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2014年10月

2014年10月31日 (金)

おトキさんの歌と詩の世界

「詩とファンタジー」(かまくら春秋社)秋耕号では、加藤登紀子の歌と詩の世界を特集している。
歌手生活50周年のおトキさん。
おトキさんの歌が大好きなぼくのエッセイも、載っている。

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この「詩とファンタジー」は、故やなせたかしさんが心も時間もお金もかけてつくってきた「詩とメルヘン」のDNAを継ぐもの、と勝手に想像している。
心が、キュンとしたり、ふわっと軽くなったり、ほっとあたたかくなる素敵な世界が展開されている。

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2014年10月30日 (木)

新刊、好評です

新刊「1%の力」(河出書房新社)の7刷(5万7000部)が決定した。
アマゾンなどでは、一時品薄だったが、これでお待たせしなくなった。
各地の書店にもいきわたると思う。
オール紀伊国屋ベストセラーの、すべての雑誌や書籍を含めたランキングでは、10/24に6位に入った。
この日、朝日放送の「おはようパーソナリティ道上洋三です」に出演し、「1%の力」を紹介してもらった。
1か月前にも、この道上さんの番組でとりあげていただき、
その後、すぐに道上さんの新番組「道上洋三の健康道場」にも第1回と第2回、連続して出演させていただいた。
道上さんのおかげである。

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読んだ方から、感想もいただいている。
「新しい発想になれた」
「本のように、1%だれかのために生きると、生きやすくなった」
る。
この本の印税は、「イスラム国」の侵攻で“足”を奪われた子どもたちを救う「希望の足プロジェクト」に寄付するが、
それに共感していただいた読者から、
「自分も1%の力として、本を買い、イラクの子どもたちを救う活動に貢献したい」という声もいただいた。
世界では「イスラム国」の暴力に引きつけられていく若者がいるが、
愛の力を目にモノみせたいと思う。
ぜひ、みなさんのお力添えをお願いします。
                   ◇
近々、「王様のブランチ」(毎週土曜9時30分~、TBS)の書評コーナーで、
文芸書の上位で紹介されるようだ。
今後は、「毎日が発見」や「パンプキン」「がんサポート」「ゆほびか」、テレビ神奈川の「佐藤しのぶ出逢いのハーモニー」「テレビ寺子屋」なども予定している。
お楽しみに!

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2014年10月29日 (水)

Noraya Calender 2015

毎年大好評「野良屋」の2015年カレンダーが今年も発売になりました。

野良屋は、長野県伊那市高遠町の山奥にある、石窯焼き天然酵母のおいしいパンやさんです。

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野良屋は、毎年このカレンダーの売上の5%を「アラブの子どもとなかよくする会」に寄付をしてくれています。また、東日本大震災を受け、2011年からは、JIM-NETの「福島支援」にも5%の寄付を始めてくれました。

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カレンダーのページをめくると、美しい信州の山の中、パン屋の庭で、犬や猫がのんびりと暮らす日常が、月替わりで12枚、おさめられています。季節ごと移り変わる風景と、動物たちのかわいらしい様が、「癒される」と毎年大変好評です。

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野良屋さんは、カレンダーだけでなく、もちろんパンもとってもおすすめ。
素材選びにもこだわった、とてもおいしいパン屋さんです。
全国発送もしてくれます。

http://noraya.net
〒396-0303 長野県伊那市高遠町荊口1425
電話 & FAX : 0265-94-3618
Mail : info@noraya.net

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2014年10月28日 (火)

11/11「介護の日」セミナー

毎年、11月11日の「介護の日」にがんばらない介護生活を考える会は、「介護の日」セミナーを開催。
今年は、「老活」がキーワードだ。
人口減少に伴い、労働人口も減っている。
高齢者たちの経験やパワーを生かすことで、社会が安定的に発展し、
高齢者自身も働くことを通して生きがいを得、健康長寿につなげていく--
そんな老活をテーマに、介護の日を考える。

2014年「介護の日」セミナー
「人生90年時代の老活のススメ!」
  ~元気に外に出よう
2014年11月11日(火)
会場 有楽町朝日ホール及びスクエア
   〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-5-1マリオン11階

午前の部 11:00~12:00(開場10:30~)
 講演「大切な排泄にまつわる極意」
 講師 西村かおるさん/大王製紙エリエールアテント担当者
中年以降の女性では、半数が経験している失禁。
実は、50代以降の男性でも多い。排尿し終わった後、ぽたぽたとたれてしまい、ズボンを汚してしまうといった経験だ。
だれにでも起こりうる失禁や、要介護者の排泄について、“失禁ナース”の西村さんがわかりやすく解説する。

