鎌田實の一日一冊(209)
「へいわってすてきだね」(安里有生、長谷川義史、ブロンズ新社、1512円)
6歳の少年の詩を、長谷川義史さんが魂で描いた。
すごい絵本だ。
少年が自分の暮らしのなかで見た「平和」。
この豊かな時間をどうしたら続けることができるか、問いを投げかけている。
へいわってなにかな ぼくはかんがえたよ。
へいわってなにかな ぼくはかんがえたよ。
おともだちとなかよし。かぞくがげんき。えがおであそぷ。ねこがわらう。(中略)ああ、ぼくはへいわなときにうまれてよかったよ。このへいわがずっとつづいてほしい。みんなのえがおがずっとつづいてほしい。へいわなかぞく、へいわながっこう、へいわなよなぐにじま、へいわなおきなわ、へいわなせかい、へいわってすてきだね。
長谷川義史さんの絵は、大胆で明るくて悲しく、思いやりがある。
「ほうれんそうはないています」(ポプラ社)も迫力であったが、今回の絵本もとてもすてきだ。
イラクやシリア、ウクライナ東部の町など世界のそこらじゅうで、平和が危うくなっている。
みんながもう一度、平和な日々を守らなければならない。
もちろん、この大好きな日本の平和も。
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