産業株式会社。

ぜひ一度お試しください!

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2014年4月20日 (日)

水出しコーヒー

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茅野から蓼科へ行く途中、「ゆるやかな時間(とき)」という農園カフェがある。

水だしコーヒーは、6~7時間かけて水を落としていれる。
さわやかだが、深い味わいがあった。

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コーヒーはいろいろな抽出の仕方がある。
ポリフェノールがいっぱいで、一日5杯以上飲むと、がんや脳卒中になりにくいというデータも出始めている。

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自家製のトマトジュースがとてもおいしい。
こんなにおいしいトマトジュースは初めて。
しらすかつお丼もおいしかった。

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2014年4月19日 (土)

絵本、反響続々

「ほうれんそうはないています」(ポプラ社)がいろいろなところで紹介されている。
読んでくださった方も、SNSなどを使って、感想を発してしてくれている。

編集者で評論家の野上暁さんからは、
「福島をテーマにした絵本はこれまでも出ていますが、小さな子どもでもとてもわかりやすく表現されていて感服しました。
画家に長谷川さんを選んだのもよかったと思います。
すばらしい絵本をありがとうございました」というご感想をいただいた。

「裏原宿の小さな絵本と雑貨の店あぷりこっとつりー店主」さんも、ブログで感想を書いてくれている。

http://apricot-tree.asablo.jp/blog/2014/04/13/7273944

北海道の剣淵町にある絵本館でも、
「これほどストレートに迫ってくる放射能汚染をえがいた本に初めて出会いました。
読み聞かせでもとりあげたいです。泣かずに読めるまで要練習」とのこと。

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上の写真は、先日4/12の読売新聞の夕刊でも紹介されたもの(左は、右の紙面の拡大です)。

また、ほかの方は、
「読み終わって胸にずしんと残るものがある。鎌田さんと長谷川さんの迫力が感じられる」

「だれにも食べてもらえなくなったほうれんそうやお米など、それらの無念さや悲しさ、3年たった今、どれくらい本当に私たちはきちんと受け止めているだろうか」

「読んで涙目。今こんな世の中だからこそ、とても心に響きました」

たくさんの人が感想を発信してくれている。

この絵本には、子どもを守りたい、いつか必ず、原爆や原発がない社会にしたいという思いを込めた。
これからも、ぶれることなく、やわらかく、そして、ほんの少し強く、訴え続けていきたい。

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2014年4月18日 (金)

生前葬コンサート

小椋桂さんは70歳。
この秋、4日間連続で「生前葬コンサート」を開く。

その後は、「本当は引退したい」と思っているが、「よくわからない」とも言う。
もしかしたら、四十九日コンサート、三回忌コンサートなんてやっているかもしれない。
明日のことはわからないのが、人間。

Photo ゲストの小椋桂さん(中央)、村上信夫さんと

4月20日の「日曜はがんばらない」(午前10時~、文化放送)は、小椋桂さんがゲスト。
ぜひ、聞いてください。

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2014年4月17日 (木)

銀の卵

「日経ビジネス」4/14号の「賢人の警鐘」で、長野県の健康長寿の秘密について書いた。
「高齢になっても働き、人とつながり続けることが健康と長寿につながる」というタイトルだ。

この話を受けて、編集長が「(長野県の健康長寿の秘密は、長年すすめた減塩や運動の奨励ではなく)、実は高齢者の就業率の高さだったということです。
つまり、長く働くということは、経済的にも、社会的にもきわめて有益ということになります」と書いている。

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この号は、シルバー人材を「銀の卵」として、日本社会の在り方を考えている。

2014年、団塊の世代が65歳以上になった。
1947~49年生まれは660万人。対象を1951年生まれまで広げると、その数1000万人を超える。
シルバー人材はあふれている。

2030年には、日本の労働人口は5000万人を切ると予想されている。
そのとき、65歳、70歳の人たちにどうイキイキと働いてもらうか。
あくまでも、若い世代が中心的な役割を果たしながら、シルバー人材が若い世代を横から支えたり、踏み台になったりして、いい関係になれればと思う。
ぼく自身も、そういう人材になりたいと思っている。

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2014年4月16日 (水)

検査値高くても健康?