午後の部 13:30~16:00(開場12:15~)
 講演「認知症でも人生をあきらめない」
 講師 鎌田實/佐藤雅彦さん、水谷佳子さん
若年性認知症の当事者である佐藤雅彦さんと鎌田が対談する。
「認知症になって不便になったけど、不幸せではありません」という佐藤さん。
この人の話を聞くと、認知症になることが怖くなくなる。
 トークセッション「みんな、元気に外へ出よう!~寝たきり予防の極意を教えます」
 コーディネーター 鎌田實
 パネリスト 西村かおるさん/別府明子さん/よし田美知子さん

参加は無料
 ※入場時に、東日本大震災被災地の介護支援のため、1口500円の寄付を募ります。
 素敵なプレゼントがあります。
午前の部は申し込み不要。
午後の部は、FAX、はがき、WEBにて申し込みをお願いします。
詳しくは、こちらから↓
ぜひ、ご来場ください。

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2014年10月27日 (月)

がん治療の最新情報

月刊がんサポート11月号では、7大がんガイドを特集している。
肺がん、大腸がん、乳がん、前立腺がん、子宮・卵巣がん、胃がん、血液がんの最新の治療や期待できる薬について、
とてもわかりやすく書かれている。
それぞれのがん治療のガイドラインもあり、参考になる。
これが今の最新の情報と考えていい。

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鎌田の巻頭対談は、なかにし礼さんをゲストに迎え、食道がんとの闘い方を聞いた。
あまりにも閉鎖先ながん治療を、激しく、鋭く批判している。
「人生のエピローグには、言うべきことを言い切る」という、なかにし礼さんの考えに同感した。
生きるためのエロスの話にも盛り上がった。
ぜひ、お読みください。

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2014年10月26日 (日)

ある日の外食

先日、沖縄に出張したときに、沖縄そばを食べた。

その後、大阪に行き、新梅田の滝見小路へ、いつものようにお好み焼きを食べに行った。

だが、長蛇の列で待っていられない。
かつどん屋で、カツカレーを食べて、ホテルに戻った。
次の日も、お好み焼きがあきらめられずに再び訪ねたが、やはり長蛇の列。
また、同じ店でかつ丼を。

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薄いカツレツを目の前で揚げてくれる。
カツレツは、キエフカツレツも、ミラノカツレツも好き。
ちょっと油が酸化しているのか、しつこい感じがしたが、うまかった。
健康にはあまりよろしくないが、うまいものはやめられない。

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2014年10月25日 (土)

「わたしとチョコ募金」原稿募集

2006年からJIM-NETが行っているチョコ募金。
500円の寄付をいただいた方に、チョコレートを1缶プレゼントするというものだ。
今年もその準備に追われ、大わらわといったところだ。
チョコ募金は毎年、多くの方が協力してくれ、ほぼ完売状態である。
チョコレートを味わってくれる人もいれば、イラクの子どもたちがかいた絵がデザインされた缶を、楽しみにしてくれている人もいる。
なかには、結婚式で配ったり、義理チョコに使ってくれたりする方も。

141006_003_2 「わたしとチョコ募金」の原稿募集の用紙(別紙でもかまいません)

そこで、JIM-NETでは活動10周年を記念して、
「わたしとチョコ募金」原稿募集!

・チョコ募金にまつわるエピソード
・食べたあとの缶、こんなふうに使っています
以上の2テーマから選んで、メール、FAX、郵便のいずれかでお送りください。
写真も大歓迎です。
締切は、10月31日必着。
原稿は、パンフレットにまとめ、11/8の10周年記念イベント&2015チョコ募金キックオフで配布する。
送付先は
 〒171-0033 東京都豊島区高田3-10-24第二大島ビル303
       特定非営利活動法人 日本イラク医療支援ネットワーク
 メール choco-info@jim-net.net
 FAX 03-6228-0746

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2014年10月24日 (金)

イラクからゲスト来日

緊迫するイラクから、ムスタファ・イマッドさん(20歳)と、アブ・サイードさん(61歳)が「世代を超えて戦争を語る」ツアーのため来日。
本日午後、成田空港に到着する予定だ。
イマッドさんは、8歳のときにイラク戦争を体験。疎開先で米軍のヘリコプターの攻撃を受け、足を負傷した。
サイードさんは、バグダッド出身のパレスチナ人。JIM-NETの現地スタッフとして小児がんの子どもたちの面倒をみている。

