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2014年12月

2014年12月31日 (水)

やせる思いの一年

26日昼の便で日本を出発。
イスタンブール経由で、ヨルダンのアンマンに入る。
ヨルダンには、シリアから約150万人の難民が押し寄せている。
JIM-NETでは、シリア難民やイラクの子どもたちのために、「希望の足プロジェクト」を展開しているが、今後の方針を考えるために、
実際にぼくもザータリーキャンプを訪ねることにしたのだ。
出発直前の24日、過激派組織「イスラム国」が戦闘機を撃墜し、パイロットの身柄を拘束したというニュースが入ってきた。
拘束されたのは、ヨルダン軍の空軍兵士だという。
ヨルダンも有志連合の一員として「イスラム国」に対抗している。
北イラクのアルビルは、最も激しい空爆が行われている。
今ごろは、ヨルダンから、アルビルに入っている予定だ。
アルビルにも、「イスラム国」から追われ、難民となった人がたくさんいる。
イラク人のキリスト教徒が集まっている町や、クルド人がドホークの難民キャンプに集まってきている。

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世界は混沌としている。

イラク戦争をきっかけに、とんでもない過激派集団を生み出してしまった。
「イスラム国」は、捕えた兵士たちを大量処刑している。
住民を恐怖で支配し、女性を性奴隷にもしている。
とにかく、難民となって困難のなかにいる人たちに、数少ない手を差し伸べたいと思う。
2014年は、国内外のことを考えて、やせるような思いで1年を過ごした。
実際に、3.5キロ体重が減った。
ウエストも2.5センチ細くなった。
日本では、集団的自衛権や秘密保護法、原発の再稼働など、
次々に吹いてくる風を受けながら、この国と世界の平和に、やせるような思いでいる。
単純に解決できないことばかりだが、希望は持ち続けていく
来年こそ、いい年になることを祈っている。
一年間、ブログを見ていただき、ありがとうございます。
みなさんにとって、2015年がよいお年でありますように。
 
--イラクのアルビルの難民キャンプから愛を込めて。

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2014年12月30日 (火)

カマタの怒り12

~過去最高の企業の内部留保

2013年度末に、企業の余剰金である内部留保が304兆円という過去最高額を更新した。
このお金は、企業にとって、手元資金としてどうしても必要な部分があることは間違いない。
成長するために資本投資する必要もある。
しかし、これから法人税をさらに下げるということになれば、内部留保はますますたまっていく。

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法人税を下げるのであれば、
この内部留保を従業員の賃上げや整備投資に回すようにできないか。
そうすれば、景気は必ずよくなっていく。
社会福祉法人は一施設当たり3億円の内部留保があるとされている。
政府は、ここに手をつっこもうとしている。
もし、それをするならば、同時に企業の内部留保にも着手し、景気をよくするため、社会を豊かにするために使うようなルールを作る必要があるように思う。
これができるのは、政治の力以外にない。
来年こそ、政治にしっかりしてもらいたいものだ。

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2014年12月29日 (月)

カマタの怒り11

~ミツバチの大量死

厚生労働省の部会は12/24、農薬クロチアニジンの残留基準値を緩和する案を了承した。
クロチアニジンは、ミツバチの大量死の原因と指摘されているネオニコチノイド系の農薬の一つだ。
この問題は、今年亡くなった菅原文太さんがとても気にしていることだった。
「鎌田さん、ミツバチが減っている。きっと農薬のせいだ」
亡くなる2か月前に、そう言っていた。
彼の心配が現実になりかかっている。
残留基準値を緩和すると、今まで以上にこの農薬を使いやすくしてしまう。
今まで使われなかったホウレンソウなど、多くの農作物に使われるようになるだろう。

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そして、ミツバチがさらに減る。
ミツバチがいなくなると受粉ができなくなり、作物の生産量は減っていく。
もともとは作物を効率よく作ろうと使われた農薬なのに、そのせいで作物が採れなくなっていくのだとしたら、人間はなんと愚かなことをするのだろう。
文太さんの心配を、鎌田の怒りへと変えないといけないと思っている。
何らかの手を打たないといけないのだろう。