日本人間ドック学会と健康保険組合連合会は、健康な人34万のうち、最終的に1~1.5万人を抽出して、検査値を出した。
その結果、基準値以上の人も多くみられた。
検査で「異常」となっても、実際には健康という人がいるということだ。
 

血圧の「基準値」は拡張期85未満、収縮期130未満となっているが、今回調査した健康な人には拡張期94、収縮期147という人がいた。

肥満度の目安になるBMIは、男女ともに25未満が基準とされているが、調査した健康な人は、男性18.5~27.7、女性16.8~26.1となり、「ちょい太」を含む人たちも含まれていた。

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悪玉コレステロールは60~119が基準値とされているが、男性では72~178に。
女性では30~44歳で61~152、45~64歳で73~183、65~80歳で84~190となった。
今まで閉経後の女性は、高脂血症と診断されやすかったが、生理的な問題だけで病気ではないことがわかっていた。

これらの結果はとても興味深い。
健康の基準の見直しにつながることを望む。

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2014年4月15日 (火)

あげちん

週刊朝日に、将来が楽しみな小さなプリンスとして、ノルウェーのマルウス・ボルグ・ホイビーが取り上げれられていた。
彼は、13年前にホーコン王太子と結婚したメッテ・マリットが、未婚出産した息子。
しかも、父親は麻薬中毒で服役中だった。
メッテ・マリットさんもドラッグパーティに出入りしていた事実が暴露され、結婚反対が叫ばれた。
しかし、挙式3日前に「若いころに足をふみ外しました」と涙ながらに告白。
空気が一気に変わり、当時の首相はこの結婚を擁護。
国王も二人を応援すると伝えた。

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ぼくは「下りのなかで上りを生きる」(ポプラ新書)のなかで、このホーコン王太子のことを、女性を支えるために生きぬく覚悟をもったかっこいい男=「あげちん」として書いた。

同書には、楽観力や回転力、見通す力、突破する力など、不可能のときに可能を見つける6つの力、低線量被曝と健康被害をどう考えたらいいかなどについて詳しく書いている。

先日は毎日新聞に、大きな宣伝広告が載った。
ご興味のある方は、ぜひお読みください。

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2014年4月14日 (月)

鎌田實の一日一冊(200)

「線路はつながった 三陸鉄道 復興の始発駅」(冨手淳著、新潮社、1296円)

先日、三陸鉄道が全線再開した。
震災から3年、完全復旧するまでの激動の日々をつづった手記である。

震災直後、強いリーダーシップで動かせるところから動かすという指示を出した。
わずかな区間だったが、約1週間で電車が走りだした。
被災者にとっては、電車が走るというのは大きなことだったと思う。

電車は、車とは違う。
電車は線路がつながっていて、町から町へ、人から人へとつなかっている。
線路の上に立ってみると、ロマンティックな気持ちになる。

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90億円の国の応援があったことで出発できた。
今後は経営が厳しいと思う。
乗客数は2009年に89万人だったが、2012年は38万人、2013年は49万人と、震災歳前には戻るにはほど遠い。
沿線の市町村の人口も約1万人減ったと言われている。

応援したいという人は、乗りにいくだけでもいい。
被災したレールを切った「復興レール」や、「赤字せんべい」、地ビールなどを売っているので、実際に行って買ったり、
おとりよせするのもいい。
被災地をどう応援していいかわからない人は、とりあえず1泊2日で三陸鉄道に乗る旅というのはどうだろうか。

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2014年4月13日 (日)