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2人は、東京や沖縄、宇都宮、福島、長崎など各地でイベントに出席。
主なイベントは次の通り。
24日14.0~16.0、参議院議員会館B109会議室で、記者会見・院内集会
25日は、トーク&ミュージック「サダコがつなぐ広島とイラク」
30日は、アラビアレストランで「バグダッドのパレスチナ人に聞く」
11月8日は、JIM-NET10周年&2015チョコ募金キックオフ

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2014年10月23日 (木)

佐渡の鮨

佐渡へは、日帰りの強行軍。
朝早く出て、新幹線と船を乗り継いで到着した。
疲れたが、佐渡の人たちにとてもよくしてもらった。
ぼくがB級グルメが好きということを知っていて、昼食はお弁当ではなく、
長三郎鮨というお鮨やさんに連れて行ってくれた。
出てきたのは、ぶりかつどん。
初めて食べる。
おいしいぶりのフライを、しょうゆで煮つけてどんぶりにしたもの。
うまい。
B級グルメの大会に出たら、絶対に優勝すると思った。

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長三郎鮨は、昼間からえらい繁盛していた。
夕食は東京に戻って食べようと思っていたが、予定を変更し、
講演の後、再び長三郎鮨に直行。
カウンターで、おいしいお鮨をいただいた。
立派なノドクロをさばいて、握ってくれた。
イワシも、イカも、信じられないほどうまい鮨だった。

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忙しくて体は疲れたが、佐渡のみなさんによくしていただき、
幸せな時間だった。

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2014年10月22日 (水)

病院文化

佐渡へ講演に行ってきた。
諏訪中央病院で5年間、消化器内科を支え、教育体制の充実に力を尽してくれたドクターと久しぶりに再会した。
「諏訪中央病院みたいにあたたかな病院はない」と言われ、うれしくなった。

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医師のなかには、古い歴史を引きずって、高いところから患者を診るような姿勢から抜け出せない人がいる。
しかし、諏訪中央病院の医師たちは、患者と同じ目線で治療にあたっていく。
ときには背中を押して、前向きな生き方を促したり、転ばないように下から支えたりする。
諏訪中央病院ではこういう医師の姿勢を育てており、それは文化になってきたように思う。

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2014年10月21日 (火)

情報戦略

シリアと北イラクで暴れまわっている「イスラム国」。
シリアから国外へ脱出する難民は280万人。
イラクにも22万人が難民となって逃げてきている。
「イスラム国」の脅威は支配地域を持つだけではなく、
情報戦略を持っていることが、いままでのアルカイダとは大きく違う。
半年前、一万人だった軍隊は、3万人を超す。
これは、情報戦略の成功である。

1410146___1_2 色づきはじめた諏訪中央病院の庭

「イスラム国」の戦闘員として渡った若者は、80か国1万5000人。
アラブの春により混乱したチュニジアでは、3000人がシリアに渡ったという。
その戦闘員となった400人が、すでにチュニジアにもどっている。
これから、チュニジアや欧米などで、大変なことが起きてくる可能性がある。
母国でアウトローになった若者は、「イスラム国」がインターネットで呼びかける「聖戦(ジハード)」は、いかにもかっこよく響くのだろう。
自分のなかにある暴力性を「聖戦」という言葉で美化する。
「イスラム国」に洗脳された若者が次々と他者を勧誘。
まるで「ねずみ講」のように、若者たちが「イスラム国」に吸引されていくとしたら怖いことである。

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2014年10月20日 (月)

「イスラム国」の脅威

10年ほど前、JIM-NETはヨルダンの首都アンマンで、イラク戦争で傷ついた子どもたちを助けるための「アンマン会議」を開いた。
イラクの小児科医、リカア先生とは、その会議で初めて会った。
リカア先生は、白血病の専門医で、戦争のなかで子どもたちを守るために、病院で寝泊まりしていた。

