鎌田劇場へようこそ!(174)
ローマの教室で~我らの佳き日々~
ローマの公立高校を舞台に、
若き熱血補助教員のジョバンニと、志の高い女性校長のジュリア―ナ、美術を教える変わり者の老教師フィオリートという個性的な教師たちと、
出来の悪い子どもたちとのかかわりを描く。
教えることと、教えられることの大切さが詩的に展開されていく。
いくつものセリフが詩で構成されていく。
文脈がとんでしまうことがあるが、なんとなく見るものの心のなかに定着していく。
彼の授業を受けられなかった元教え子から、「先生にあこがれていた」という手紙や留守電メッセージが入る。
元教え子は、病院で検査技師をしている女性だった。
老教師は名乗らず、血液検査を受ける。
説明はされていないが、彼はどうもがんに冒されているようだ。
老教師は好きな本を読み続けながら、元教え子に愛され、サポートを受けていることが暗示される。
熱血補助教員は、派手な落第生の女の子にてこずっている。
授業に出てこないし、出てきても、教室で投げやりな態度を示す。
熱血教師と彼女はうまくかみあわないが、やがて理解しあっていく。
この作品は、いっさいおしつけがなく、自分流の勝手な見方できる。
映画好きの人にはこたえられない作品。
何色とははっきり言えないが、やわらかで、深みのある色、そんな映画だ。
岩波ホールで上映中。
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