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2014年12月28日 (日)

それでも、やっぱり、年賀状

年賀状を書くに当たり、今年いただいた年賀状を見返していると、
菅原文太さんからいただた年賀状に目が留まった。
見事な野菜が印象的だ。
11月末亡くなった菅原文太さん。
今この時代、日本に必要な人だった。
言いたいことをきちんといい、言った以上はやりとおす。
文太さんの志を、若者たちが引き継いでくれることを祈ってやまない。

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「Dr.コトー診療所」の漫画家山田貴俊さんからも、すてきな年賀状をいただいていた。
来年はどんな年賀状だろうか、楽しみになる。

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病院を退職して16年。
つきあいの範囲は徐々に変わり、医療だけでなく、いろんな世界の人たちとのおつきあいが広がっている。
来年、ぼくが出す年賀状は約600枚。
大変だけれど、日本では大切な文化。
いつまでできるかわからないが、できるだけ心のこもった年賀状を書いていきたいと思っている。

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2014年12月27日 (土)

嫌いで、好き

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信州の冬は早い。
唐松がはらはらと落葉していったと思ったら、もう雪の季節。
本当は厳しい冬で嫌いになるが、できるだけ厳しいと考えないようにしている。
冬、大好き。
雪、大好き。
そう言っているうちに、冬が好きなんじゃないかと思えてくる。

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いったいぼくは、冬が嫌いなのか、好きなのか。
嫌いも、好きもどちらも同居する、まだら状がぼくにとっての冬だ。

人によっては、冬は「絶対的に嫌い」「絶対的に好き」という人もいるかもしれないが、
両面もっているまだら状だからこそ、味わい深い。
嫌いで、好きな冬が、今年も始まった。

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2014年12月26日 (金)

子どもたちに伝えたいこと

東京の目黒区立第十中学校から講演依頼の熱い手紙をもらった。
ぼくの毎日新聞の連載「さあこれからだ」を教材に、命について考えさせてきたという。
あまりに熱い思いに、断りきれなくなって、道徳特別講演会にしに中学校を訪ねた。

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講演会では、中学の道徳の教科書に、ぼくの文が載っているが、その話をしながら、自由の大切さを語った。
ただ、ぼく自身が66歳になって、本当に自由に生きているかというとそうとは言えない。
「相手のなることの大切さ」を書いたり、語っているのに、実行するのはなかなか難しいことも正直に話した。
自分の自由を大切にするためには、人の自由を大切にすること。
そして、時には自由を守るために勇気が必要だと子どもたちに伝えたかった。
その講演会の様子は、ちょうど取材に来ていた毎日新聞の記者が電子版のコラム「幸せの学び」に書いている。
ぜひ、お読みください。

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2014年12月25日 (木)

鎌田劇場へようこそ!(190)

「トレヴィの泉で二度目の恋を」

シャーリー・マクレーン、クリストファー・プラマーの二大俳優が演じる恋物語。
クリストファー・プラマー演じるフレッドは、妻を亡くし、世の中からひきこもり、何もする気力もなくなっていた。
そこへ、シャーリー・マクレーン演じるエルサが現れる。
エルサは、想像力な豊かな女性で、時々ウソもつく。
フレッドは、徐々に元気になっていくが、彼女にとんでもない隠し事があることに気が付く。
そして、エルサを大切に思い、彼女の夢をかなえようとする。
フェリーニの「甘い生活」の名場面が何度も出てくるが、
二人は、そのシーンに出てくるトレヴィの泉に行くことになるのだ。

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物語は、いくつものどんでん返しがあり、
最後の最後に、エルサがフレッドに置き土産をしていく。
ウソのような物語と素敵な恋が、人生をおしゃれに輝かせてくれる。
それは、いくつになっても忘れたくない。
なんとも、じんとくる映画である。

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2014年12月24日 (水)