141002___3 イラクにいる同僚医師や、子ども、女性たちを心配するリカア先生

5年ほど前、北東部の大都市モスルにいたリカア先生は、キリスト教徒であったため迫害を受け、日本へと脱出した。
信州大学大学院で4年間、白血病の遺伝子研究を行った。
この5年前の時点ですでに、「イスラム国」の萌芽はあったという。
イラク戦争でフセイン政権が打倒された後、シーア派のマリキ政権が誕生。
シーア派を優遇したため、スンニ派やクルド人が孤立感を強め、スンニ派の過激派集団が生まれる芽を作った。
スンニ派の一般市民は平和主義者であるが、マリキ政権への不満や反感のため、スンニ派の過激派集団の巨大化に目をつぶったのである。
そして彼らはこの一年の間、巨大な力をもち、支配地域を拡大している。
リカア先生は、イスラム教に改宗するか、人頭税という特別な税金を出すか、あるいは死を選ぶか、と脅迫され、日本に逃げてきた。
JCFが、リカア先生と母親の生活を支援している。
だが、イラクにいて、国内避難民となった子どもや女性の治療にあたっている同僚の小児科医は、薬が足りず困っていると訴える。
JCFでは、モスル等の国内や国外に出た避難民を助ける支援活動を開始。
イラク国内の難民キャンプや教会などで不自由な生活をしている避難民たちに薬を送る活動も開始した。
「イスラム国」の暴力には、困っている人たちを救う「愛」の力で徹底的に対抗するしかない。
                        ◇
10/29、新宿で鎌田の新刊「1%の力」刊行記念の講演&サイン会がある。

http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/1029-6c10.html
この本の印税はすべて、イラクの子どもたちの義足や、病院などへ通う“足”を確保する「希望の足プロジェクト」などに充てたい。
ぜひ、会場にお越しいただき、ご協力をお願いします。

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2014年10月19日 (日)

秋刀魚

陸前高田の方々から、サンマをいただきました。
おいしい、おいしいサンマです。
東北の人は、やさしいです。
支援に行ったことを忘れないで、今も心配りを忘れないでいてくれる。
また、近々応援に行きたいと思っています。
陸前高田には、歌手の神野美伽さんをお連れしたことがありますが、
今年は、神野さん一人で行ってくれたとか。
この方もあたたかい方です。

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サンマを食べながら、佐藤春夫の「秋刀魚の歌」を思い出しました。
谷崎潤一郎と、その妻・千代をめぐり、つばぜり合い。
そんななかで生まれた詩。
あはれ
秋風よ
情(こころ)あらば伝へてよ
――男ありて
今日の夕餉〔ゆふげ〕に ひとり
さんまを食ひて
思ひにふける と。
<「秋刀魚の歌」の冒頭の一部>
人間は、やさしくて、あたたかく、やっかいな生き物だとしみじみ思う。

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2014年10月18日 (土)

エボラ感染拡大

エボラ出血熱で、すでに約4500人が亡くなった。
そのうち医療関係者は236人を占める。
えらいことである。
WHOは一週間当たりの感染者は現在1000人だが、12月に入ると5000~1万人になると指摘している。
ぼくはこの夏、シエラレオネに行く予定だったので、早くからエボラ出血熱について関心をもってきた。
その当時、リベリアで数名、感染者が発生ということだったが、その後、シエラレオネでも発生し、5か月間で“感染爆発”を起こした。

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アメリカでも、リベリアの患者さんの治療に従事した看護師が感染したという。
さらに同じ感染源と思われる人がもう一人感染した。
死亡率は70%。
なんとか食い止めないと、大変なことが起きる。
世界の緊急事態と考えほうがいい。

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2014年10月17日 (金)

沖縄で

沖縄に来ている。
日本政府が2019年2月までに米軍普天間飛行場の運用停止を発表したことに対し、
アメリカは「独断」「空想」と反発している。
アメリカに対して弱腰な日本政府が、なぜこの発言をしたのか。
辺野古の埋め立てと基地の造成に納得してもらうために、
普天間の停止をできるだけ早く明確にしたいという、一時的な国民へのリップサービスにすぎない。

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来月、沖縄は知事選がある。
辺野古埋め立てに明確に賛成した現知事が出馬するというが、
その知事に対して、応援しようとしているのだろう。
とんでもないことである。
この選挙が終われば、結局はアメリカの言いなりになり、
2022年まで普天間基地は使用されることになる。
沖縄県民は、権力に翻弄されてしまっているのである。

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ぼく自身は、サンゴ礁の美しい海を壊さないためにも、辺野古の滑走路建設は反対するのが正しいと思う。
ただ、普天間の基地は町とあまりに近すぎ、今までも大きな事故が起きている。
このまま軍事基地として使うことは間違いだ。
日本の安全を守るとともに、米軍の東アジア戦略としては、当面、嘉手納に統合するのが現実的で、妥当な判断ではないか。

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2014年10月16日 (木)

お知らせ(写真の追加あり)

新刊「1%の力」(河出書房新社)が約3週間で6刷になった。
5万2000部出ている。ありがたいことだ。
10/5の東京新聞では、ベストセラーの7位にランキングされた(9/30のトーハン調べ)。

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「大沢悠里のゆうゆワイド」(TBSラジオ)に出演したとき、白血病で逝った17歳の女の子の手紙を、ケンケンが朗読してくれた。
思わず、ぼくも目頭が熱くなってしまった。