カレー好き

カレー好きのぼく。
蓼科にあるナマステのシェフ、ケイシーさんは冬の間、インドに帰っていた。
久しぶりに戻ってきたというので、さっそくナマステに行った。

タンドリーチキン、シュリンプサラダ、ほうれん草のカレーに豆カレー。
どれもこれも絶品だ。

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消費税が上がってはじめての土曜だったためか、お客はぼくたちだけ。
蓼科の行楽地も閑散としていた。
2~3週間後には元に戻るといいのだが。
増税の自縛から解放されなければ、経済が止まってしまう。

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2014年4月12日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(163)

「K2 初登頂の真実」

世界で二番目に高い、8611mのK2。
「非情の山」といわれるこのK2に、1954年、イタリアの登山隊が成功した。
しかし、名誉は隊全体にあるとし、登頂に成功した2人の名前は長い間、公表されなかった。
この初登頂の栄光の陰に隠れされた「真実」を描いているのが、この映画だ。

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ボナッティは隊のなかで最も若く、強かった。
リーダーは、その彼に初登頂の名誉を奪われるのを恐れ、妨害工作に出る。
キャンプから酸素ボンベを運んでいたボナッティには到達できそうもない、本来の場所よりもっと高い場所にキャンプを設置する。
そのため、ボナッティは雪のなかでビバーク。奇跡的に生き抜く。
だが、ボナッティと一緒に命がけで酸素を運んでいたポーターが凍傷になり、下山せざるを得なくなる。
結局、リーダーともう一人が、K2発登頂という名誉を達成する。

人間のなかには獣がいる。
自然を愛し、もっとも誠実で、勇気をもっているとされる登山家の心のなかにも闇がある。
これが人間というものなんだろう。
世界最難関の山を征服するために身に着けた、ずば抜けた体力や勇気、決断力、持続力を持ちながら、
嫉妬と不信にとらわれていく。
だが、その獣の心ゆえに、登頂にも成功した。

この映画は息をのむような美しさのなかで、人間の心のむずかしさが見事に描かれている。

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2014年4月11日 (金)

何のための臨床研究か

製薬会社のノバルティス社が、白血病治療薬の臨床研究に社員が不正にかかわった問題について、調査報告書を公開した。
それによると、本来、医師主導の中立的な治療研究であるべきなのに、ノバルティス社が会社ぐるみで医師をサポートしていたことがわかった。

ノバルティス社は、高血圧の薬の不正問題で、今後いっさい臨床研究にタッチしないといったはずなのに、
舌の根が乾かぬうちに、社員が患者のアンケート用紙を預かったり、データを持ち帰ったりと、改ざんを疑われてもしかたない接し方をしていた。

1403303___1 飯舘村にあった椏久里(あぐり)コーヒーのボリビアは、とてもおいしい。焙煎が深入りではなく、さわやか

こうした動きをみると、薬を開発するためでなく、売るための臨床研究ではないかと思えてくる。
臨床研究でいいデータを出したいということと同時に、医師と接して、その医師に薬を使う習慣をつけせさる。
そのために、たくさんの研究費が渡される。

今回この臨床研究の事務局は東大であるが、東大が不正にかかわったかどうかはわからない。
ただ、当たり前のように、利益を追求する製薬会社の社員にまるがかえでサポートしてもらうのはおかしい。
倫理観の欠如である。
そして、こんな構図をもつ日本の医療も、大きな問題である。

 

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2014年4月10日 (木)

原発事故563

国連科学委員会は、福島第一原発の事故直後、東電関連企業の作業員の内部被ばく線量について、
被曝量の5割の過小評価の例があり、信頼性を確認できなかったといっている。

さらに、国連科学委員会は30キロ圏内にいた1歳児は、理論的には甲状腺がんが増加する可能性がある、としている。
だが、同時に、「増加する可能性はあるが、実際に増えるかどうかわからない」と述べた。

その通りである。
福島県の子どもは36万人。
そのうち、25万4000人の検査を行った段階で、甲状腺がんと認められた子は33人だった。
今後、検査の数が多くなれば、もう少し増える可能性はあるだろう。