カマサンタとドクター・トナカイ

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メリー・クリスマス!!!
ドクター・トナカイは、奥先生。
在宅医療が大好きで、患者さんたちの気持ちを明るくするために赤鼻のトナカイになった。
ぼくも、ふとっちょのサンタクロースに変身させられた。
写真にもう一人写るのは、都立駒込病院前院長の坂巻先生。
毎週一回、東京から諏訪中央病院に来て、血器疾患の患者さんの外来をしながら、
研修医たちの指導をしてくれている。
「東京から来るのは大変だが、諏訪中央病院の研修医の前向きな姿勢が大好き」と言ってくれた。
ありがたいことである。
ぼくたちの同級生も、定年退職を迎え、公職から離れはじめている。
自由な時間をもち、余暇に生きる人、のんびりする人、
管理職だったが、もう一度、好きな臨床を始める人もいる。
それそれ個性的に生き出している。
ぼくは相変わらず、何がなんだかわからない生き方で、全力疾走を続けている。

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うれしい手紙

子どもから手紙が届いた。
今年もらったなかで、最もうれしいファンレターだ。
きれいな絵。
一生懸命かいてくれて、感動した。
文字も元気がよくていい。

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年末年始にかけて、イラクに行く。
アルビルにあるアイン川の避難民の子どもたちや、
北イラクのドホークにある難民キャンプ、ヨルダンのザータリーキャンプの子どもたちを診察にいく予定だ。
一人でも多くの子どもたちが、元気に生きられる助けがしたいと思っている。

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2014年12月23日 (火)

ペンケース

毎年、パッチワークで素敵な小物を作ってくれている遠藤さん。
今度はぺンケースをつくってくれた。
講演の後のサインで使う筆ペンなどがちょうど入る。
特に外国では、筆ペンで書いてあげるととても喜ばれるので、いつも筆ペンは携帯している。

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パッチワークのカマタはとても楽しそうで好き。
この一年大変なことがいっぱいあったが、
それでも楽しそうに生きて行こうと思っている。

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2014年12月22日 (月)

1/18朗読と音楽のつどい開催

チョコ募金プロジェクトとして、来年1月18日、「いのちの花~イラク、福島、シリアをつなぐ朗読と音楽のつどい」を開催します。
出演は、有名なバイオリニストの川畠成道さん、タッチの南役で知れる声優の日高のり子さん、元NHKエグゼクティブアナウンサーの村上信夫さん、鎌田實。
すてきなトークとともに、川畠さんのミニコンサート、川畠さんの音楽と詩のコラボなどをお楽しみいただけます。
せひ、ご参加ください!!!

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「いのちの花」2015チョコ募金プロジェクト
  ~イラク、福島、シリアをつなぐ朗読と音楽のつどい~
◆日時: 2015年1月18日(日曜日)
◆開場: 13:30
◆開演: 14:00
◆場所: 千駄ヶ谷区民会館(JR 原宿駅竹下口から徒歩8分)
◆資料代: 500円(チョコ募金含む)
◆主催: JIM-NET
◆お問い合わせ先: 080-4837-4015(プロジェクト担当)
◆お申込メール: info-jim@jim-net.net(事務局)
  メール件名に『いのちの花』とお書きいただき、本文へお名前、ご連絡先(電話番号)、参加人数を添えてお送り下さい。
すぐに満員になると思うので、早めのお申込みをお願いいたします。
また、チョコ募金の口コミやSNSでの拡散も、よろしくお願いいたします。

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2014年12月21日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(189)

「KANO 1931海の向こうの甲子園」

台湾映画。
1931年、日本統治時代の台湾から甲子園に出場した野球チームの実話である。
嘉義農林学校野球部、KANOは、台湾で一度も勝ったことがない弱小チーム。
そこへ、日本人の監督がやってきて、現地の高砂族、漢族、日本人という3つの民族の強みを生かし、
チームワークをつくっていく。
チームは、奇跡のように勝ち進み、ついに甲子園に出場する。
めちゃくちゃ面白い。
ただし、長い。3時間超。
野球が好きな人にはたまらないだろう。
試合の取り方がものすごくダイナミックなのだ。
野武士のような青年たちの面構えやスピリット、グローブ捌きが実にかっこいい。
日本人が忘れかけている大切なものを思い出させてくれる映画だ。