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大沢悠里さんにも「すばらしい本」とほめていただいた。

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講演会に行っても好評で、用意した本はほぼ完売の状態だ。
10/29には、京王百貨店新宿店でトークショー&サイン会がある。
http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/1029-6c10.html
電話での予約も開始したので、ぜひ、お越しください。

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2014年10月15日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(182)

「シークレット・ミッション」
韓国映画。
北朝鮮の選りすぐりのエリート3人が、南北朝鮮を統一という秘密の指令を受け、韓国へ潜入する。
スパイコメディだが、こんなセリフが胸を打つ。
「生まれ変われるなら、どんな人に?」
「俺は平凡な家庭に生まれて暮らす人」
「特別な家庭じゃなくていい、平和な国で死ぬんだ。そんな平凡な人生を送ってみたかった」
潜入に成功し、町に溶け込んで暮らす3人の諜報員に、予想外の作戦命令が下るのだが。

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シネマート新宿ほかでロードショー。

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2014年10月14日 (火)

世代を超えて戦争を語る

トーク&ミュージック
 サダコがつなぐ広島とイラク
日時 10月25日(土) 開場17.30~、開演18.0~20.0
会場 クラブヒルサイドサロン(東京都渋谷区猿楽町
     東急東横線「代官山」下車3分 アネックスB棟)

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出演 ムスタファ・イマッドさん:バグダッド出身の20歳の青年。
    8歳のときにイラク戦争を体験した。
    疎開先で米軍のヘリコプターの攻撃を受け、足を負傷した。
    子どもが体験した「戦争」を語る。
   
    アブ・サイードさん:61歳。バグダッド出身のパレスチナ人。
    2004年からJIM-NETのスタッフとして小児がんの
    子どもたちの世話をしている。
    イラク戦争後、バグダッドのパレスチナ難民は
    激しい迫害を受け、多くが国を去ったなかで、
    バグダッドに残り支援活動を続けるサイードが、
    パレスチナ人の苦悩を語る。
    輪音(わおん):アコースティックボーカルバンド。
    「原爆の子の像」のモデルになった佐々木禎子さんの甥、
     佐々木祐滋さんらが呼び掛けて結成した、ボーカリスト3人と
     お笑い芸人1人という異色のバンド。
チケット代 2500円(前日までの予約をお願いします)
問い合わせ 電話/FAX 03-6228-0746
      メール info-jim@jim-net.net
共催 特定非営利活動法人 SADAKO LEGACY
   特定非営利活動法人 日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)
イラクから2人のゲストを迎え、世代を超えて戦争について語り合う。
ぜひ、ご来場ください。

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2014年10月13日 (月)

鎌田實の一日一冊(218)

「痴人の愛」(谷崎潤一郎著、新潮文庫)

主人公のナオミが、有島武郎の「カインの末裔」を読んでいる場面が出てくる。
この本が書かれた大正14年、島崎藤村や志賀直哉などの作家が活躍している頃、
谷崎純一郎は耽美的な作品を発表している。
性や美を通して、人間の邪悪な心、とんでもない心を表現し、優等生たちの自然主義と一人で闘っているようで面白い。
ナオミは15歳。
この小説で一人語りをする主人公は28歳。
この二人が愛に狂う。
自由で奔放なナオミに比べて、「君子」とあだ名されいる主人公は愚鈍で、誠実を絵に描いたような男。
その男が狂っていく。

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谷崎は大正9年、妻の千代の妹せい子に惚れて、同棲を始めた。
そのせい子がナオミのモデルと言われている。
せい子に惚れた谷崎は、妻の千代を、知人の佐藤春夫に“譲渡”する。
その後、佐藤は谷崎と千代の間の子どもの含めて、千代を受け入れるが、
せい子に肘鉄を食らった谷崎は、前言をひるがえして、千代を譲らないといい出す始末。
2人は絶交を宣言する。
谷崎も、せい子も、佐藤も狂っている。
この狂い方が、この作品の元となった。
小説としては傑作とは思えない。
好きにもなれない。
ただ、小説家が傷つきながら、しかも狂いながら書いているという意味で、おもしろい。

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2014年10月12日 (日)

鎌田實の一日一冊(217)

「変身」(フランツ・カフカ著、新潮文庫)

