鎌田劇場へようこそ!(179)
「TOKYO TRIBE」
園子温は、「愛のむきだし」や「冷たい熱帯魚」などで高く評価されている日本の若手監督。
「ヒミズ」では、数々の国際映画祭で評価された。
今度の作品は、漫画の実写化。
町を暴力で支配しているトライブ(族)たちの戦いを描く。
若者たちの屈折した思いや肉体、暴力、欲望などを、ラップという音楽で、軽快に表現している。
かつて赤塚不二夫が「天才バカボン」という漫画のなかで漫画を否定する壮大な挑戦をしていたが、
園子温は、映画のなかで映画を壊していく。
映画祭で賞を受賞し、高い評価を得ると、落ち着いた質の高いものをつくろうとするが、
園子温は激しくやんちゃである。
映画のお約束事や文脈など、まったく気にしない。
勢いと空気で観客をぐいぐいとひっぱっていく。
穏便になっていないところがいい。
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