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台湾はいまでもとても親日的だが、
日本統治時代という難しい時代の話を、台湾の人が映画にし、大ヒットとなった。
日本に対する批判的なにおいはほとんどない。
当時の台湾で、ダムをつくり、潅漑事業を成功させ、農業に革命を起こした日本人・八田與一のことも出てくる。

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2014年12月20日 (土)

お知らせ

八ヶ岳山麓映像日記は、2014年をもちまして、いったんお休みさせていただきます。
初めは、個人的なラジオのようなつもりで、音声だけで日々の思いを語ってきました。
そのうち、声だけでなく、動画を見たいというリクエストをもらい、
1年半ほど前、「八ヶ岳山麓映像日記」をスタートさせました。
83回目をもちまして、とりあえず最終回とさせていただきます。
これまでの「八ヶ岳山麓映像日記」は、さかのぼってYoutubeで見ることができます。
この映像をみてくださった方々、そして、映像を管理してくれた原田君に心から感謝いたします。

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これからは、ブログで日々の思いを丁寧に365日、語り続けていきます。
もうすぐアクセス数1000万回。
これからもよろしくお願いいたします。

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2014年12月19日 (金)

より充実した病院へ

諏訪中央病院に院長保佐として山中克郎先生が赴任した。
「ドクターG」で有名だ。
血液内科の専門医であるが、総合医の教育でもピカ一。
若い研修医たちのあこがれのドクターである。
藤田保健衛生大学の救急内科で、医学生や研修医教育を行ってきた。

141216img_3538 雪に覆われた諏訪中央病院

諏訪中央病院に研修を希望してやってくる医学生や研修医は多いが、
さらに研修体制も充実するだろう。
今、病院は50億をかけての増改築をすすめており、もう少しで完成する。
建物とともに中身も、着実に進歩している。
うれしいかぎりだ。

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2014年12月18日 (木)

一票を!

「ほうれんそうはないています」(ポプラ社)が、第20回日本絵本賞読者賞の候補にあがっている。

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子どもにもわかる形で、原発事故の恐ろしさを描いたこの絵本。
原発の再稼働や新規増設にNOというためにも、広くたくさんの人に読んでいただきたい。
日本絵本賞読者賞は、読者の投票で決まる。
詳しくはこちらをご覧いただき、「ほうれんそうはないています」に投票してください。

WEBからの投票はこちら↓

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2014年12月17日 (水)

鎌田實の一日一冊(223)

「兜割源三郎 玄冶店密命始末」(好村兼一著、講談社文庫、745円)

今はやりの書き下ろし文庫である。
人を殺さないための、兜割という剣を使う侍が主人公。
春日八郎の大ヒット曲のお富さんが出てきたり、江戸時代の庶民の姿がいきいきと描かれている。

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著者は、フランス在住で、剣道八段の腕前。
自ら鍛え、剣の道をまっしぐらに進みながら、小説を書き続けている。
主人公・源三郎は相手の命を奪わずに制圧する新しいヒーロー。
好村兼一の大ヒットシリーズになるかもしれない、そんな予感のする作品である。

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2014年12月16日 (火)

もうすぐ1000万PV

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いつも「八ヶ岳山麓日記」をご覧いただき、ありがとうございます。
お陰さまで、もうすぐアクセス数1000万PVです。
毎日、たくさんの方がこのブログをみてくださっています。
閲覧者は、全国的に広がっていますが、
東北や長野、石川、宮崎の方々からのアクセスが特に多いようです。
日ごろの感謝の意を込めて、
999万9999の人と、1000万の人に、鎌田實のサイン本をプレゼントいたします。
諏訪中央病院 鎌田實宛てにお手紙をください。
 〒391-8503 長野県茅野市玉川4300番地
証拠になるような写真を同封していただけるとうれしいですが、
信じていますので、証拠がなくてもOKです。
これからも「八ヶ岳山麓日記」をよろしくお願いいたします。