「ある朝、グレゴール・ザムザが何か気がかりな夢から目を覚ますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変わっているりを発見した」
こんな言葉で始まる有名な小説。
彼の小説は、発表時、まったくうけなかった。
時代を超えるような作品は、すぐにはその価値がわからない。
「絶望名人」のカフカ自身さえ、自分の作品の価値をわからなかった。
40歳で結核で亡くなる彼は、その前に、自分の作品は失敗作と思い、全部燃やしてしまおうと数少ない親友に伝えた。
しかし、作品を預かった親友は、彼の作品の独創性を理解しており、後世に伝えたのである。

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突然の異変に家族は困惑するが、結局、何も変わらず、奇妙な日常がひたすら続いていく。
変身していく自らの姿を通しながら、不条理の人間の生活やわかりにく現代の不安を見事に表現している。
プラハを訪ねたとき、カフカが小説を書いていたという家を見た。
そこはかつてプラハ城の端にある錬金術師の長屋だった。
金を作り出そうとした夢の跡で、彼は書いていたのだ。

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2014年10月11日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(181)

「100歳の華麗なる冒険」

世界40か国で翻訳され800万部を超えるベストセラーの映画化。
主人公は、100歳の誕生日に老人ホームを逃げ出した老人。
このとんでもない世界最高齢のヒーローは、ハチャメチャな爆弾マニアだった。
おもしろい。

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日本は、男女合わせて平均寿命が84歳の長寿国。
100歳以上の人口はすでに5万人を超えている。
その87%が女性だ。
以前、100歳の男性とグアムを旅行したことがあるが、おもしろい人だった。
機内食をぺろりと平らげ、「食べ足りない」とバナナを食べる健啖家。
車いすを用意しても、できるだけ乗らない健脚でもあった。
日本人玉砕の地を訪れたときには、一人で一心不乱にお経を唱えた。
実に、自分流に誠実に生きている。
健康について気を付けていることはあるか、と聞いたら、
「余計なことは考えない。とにかく、今日一生懸命、楽しく生きるだけ」

齢をとっても、人生は捨てたものじゃない。
そう思わせてくれる、いい映画だ。
11/8から全国でロードショー。

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2014年10月10日 (金)

暴力には愛を

日本人学生が過激派集団「イスラム国」に参加を計画していたことが明るみになった。
もしかしたら、シリアなどに入り、「イスラム国」に加わっている日本人がいる可能性がある。
とんでもないことだ。
すでに欧米など80か国から1万5000人以上が渡り、戦闘員となっているという。
仕事がない、生きる意味が見えないという人たちにとって「ジハード」(聖戦)というのは、わかりやすく、目標にしやすいのだろう。
参加を希望する女性も多いという。
だが、実際には「イスラム国」に入って、人身売買の対象にされたり、兵士たちの結婚相手にさせれるなど、
ジハードとは違い、人権を無視した扱いを受けているようだ。
世界中に広がっていく「イスラム国」の魔の手。
これを食い止めるのは、愛の力だと思う。

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今、JIM-NETでは北ヨルダンや北イラクで「希望の足プロジェクト」を、
JCFでは、モスル等北イラクで避難を余儀なくしている人たちの生活を守る活動をしている。
そうした被害を受けている若者や子どもたちに手を差し伸べることが大事だ。
暴力に対抗するには暴力ではなく、弱い人や傷ついている人へ、徹底的に愛の手を差し伸べることが必要だと思う。
そうしなければ、その人たちは「イスラム国」に付け入られ、テロリストにしたてあげられていく。
これは世界の脅威になる可能性がある。
いまこそ、人間がもっている愛の姿を目にもの見せなければならない。
「1%の力」(河出書房新社)の6刷が決まった。
これも印税を寄付しようと思っている。
暴力に対抗する愛として、JIM-NETやJCFの活動の応援をよろしくお願いします。

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2014年10月 9日 (木)

ノーベル文学賞は?

ノーベル文学賞が今夜、発表されるようだ。
スヴェトラーナ・アレクシエービッチが候補の一人と噂されている。
1948年、ウクライナに生まれ、ベラルーシ在住。
いつも反権力の作品を書いてきた。
「亜鉛の少年たち」(邦訳「アフガン帰還兵の証言」)は、アフガン戦争に駆り出されて、闘わされた子どもたちを描く。
200万部のヒットとなった「戦争は女の顔をしていない」は、ソ連の従軍女性たちへのインタビューである。
「チェルノブイリの祈り」は、福島の痛みを知るぼくたちにとって読むべき名著だ。
ベラルーシのルカシェンコは、今も彼女の本を自由に閲覧できないようにしているが、
ノーベル財団は彼女にエールを贈る意味でも、ノーベル文学賞を授与するかもしれない。

