カマタの怒り6
~列強の横暴や、不満により膨れ上がった「イスラム国」
シリアとイラクを我がもの顔で歩くスンニ派過激派集団「イスラム国」は、世界の脅威になろうとしている。
彼らはサイクス・ピコ協定で決められた国境を無視し、破壊することを哲学としている。
世界大戦の後、フランスとイギリスが国境を決め、フランスがレバノン(現在のシリア)を、イギリスがイラクやイランの地域をとった。
列強の勝手な帝国主義が、今もアラブに悲劇をもたらす原因になっている。
シリアやイラク以外の国々からも、約7000人の若者が集まってきている。
この若者たちが戦場経験をもち、母国に戻ったときが心配である。
「イスラム国」は油田をいくつか制圧し、石油を密輸することで一日10億円を稼いでいるという。
これが武器などを調達する資金源になっている。
武器は、トルコ国境を越えて、シリアに入ってきているらしい。
この兵士の数と潤沢な資金で、「イスラム国」はアルカイダ以上の危険な存在になる可能性が高い。
アメリカは、「イスラム国」を標的に空爆をはじめた。
イラクでは、政府軍のまとまりが悪く、戦意が低い。
これまでのマリキ政権が、自分たちのシーア派を優遇し、金儲けに走ったり、権力を握ってきたことが、この悲劇を呼んでいる。
新しい政権樹立へと動いているが、イラクは今、国の形をなしていない。
非常に危険である。
シリアのアサド政権も、自分の命を守るために必死だ。
志のないリーダーの下では、「イスラム国」を制圧するのは難しいように思う。
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