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2014年12月15日 (月)

新刊、増刷

「1%の力」(河出書房新社)の増刷が決まり、8刷7万5000部となりました。
たくさんの方の応援のおかげです。

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ぼくがいただく印税はすべて、「イスラム国」の侵攻で、足を失った子どもの義足づくりや、学校や美容院に通うためのプロジェクトに寄付します。
傷ついている人に手を差し伸べることは、暴力に対する抵抗です。
これからも応援をお願いします。

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2014年12月14日 (日)

B級グルメ大好き

東京、福岡、神戸と“出張”が続いている。
その移動中も、カマタはやっぱりB級グルメ。
東京では、日テレの前にある「らーめん大」で、野菜たっぷりのラーメンに、ニンニクを入れて食べた。
少し風邪っぽかったが、ニンニクをきせたラーメンで風邪が吹き飛んだ。

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福岡では餃子。
一口餃子で、ゆずこしょうで食べるのがよかった。

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神戸では、チケットを取り替えなければいけないために駅に行き、
ついでにお好み焼きを食べた。
タクシーの運転手に「どうしても見たほうがいい」と言われ、
ルミナリエを見に行くことに。

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しかし、ものすごい数の人が並んでいたので、断念した。
神戸の人にとってルミナリエは、震災からの復興のシンボルなのだろう。

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2014年12月13日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(188)

「マルタのことづけ」

孤独な女性クラウディアは、40代の4人の子をもつシングルマザーのマルタと知り合う。
マルタは、明るくて、前向きで、見返りを求めず、周囲の人を支えたり、交流したり、人生を謳歌している。

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二人は親交を深めていくが、
やがてマルタが重い病気にかかり、余命わずかだと知る。

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2014年12月12日 (金)

最後の夢

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杉原美津子さんが亡くなった。
34年前の新宿西口バス放火事件。
6人の人が亡くなる無差別犯罪である。
何の関係もない人が巻き込まれた。
杉原さんは一命を取り留めたが、80%の熱傷を負った。
そのとき使った血液製剤でC型肝炎になり、最後は肝臓がんになってしまった。
「それでも私は火を放った若者を憎んでいない」
という言葉を、彼女の口から聞いた。
無理して言っているのではなかった。
彼女は本当にそう思っているのである。
こんな人間がいるんだろうかと考えた。
彼女の夢は、豪華な夜行列車で北海道に行くこと。
最後の夢はかなわなかった。
                  ◇
鬼検事から闇の世界の弁護士に転身した田中森一さん。
刑務所で胃がんが見つかった。
ぼくの本を差し入れてもらい、全部読んだという。
出所後は元気で過ごしていたが、胃がんの再発で亡くなった。
田中森一さんの夢は、恵まれない貧しい子どもたちに勉強するチャンスを与えること。
この夢はどこまでいったんだろう。
あたたかな心をもった人たちが、この世を去っていく。
人生は悲しいものである。

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2014年12月11日 (木)

がんばらない介護講演会

超高齢社会、介護はだれにとっても無縁ではありません。
介護という人生の一つステージを、がんばりすぎず、生き生きと過ごすためのコツを鎌田實がお話しします。
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あんしん財団福祉講座【東京】
「がんばらない介護でいきいき暮らそう」

1部 「認知症サポーター養成講座~認知症を正しく理解するために」
    講師 井藤佳恵氏
2部 鎌田 實 講演
日時 2015年2月24日(火) 17.30~19.45(開場16.45~)
会場 星陵会館 東京メトロ「永田町駅」徒歩3分
定員 400人
参加は無料
主催 財団法人中小企業災害補償共済福祉財団
申し込みは、電話03-5362-2335か、こちらのメールフォームから↓