甲状腺がんと診断された子どもたちが、すべて原発事故と関係しているかどうかは、何ともいえない。
何ともいえないが、甲状腺検査を分析し、さらに詳しい検査をしていく必要があると述べている。
これが正しい姿勢だと思う。

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2014年4月 9日 (水)

スープカレー

ぼくはスープカレーが大好き。
札幌に行くと、らっきょのスープカレーなどよく食べに行く。
ときには、おとりよせして食べることもある。

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写真は、奥芝商店のえびスープチキンカリー。
エビのだしがばっちり出ていて、和風を進化させたスープカレーだ。

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骨付きチキンが入っているのは、ガラムマサラのやわらかチキンカレー。
卵とジャガイモ、マイタケ、ニンジンなどが入っている。

うちでは、シンプルなスープカレーを取りよせて、素揚げした野菜をたくさんのせて食べることもあるが、
これは、なかなかお得でおいしい食べ方である。

食後は、自分でコーヒーを入れて飲む。
カレーとコーヒーはよくマッチするのだ。
この日は、いただいた軽井沢の大和屋さんのコーヒー。
しあわせ、しあわせ。

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2014年4月 8日 (火)

原発事故562

福島県の子どもで甲状腺がんとわかったのは33人、甲状腺がんの疑いのある子は41人とされている。
これは、25万4000人の検査が終了した段階でのデータだ。

このほど、環境省が福島県以外の子どもの甲状腺検診をしたところ、甲状腺がんの発生は4400人に1人という結果になった。

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福島県の子どもの、今「疑いのある子」が仮に、全員がんだとすると、
25万4000人を74人で割ると、約3500人に1人の発生という数字になる。
福島県以外の「4400人に1人」と比率して、福島県内の子どものほうが高いが、それほど大きく違っているとはいえない。

だからといって、甲状腺がんは原発事故と関係ないとはいいきれない。
関係ない可能性もあるが、関係ある可能性もある。
油断せず、甲状腺検診の質を高めながら、福島の子どもたちを守っていかなければならない。

 

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2014年4月 7日 (月)

お知らせ

本日、午後2時25分ごろから、「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)に出演します。
絵本「ほうれんそうはないています」(ポプラ社)を取り上げてもらおうと思っています。

が、大竹さんはその場で、どんな話題をふってくるかわかりません。
話があっちにいったり、こっちにいったり。
大竹さんとぼくは、落ち着ない性格のところとかが、なんとなく似ていて、気が合います。
年は、大竹さんのほうがかなり若いように見えますが、実はほとんど同い年です。

ぜひ、お聴きください。

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4月なのに、雪!
昨日、岩次郎小屋に雪が降りました。

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2014年4月 6日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(162)

このところずっと映画を見る時間がなかったが、ようやく時間ができた。
一気に3本紹介しよう。

「キリングゲーム」

ロバート・デ・ニーロと、ジョン・トラボルタの共演。
めちゃくちゃおもしろい。
山の中で暮らしている元アメリカ軍人の男。
そこへ、セルビア人の元兵士が現れ、一緒に狩りを楽しむことに。
しかし、元兵士は元軍人に矢を放ち、「人間狩り」が始まる。
これには、ボスニア紛争で起きた事件に訳があった。

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「家族の灯り」

マノエル・ド・オリヴェイラ監督。
ジャンヌ・モローや、「山猫」のクラウディア・カルディナーレらが、豪華俳優陣が共演している。

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「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」

アレルサンダー・ペイン監督。
ぼけてしまった父親と息子のロードムービー。
「100万ドルを贈呈する」という胡散臭いに手紙を信じ込んでしまった父親は、周囲の制止もきかず、歩いて賞金を貰いにいこうとする。
お金目当ての親戚も集まってくる。
息子は、そんな父親につきあって、父を乗せてネブラスカを目指す。
旅の途中、父の過去を知る。
父と息子の心をつなぐ旅だ。

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やっぱり映画はいい。
映画がみられるような余裕がほしいものだ。

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2014年4月 5日 (土)