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アレクシエービッチさんが来日したとき、松本で講演してもらい、対談した。
ぼくと同じ年。
対談の後、一緒に食事をして、意気投合したのを覚えている。
今この時代に、彼女の作品を世界中の多くの人に読んでもらいたいと思うので、
ぜひ、ノーベル文学賞を獲ってもらいたい。
わくわくしながら、今夜の発表を待とうと思う。

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2014年10月 8日 (水)

印税をイラクの子どもたちに

新刊『1%の力』(河出書房新社)が、多くの書店で目立つように陳列されている。
特に紀伊国屋梅田支店では、何か所も平積みされ、売れ行きも好評ということだ。
ありがたいことだ。

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この本の印税は、全額寄付することにしている。
「イスラム国」の非道で足を失った子どもたちへの義足づくりなどを支援する「希望の足プロジェクト」や
家やふるさとを追われたイラク人の支援に役立ててもらいたいと思っている。
『1%の力』という本への思いは、こちら↓のインタビューに載っている。
ぜひ、ご覧ください。

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2014年10月 7日 (火)

10/29講演会

京王百貨店開店50周年&鎌田實『1%の力』刊行記念トークショー&サイン会
新刊『1%の力』の刊行を記念してトークショー&サイン会を開催します。
ぜひお越しください。

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■開催日:2014年10月29日(水) 

■時間:トークショー 午前10時~午前11時 
    サイン会:午前11時30分~
 
■場所:トークショー 8階 お好み食堂 
    サイン会:7階 啓文堂書店
 
■参加費:700円(フリードリンク付)
 
■定員:150名 
 
■参加方法:京王百貨店 新宿店7階 啓文堂書店にて、『1%の力』をお買い上げの方に先着で整理券を配布致します。
*お電話でのご予約受付も開始いたしました。
 書籍代・参加費は当日トークショー会場受付にてお支払いください。
 
お問合せ先:京王百貨店 新宿店7階 啓文堂書店(03-3342-7050)

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2014年10月 6日 (月)

お知らせ

”旅をあきらめない!夢をあきらめない!”をコンセプトに、いくつになっても、障がいがあっても、旅を続けてほしいという想いで続けてきた「鎌田實と行く、ドリームフェスティバル」(クラブツーリズム)。

これまでボランティアで年2回、10年間続けてきましたが、「10年」を区切りに終了とさせていただきます。

鎌田は、その分の時間をできれば、イラクやヨルダンなどの過激派イスラムの諸国で被害にあっている子供たちを助けるために、難民キャンプを訪れたりしながら、国際医療支援活動のために使わせていただきたいと思っています。

10年間、たくさんの方にご参加いただき、ありがとうございました。

これからも、ぜひ旅を続けてください!応援しています。

※「2015年ドリームフェスティバル in バンクーバー」への鎌田の参加はありません。  

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希望の足プロジェクト

シリアの内戦をうまく収めることができなかったために、
「イスラム国」を名乗る過激派組織が傍若無人にふるまっている。
そんななか、シリアからヨルダンやイラクに逃れてきた子どもたちがいる。
JIM-NETでは、医療施設や学校に行くことができない子どもたちを運ぶ「希望の足プロジェクト」の拡大を検討。

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車を2台補充し、けがをした子どもたちがリハビリセンターや学校へ通えるようにしたい。
また、クラスター爆弾や対人地雷で負傷をした子どもたちの義肢の製作も支援しようと思っている。
シリアには、多くの不発弾があるというので、地雷回避教育も必要である。
ヨルダンに逃れたシリア難民戦争負傷者支援プロジェクトも検討している。
JIM-NETの活動をぜひ、応援してください。

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2014年10月 5日 (日)

コンサートに飛び入り?

最近、さだまさしさんの複数のファンから「見たよ」と声をかけられた。
どうも、さださんのコンサートで、南相馬に鎌田と何度も訪れたときの写真を使っているらしい。

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さださんとは、東日本大震災後、何度も被災地を訪れた。
避難所になっていた体育館や、絆診療所、子どもや障害者の施設などを訪ね、ミニコンサートをした。
義捐金を作るために、愛知県の豊田で一緒にトーク&コンサートをしたことも。
さだまさしさんのあたたかさは、抜群です。

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2014年10月 4日 (土)

お知らせ

大阪で人気の道上洋三さんの新しいラジオ番組が始まります。
「道上洋三の健康道場」
初回は鎌田がゲスト出演し、新刊『1%の力』(河出書房新社)についてトーク。
2週連続放送します。
また、この本の印税を全額イラク支援団体に寄付するとお話ししたところ、
道上さんが賛同してくださいました。
道上さんのご厚意で『1%の力』を10局10冊ずつ(計100冊)、リスナーにプレゼントする予定です。
ぜひ、お聴きください。

