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2014年11月22日 (土)

情報公開の徹底を

製薬企業売上上位10社が、講師を医師に頼み、その謝金が110億円になるという。
年50回以上講演を行い、1000万円以上の謝金を受け取った医師も10人いたというから驚きだ。
医師たちが専門性を高めるために勉強会を開くことはいいことであるが、
一つの企業のために50回以上講演することは、医師としていいことなんだろうか。
たとえば、高血圧の患者さんを診るときに、たくさんの薬のなかから、謝金をもらっている会社の薬を処方するというのは、
きちんと医学的な判断が働いているのか、勘ぐられても仕方ない。

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ぼく自身、断りきれず、年1、2回、製薬会社の依頼で講演することもある。
そんなときは、講演料は寄付することにしている。
過日も、講演料で、ドクターカマタの減塩みそ汁や、寒天ゼリー、CD「ひまわり」「プラハの春」などを買い、
それを会場のみなさんにプレゼントした。
これらの商品の収益は、イラクや福島の子どもたちの支援に使われる。
会場のみなさんからも、日本チェルノブイリ連帯基金の募金箱に寄付していただいた。
日本チェルノブイリ連帯基金にしてみれば、ぼくが商品を買ったことと、会場から寄付をいただいたことで、
一回で二度おいしいグリコみたいな、いい回転もできる。
ただ今回のように情報公開をしたことは、一歩前進である。
全例、情報公開されていけば、医師と製薬会社の親密な関係はのぞましいものではない、という軌道修正に役立つ。
情報公開の徹底が必要である。

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