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2014年12月 6日 (土)

勝部麗子さん

勝部麗子さんは、話題のコミュニティー・ソーシャル・ワーカー(CSW)。
その取り組みは、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に取り上げられたり、漫画やテレビドラマになったりしている。
とにかくすごい。
たとえば、ごみ屋敷のおばあちゃんがいる。
周囲の人は、「困った人」として避ける。
しかし、勝部さんは、「困った人」は「困っている人」と看破した。
見抜く力がすごい。
「困った人」自身が実は、孤立して困っているのだというように見方を変えることで、
その人を支援する糸口が見えてくる。
ごみを貯めこんでしまうおばあさんも、頑なに閉ざした心がちょっと緩む。
心が緩めば、人間と人間の関係を築いていきやすい。

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勝部さんは、相手のプライドを壊さない。
主人公はあくまでもおばあちゃんであることをわかっている。
家の片づけでも、「ちょっと手伝わせてくれないかな」といった言葉使いで、
主人公のプライドを傷つけない。
感情の魔法使いだ。
「情」をうまく使う。
ツルタさんという若くして脳卒中になり、壁にぶつかるとお酒に走ってしまうおじさんがいる。
勝部さんは、何度も、何度も裏切られる。
そのたびに、勝部さんは本気で泣く。
その涙をみて、ツルタさんはごめん、ごめん、と必死に謝る。
ツルタさんは、ついに立ち直り、働き始める。
勝部さんの本気の涙が、ツルタさんの心をあたためたのだ。
心をもった動物である人間は、心をあたためられるとエンジンに火がつく。
勝部流の発想は、地域や福祉にかかわる仕事のヒントとして役立つだけでなく、
人間としての生き方のヒントになる。

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