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2014年6月 2日 (月)

原発事故564

福島県の県民健康管理調査検討委員会が、久しぶりに健康調査の結果を発表した。
それによると、福島県内の18歳以下の子どもで、甲状腺がんと診断された人数は50人、疑いのある例は39人となった。
今までの経過から、疑いのある例の8割くらいはがんの可能性が高い。
しかも、これは、福島県の37万人の子どものうち、29万人の検査を行った段階での話である。
今後も、まだまだ数は増えるだろう。

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相変わらず検討委員会は、甲状腺がんと福島第一原発事故は関係ないだろうと言っている。
その大きな理由に、他県との比較がある。
青森、山梨、長崎三県の18歳以下の4365人のうち、甲状腺がんと診断された人は1人だった。
この割合は、0.02%となる。
今回の福島の発表では、50人+39人=89 を29万人で割ると0.03%。
この違いは大きな開きがなく、特に福島県の子どもに甲状腺がんが多いとはいえないとしている。
ただし、4365人というのは分母が少なすぎる。
これで比較するのは正確ではないと思う。
記者会見のとき、検討委員会全体が当初、チェルノブイリでは4年経たないと甲状腺がんは発生していないから、それ以前に発生したものは関係ないと言っているとすれば大きな間違い、それでは検診の意味がなくなる、とある委員が発言していた。
正しい視点である。
「4年」というのは単なる思い込み。
チェルノブイリでは検診が行われていなかったため、発見できなかったにすぎない。
結局、今のところ、福島の子どもの甲状腺がんと原発事故の因果関係は、あるともないともいえない、というのが科学的なスタンスである。
しかし、わからないからこそ、早期発見をするために、検診の質とスピードを高めていくことが大事なのである。

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