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2014年12月10日 (水)

お知らせ

12/15放送の「主治医が見つかる診療所」(午後8時~、テレビ東京)は2時間スペシャル。
健康寿命を延ばすプロジェクトの第一弾として、
日本のすごい食材を紹介する。

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鎌田は、高野豆腐を紹介する。
高野豆腐はレジスタントタンパクという特殊なタンパクが含まれ、
中性脂肪や悪玉コレステロールを下げる作用がある。
そのうえ、日本食で不足しがちな亜鉛も豊富に含んでいる。
なかなか優れた食品なのだ。
ぜひ、ご覧ください。

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2014年12月 9日 (火)

鎌田劇場へようこそ!(187)

「サンバ」
大ヒットした「最強のふたり」の監督と、いまやハリウッドでも引っ張りだこになった俳優オマール・シーが再びタッグを組んだ。
これまた、おもしろい。
オマール・シーが演じるのは、サンバというアフリカ出身の移民の青年。
フランスで10年働いてきたが、国外退去を命じられる。
そこで相談に行って出会うのが、フランスのトップ女優シャルロット・ゲンズブール演じる元キャリアウーマンのアリス。
彼女は燃え尽き症候群になり、睡眠薬を多量摂取していた。
さらに、もう一人、移民仲間の陽気でハチメチャなウィルソンが絡んでくる。
みんな息も絶え絶え、やっと生きているはずなのに、ただ我慢して生きているわけではない。
短気で、女好きなのは変わらず、何度もつまずいてしまう。
つまずきながら、人を笑わせ、自らも傷つき、それでも生きていく。
そんなサンバを支える、バーンアウトして、友だちも恋人もいないアリスが、とてもいい味を出している。
可憐で、弱々しいが、さわやか。一輪のコスモスのようだ。

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この映画ですてきな言葉に出会った。
――アフリカの雨の夜は、カゲロウという虫が火に寄せられて集まってくる。
多くの虫は壁にぶつかり死ぬ。
われわれはカゲロウにならないようにしよう――
光は、大事なのである。
希望に向かってしっかり飛び、
あきらめないで、
2015年を上手に飛んでみたいと思う。
12/26からロードショー。
明るくて、元気で、人を大切にし、恋したり、助けられたり助けたりのいい年がやってくるよう、
お正月には、こんな映画はいかがだろうか。

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2014年12月 8日 (月)

あたたかい声

朝4時半に起き、大島花子の音楽を聴いた。
ファーストアルバム「柿の木坂」だ。
ジョン・レノンの「イマジン」を大島花子風に歌っているのがなかなかいい。
父・坂本九が作詞作曲した「親父」という曲がまた素敵だ。

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大島花子さんは、以前、加藤登紀子さんと鎌田が、福島ジュニアオーケストラと南米の若者たちとともに津田塾大のホールでコンサートをしたが、そのとき来てくれた。
いつもあたたかい人だ。
「史上最高にやさしいロック、生きている喜び、感じていますか」
というキャッチフレーズで、
悲しみや痛みさえ包こんでくれるような、あたたかく、しゃれたアルバムになっている。
発売は12/10。
アナログレコード(LP盤)も11/28に先行発売している。

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2014年12月 7日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(186)

「ハッピー・リトル・アイランド 長寿で豊かなギリシャの島で」

ギリシャにある人口8000人のイカリア島に、不況で仕事がない若者が移住する。
なかなか地域の人たちとうちとけないが、そこで人生を楽しむコツを学んでいく。
実はこの島、「死ぬことを忘れた人々が住む島」といわれる長寿の島で、研究者やマスコミも注目している。
長寿の秘訣は何か。
よく歩くこと、
地中海料理、
家族や友人との時間を大切にすること、
ワインをよく飲むこと、
ギリシャコーヒーをよく飲むことーーコーヒーは一日5杯以上飲む人はがんが少ないというデータもある。
さまざまな要因が推測されている。