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全国の放送日は以下の通りです。
【放送エリア、日時】
関西ABC、北海道HBC、宮城TBC、山梨YBS
10月4日7時~7時半
10月11日7時~7時半
関東TBS
10月5日12時~12時半
10月12日12時~12時半
静岡SBS
10月5日19時~19時半
10月12日19時~19時半
愛知CBC、広島RCC、福岡RKB
10月4日6時半~7時
10月11日6時半~7時
岡山香川RSK
10月4日8時20分~8時50分
10月11日8時20分~8時50分

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2014年10月 3日 (金)

鎌田劇場へようこそ!(180)

「俳優は俳優だ」

製作・脚本は、「嘆きのピエタ」でベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したキム・キドク。
端役から一躍、トップスターにのぼり詰めた俳優の激しい人生を描いている。
映画という芸術は人に夢を与える一方、人を狂わせていく。
現実と夢の間の蜃気楼のようだ。

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Kポップアイドルのイ・ジュンが暴力的な雰囲気を見事に演じている。
とんでもない人間たちが出てくるが、
実はこれが現実の世界とつながっている。
考えてみれば、この現実世界のぼくたちも、一人一人が何かの役柄を演じているようなものだ。
映画の中に映画を描くキム・ギドク。
「これぞ映画」という手法で、見事に観客を手玉に取っている。

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2014年10月 2日 (木)

お知らせ

新刊『1%の力』(河出書房新社)が、発売から1週間で3刷となりました。
菅原文太さんや生島ヒロシさん、大竹まことさん、大阪の道上さんなど、
たくさんの人気ラジオ番組で取り上げていただき、好評をいただいています。

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読者の方から、中学生と保護者たちが回し読みしながら、
1%誰かのために生きることについて話し合っている、というありがたいお手紙もいただきました。
西東京市の田無では、今の時代「どうやって生きていくか、生き抜くか」をみんなで話し合い、
知恵を集めて方策を共有したいという団体が、
この本にちなみ、「@田町 1%のちから舎」という名称で、参加者を募集しています。
「1%の力」が、一人歩きしはじめました。
                                              ◇
本日2日、読売新聞夕刊に『1%の力』(河出書房新社)が取り上げらます。
8日は「大沢悠里のゆうゆうワイド」(TBSラジオ、8.30~)、
11日は「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」(TBSラジオ、8.30~)に出演します。
1%がもつ不思議な力について、お話できたらと思います。
ぜひ、チェックしてください。

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2014年10月 1日 (水)

カマタの怒り10

~厳しい未来図

政治の失敗が続いている。
財務省の試算では、2040年の国の借金は約4000兆円に膨らむ。
今の4倍である。
財政破綻をさせないためには、消費税率を段階的に25%にまで上げざるを得なくなる。
年金をもらうのは69歳から。
すべての高齢者は、2割の医療費自己負担が求められる。
サラリーマンは給料の30%を社会保険料のために、10%を所得税として納めることになる。
2040年には大変厳しい国になりそうだ。
だが、今だって厳しくないわけではない。
8月末、南相馬を訪ねたとき、一人の高齢女性からつらい話を聞いた。
認知症の夫を地元の病院で3か月間は診てもらえたが、それ以降は無理だった。
人口が震災前の35%減り、看護師不足が深刻ななか、どこの病院も受け入れることができないという。
群馬県の病院に入院することになったが、間もなく夫は亡くなったという。

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高齢者だけでなく、子どもに対してはもっと冷淡である。
今年度予算の社会保障給付費をみると、年金介護予算が計約65.6兆円に対し、
子育て世代向けは5.3兆円。対GDP比1.1%にすぎない。
子どもを産み、育てやすい国になっていない。
諏訪中央病院は、ユニセフの「赤ちゃんにやさしい病院」の指定を受けている。
全国でも70施設に満たない難関の指定である。
赤ちゃんを産みやすく、育てやすい環境をつくっていくことが大事。
コンクリートを中心にした公共投資から、
人間を中心にした公共投資に切り替えるべきではないか。
介護職の給料をもっと多くし、若い人たちが介護現場で働きながら結婚し、子育てできるような、
お金の循環する国のシステムをつくる必要がある。
コンクリートにいくらお金をかけても、お金は回転しはじめない。
政治の発想力が貧弱なため、国の勢いはますます弱まるばかりだ。
国の行方を左右する政治の在り方を、
国民一人ひとりがもう一度問い直し、真剣に考えてく時期が来ている。

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