カマタの怒り10
~厳しい未来図
政治の失敗が続いている。
財務省の試算では、2040年の国の借金は約4000兆円に膨らむ。
今の4倍である。
財政破綻をさせないためには、消費税率を段階的に25%にまで上げざるを得なくなる。
年金をもらうのは69歳から。
すべての高齢者は、2割の医療費自己負担が求められる。
サラリーマンは給料の30%を社会保険料のために、10%を所得税として納めることになる。
2040年には大変厳しい国になりそうだ。
だが、今だって厳しくないわけではない。
8月末、南相馬を訪ねたとき、一人の高齢女性からつらい話を聞いた。
認知症の夫を地元の病院で3か月間は診てもらえたが、それ以降は無理だった。
人口が震災前の35%減り、看護師不足が深刻ななか、どこの病院も受け入れることができないという。
群馬県の病院に入院することになったが、間もなく夫は亡くなったという。
今年度予算の社会保障給付費をみると、年金介護予算が計約65.6兆円に対し、
子育て世代向けは5.3兆円。対GDP比1.1%にすぎない。
子どもを産み、育てやすい国になっていない。
諏訪中央病院は、ユニセフの「赤ちゃんにやさしい病院」の指定を受けている。
全国でも70施設に満たない難関の指定である。
赤ちゃんを産みやすく、育てやすい環境をつくっていくことが大事。
コンクリートを中心にした公共投資から、
人間を中心にした公共投資に切り替えるべきではないか。
介護職の給料をもっと多くし、若い人たちが介護現場で働きながら結婚し、子育てできるような、
お金の循環する国のシステムをつくる必要がある。
コンクリートにいくらお金をかけても、お金は回転しはじめない。
政治の発想力が貧弱なため、国の勢いはますます弱まるばかりだ。
国の行方を左右する政治の在り方を、
国民一人ひとりがもう一度問い直し、真剣に考えてく時期が来ている。
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