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健康づくり運動してきた医師として感じたのは、
「野菜をつくることができる大地があること」。
豊かではないけれど、大地に感謝し、自然と一帯になっているところがいい。
「仕事で体は疲れるが、心は疲れない」
良好な人間関係があり、しょっちゅう募金のための飲み会をし、それぞれが島のために少しずつ募金し、困っている人を助けている。
「お互いを思いやっていること」
仕事の手がないときは、みんなで当たり前のように助け合う。
これは米国ペンシルバニア州の町のロゼット伝説に近い。
きずながあることが、健康で長生きにつながる。
ドキュメンタリー映画で、美しい映画である。
なかなかしゃれた映画だ。
ぼくはとても参考になったが、
お金を出して一年に一本映画をみる人にとっては、もっと楽しいほうがいいのかな。

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2014年12月 6日 (土)

勝部麗子さん

勝部麗子さんは、話題のコミュニティー・ソーシャル・ワーカー(CSW)。
その取り組みは、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に取り上げられたり、漫画やテレビドラマになったりしている。
とにかくすごい。
たとえば、ごみ屋敷のおばあちゃんがいる。
周囲の人は、「困った人」として避ける。
しかし、勝部さんは、「困った人」は「困っている人」と看破した。
見抜く力がすごい。
「困った人」自身が実は、孤立して困っているのだというように見方を変えることで、
その人を支援する糸口が見えてくる。
ごみを貯めこんでしまうおばあさんも、頑なに閉ざした心がちょっと緩む。
心が緩めば、人間と人間の関係を築いていきやすい。

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勝部さんは、相手のプライドを壊さない。
主人公はあくまでもおばあちゃんであることをわかっている。
家の片づけでも、「ちょっと手伝わせてくれないかな」といった言葉使いで、
主人公のプライドを傷つけない。
感情の魔法使いだ。
「情」をうまく使う。
ツルタさんという若くして脳卒中になり、壁にぶつかるとお酒に走ってしまうおじさんがいる。
勝部さんは、何度も、何度も裏切られる。
そのたびに、勝部さんは本気で泣く。
その涙をみて、ツルタさんはごめん、ごめん、と必死に謝る。
ツルタさんは、ついに立ち直り、働き始める。
勝部さんの本気の涙が、ツルタさんの心をあたためたのだ。
心をもった動物である人間は、心をあたためられるとエンジンに火がつく。
勝部流の発想は、地域や福祉にかかわる仕事のヒントとして役立つだけでなく、
人間としての生き方のヒントになる。

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2014年12月 5日 (金)

チョコ募金、好調のスタート

ありがたいことに、チョコ募金が絶好調でスタートした。
たくさんの方がリピーターとして、申し込みをいただいている。
今年のテーマは「いのちの花」。
チョコの缶にも、アラビア語でかかれている。
イラストは、白血病や小児がんと闘っている子どもたちが描いてくれたケシの花やバラ、ガーベラ、ひまわり。
バラを描いてくれたのは、12歳のイマーンさん。
大腸がんで肝臓転移という深刻な状況のなか、自らの命を覚悟しながら、友だちが助かることを願って描いてくれた。
このバラの花からは、いじらしく、それでいて堂々としたイマーンさんの思いが伝わってくる。
チョコレートは、北海道の六花亭のもの。

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イラク・福島の子どもたちと、シリアの難民を支援するために、
チョコ募金にご協力ください。
チョコ募金のお申し込みは、
電話  03-3209-0051 (平日9時~17時)
FAX  03-3209-0052
 FAXの場合は、氏名・フリガナ・住所・電話番号・セット数をご記入ください。
メール こちらのHPから↓
 メールでの申し込みは大歓迎です。
詳しくは、こちらをご覧ください↓

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2014年12月 4日 (木)

道徳の教科書に

中学生の道徳の教科書(光村図書)に、ぼくの文章が6ページにわたり載っている。
「がんばらない」(集英社)のなかにある、ある青年の死というエッセイだ。
また、中学一年の国語の教科書には、「雪とパイナップル」(集英社)。
チェルノブイリの汚染地域の子どもと、日本人の看護師の交流の話だ。