コーヒーを飲みながら

札幌で、空港に行くまでの時間調整のため、大丸デパートのなかにあるイノダコーヒーに行った。
京都に本社があり、高田渡のフォークソングにも出てくる、あのイノダコーヒー店だ。

アラビアの真珠というミルクコーヒーが、実にうまい。
ヒリヒリでスープカレーを食べた後、このミルクコーヒーを飲んだ。

今、上田紀行さんの「悪魔祓い」を読んでいる。
上田さんの本はほとんど読んでいるが、来月、雑誌で対談するため読み直している。
20数年前に書かれた本だが、とても面白い。
内容がちっともふるぼけていない。

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上田さんは、「癒し」という言葉を広げた。
ぼくは先日、高千穂の夜神楽を見てきたが、悪魔祓いも夜神楽にも似ているところがある。
それは、人と人をつなげるということだ。
孤立した人が、人とのつながりを取り戻すという体験が「癒し」につながっている。
なんて、コーヒーを飲みながら考えた。

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2014年4月 4日 (金)

元気の源

北海道の安平(あぴら)町に講演に行った。
日本有数の競走馬の産地。
天皇賞などで優勝するような名馬を育てた牧場もある。

ぼくの食は相変わらずB級グルメ。
まず、食べたのは隣町で味噌ラーメン。

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飛行機で帰る前には、大好きなスープカレーを食べた。
カレーはなんでも好きだが、特にスープカレーには目がないのだ。

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今回は、ヒリヒリというお店の、野菜がいっぱい入ったカレーを食べた。
その名の通り、ヒリヒリするが、野菜の甘みがおいしい。

ぼくの元気の源である。

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2014年4月 3日 (木)

イラクの子どもに支援を

イラクでは4/30の国民議会選挙に向けて、治安が悪化している。
シーア派のマリキ政権と、フセイン元大統領の出身であるスンニ派が対立。
政権側の弾圧と、それに対するテロで、泥沼状態になっている。

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特に、1月からファルージャ周辺では騒乱状態になり、40万人がファルージャを離れているという。
ぼくたちJIM-NETが9年間支援を続けているアルワリードのキャンプにも、25の家族が国内避難してきた。
これらの事態を受けて、3月、JIM-NETでは緊急食糧避難を決定した。

WE21ジャパンとつか、ピース・サポートというNPOからご寄付もいただいた。
みなさまも、ぜひ、イラクの子どもたちを助ける活動にご支援をお願いいたします。

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2014年4月 2日 (水)

宇宙のはじまり

カリフォルニア工科大学などのチームが、138億年前の宇宙の誕生直後に発生した重力波を観測した。
小さな宇宙が生まれ、すぐに急速に膨張したという「インフレーション理論」を裏付けるものだという。

過膨張した宇宙は、巨大な宇宙になっていく。
そのビッグバンで生じたさまざまな元素が、この地球上に生命体が発生する起因になった。

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今、ぼくは「我々はどこから来たのか」というテーマで次の本を書いているが、
もとをただせばぼくたちの命も、138億年前の奇跡的な宇宙の発生が次々と奇跡を発生させた結果なのだ。

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2014年4月 1日 (火)

仮面の女神

茅野市の中ツ原遺跡で、2000年に出土した土偶「仮面の女神」が国宝に指定された。
約4000年前の縄文後期のものといわれている。
高さ34センチ、重さ2.7キロと大きなものだ。
妊娠を示すようなおなかのふくらみがあり、胴と腕に幾何学模様が描かれている。

140313125223_0 仮面の女神

八ヶ岳西南山麓は5000~4000年前の縄文中期に繁栄した。
人口密度が高く、縄文銀座ともいわれている。
すでに国宝になっている「縄文のビーナス」も、棚畑遺跡で出土した。

130208133317_1 縄文のビーナス

「仮面の女神」は、仮面らしきものをかぶっているとされる。
仮面をかぶっているとすれば、何からのまつりごとが行われていた可能性がある。
生きていくための共同幻想としての何からのカタチが必要だったのだろう。

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