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2014年12月 9日 (火)

鎌田劇場へようこそ!(187)

「サンバ」
大ヒットした「最強のふたり」の監督と、いまやハリウッドでも引っ張りだこになった俳優オマール・シーが再びタッグを組んだ。
これまた、おもしろい。
オマール・シーが演じるのは、サンバというアフリカ出身の移民の青年。
フランスで10年働いてきたが、国外退去を命じられる。
そこで相談に行って出会うのが、フランスのトップ女優シャルロット・ゲンズブール演じる元キャリアウーマンのアリス。
彼女は燃え尽き症候群になり、睡眠薬を多量摂取していた。
さらに、もう一人、移民仲間の陽気でハチメチャなウィルソンが絡んでくる。
みんな息も絶え絶え、やっと生きているはずなのに、ただ我慢して生きているわけではない。
短気で、女好きなのは変わらず、何度もつまずいてしまう。
つまずきながら、人を笑わせ、自らも傷つき、それでも生きていく。
そんなサンバを支える、バーンアウトして、友だちも恋人もいないアリスが、とてもいい味を出している。
可憐で、弱々しいが、さわやか。一輪のコスモスのようだ。

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この映画ですてきな言葉に出会った。
――アフリカの雨の夜は、カゲロウという虫が火に寄せられて集まってくる。
多くの虫は壁にぶつかり死ぬ。
われわれはカゲロウにならないようにしよう――
光は、大事なのである。
希望に向かってしっかり飛び、
あきらめないで、
2015年を上手に飛んでみたいと思う。
12/26からロードショー。
明るくて、元気で、人を大切にし、恋したり、助けられたり助けたりのいい年がやってくるよう、
お正月には、こんな映画はいかがだろうか。

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