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中学生という多感な時期に、命の大切さ、すばらしさについて考えてもらいたいと思う。
教科書のぼくの文章をきっかけに、ぼくの本やその他いろんなことに興味を持ってもらいたいな。

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2014年12月 3日 (水)

いろんな年代の方に

「ほうれんそうはないています」(ポプラ社)の増刷が決まった。
ありがたいことだ。

Horenso

日本絵本賞は、読者に投票していただく賞だが、
「ほうれんそうはないています」も、対象にノミネートされている。
どの年代の人にも、いろんな響き方をする。
何度も読んでいるうちに、どう生きたらいいのかが見えてくる。
ぼくは、それが絵本の魅力だと思う。
たくさんの方に応援していただき、受賞できたらいいな。

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2014年12月 2日 (火)

菅原文太さんからのバトン

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11月28日、菅原文太さんが亡くなった。
とてもさびしい。
いろいろなことが思い出される。
今年は6月と8月に、蓼科のナマステにカレーを食べにいった。
9月には、文太さんに誘われて、福島にボランティアに行った。
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がんを克服し、救われた、地球に生まれてよかった
と感謝できる環境を守りたい、と言っていた。

ミツバチが減っていることを気にしていた。
農薬のまきすぎではないか。
野菜の生産量をあげるために農薬を使い、ミツバチが少なくなって受粉ができなくなり、
その結果、野菜の生産量が減る--。
悪循環なのだと怒っていた。
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原発の再稼働に関しても、とても心配していた。
大好きな日本をいい形で若者や子どもたちにバトンタッチしなければ、と強く思っているようだった。
効率や欲望に走り過ぎてはいけない、と日本のことを心配していた。

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文太さんは、おそらく自分の体のことは全部承知していたのだろう。
限りある命のなかで、
伝えておかなくちゃいけないこと
言っておかなくちゃいけないこと
やっておかなくちゃいけないこと
男の中の男、菅原文太は腹をくくっていたのだと思う。
文太さんから言われた、
環境を守ることや、命を大事にすること。
文太さんからバトンを受け継いで、同じ気持ちで走り続けなければならないと思っている。
写真は、今年8月、蓼科で対談したときのもの

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2014年12月 1日 (月)

お知らせ

明日12月2日17時~、鎌田がゲスト出演した「ザ・プロファイラー」(NHKBSプレミアム)の再放送があります。
ぼくが大好きなチェ・ゲバラの回で、何度か目の再放送です。
ぜひ、ご覧ください。

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チョコ募金スタート

本日12/1から、JIM-NETのチョコ募金の受付がスタートする。
今年のテーマは「いのちの花 フラワーガーデン」
砂漠のイメージが強いイラクだが、春にはいろいろな花が咲く。
その花を、進行した結腸がんと闘う12歳のイマーンさんが描いてくれた。

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チョコ募金とは、1口500円の寄付をいただいた方に、チョコレート1缶をプレゼントするというもの。
収益は、イラクの子どもや、シリア難民となった母子、福島の子どもたちのために使われる。
特に、今年は「イスラム国」という過激派組織が非道を行い、イラクやシリアの若者たちを苦しめている。
憎悪や暴力に対抗する意味でも、傷ついた子どもたちに手を差し伸べる「愛」の力を見せつけたい。
今年も16万個のチョコ缶を用意しているが、
すでに受付が開始される前から、200件もの問い合わせをいただいている。
JIM-NETでも、受付に対応するスタッフをそろえるなど、半月前から準備万端。
発送は、障害をもつ人たちの授産施設はなみずきのみなさんが行ってくれる。
子どもたちのいのちの花を咲かせるために、
ほんの少し、あなたの力を貸してください。
ご協力をお願いします!!

チョコ募金の申し込みは、電話やファクス、郵便、メールで。
詳しくはこちら↓

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