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2014年10月20日 (月)

「イスラム国」の脅威

10年ほど前、JIM-NETはヨルダンの首都アンマンで、イラク戦争で傷ついた子どもたちを助けるための「アンマン会議」を開いた。
イラクの小児科医、リカア先生とは、その会議で初めて会った。
リカア先生は、白血病の専門医で、戦争のなかで子どもたちを守るために、病院で寝泊まりしていた。

141002___3 イラクにいる同僚医師や、子ども、女性たちを心配するリカア先生

5年ほど前、北東部の大都市モスルにいたリカア先生は、キリスト教徒であったため迫害を受け、日本へと脱出した。
信州大学大学院で4年間、白血病の遺伝子研究を行った。
この5年前の時点ですでに、「イスラム国」の萌芽はあったという。
イラク戦争でフセイン政権が打倒された後、シーア派のマリキ政権が誕生。
シーア派を優遇したため、スンニ派やクルド人が孤立感を強め、スンニ派の過激派集団が生まれる芽を作った。
スンニ派の一般市民は平和主義者であるが、マリキ政権への不満や反感のため、スンニ派の過激派集団の巨大化に目をつぶったのである。
そして彼らはこの一年の間、巨大な力をもち、支配地域を拡大している。
リカア先生は、イスラム教に改宗するか、人頭税という特別な税金を出すか、あるいは死を選ぶか、と脅迫され、日本に逃げてきた。
JCFが、リカア先生と母親の生活を支援している。
だが、イラクにいて、国内避難民となった子どもや女性の治療にあたっている同僚の小児科医は、薬が足りず困っていると訴える。
JCFでは、モスル等の国内や国外に出た避難民を助ける支援活動を開始。
イラク国内の難民キャンプや教会などで不自由な生活をしている避難民たちに薬を送る活動も開始した。
「イスラム国」の暴力には、困っている人たちを救う「愛」の力で徹底的に対抗するしかない。
                        ◇
10/29、新宿で鎌田の新刊「1%の力」刊行記念の講演&サイン会がある。

http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/1029-6c10.html
この本の印税はすべて、イラクの子どもたちの義足や、病院などへ通う“足”を確保する「希望の足プロジェクト」などに充てたい。
ぜひ、会場にお越しいただき、ご協力をお願いします。

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