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2014年9月10日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(176)

「シャトーブリアンからの手紙」
「ブリキの太鼓」で知られるドイツの世界的巨匠シュレンドルフ監督の作品。
ナチ占領下のフランスで、ドイツの将校が暗殺される。
その報復として、ヒトラーは収容所にいるフランス人150人の死を要求した。
映画は、暗殺事件の前日からの4日間を切り取って、見事に人間を描いている。
ドイツ人のなかにも、それを必死に防ごうとする良識ある人もいた。
だが、その一方で処刑される人質のリストが作られていく。
リストのなかには、17歳の少年もまじっていた。
少年は、収容所の外にいる女の子に恋心を寄せていた。
27人は、手紙を残す。
その手紙を預かった神父の存在感がすごい。
フランスを代表する俳優ジャン=ピエール・ダルッサンが演じている。
この人の映画は何本も見た。
「キリマンジャロの雪」「サン・ジャックへの道」「画家と庭師とカンパーニュ」。
Photo
死んでいく27人は泣くのを耐えた。
27人が残した手紙は、人を泣かした。
人間はときにとんでもない邪悪な行いをし、ときに崇高な行いもする。
いい映画を見るとうれしくなる。
10/25からロードショー。

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