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2015年1月

2015年1月31日 (土)

1000万PV超に感謝

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このブログの閲覧回数が1000万回を超しました。
たくさんの人に見ていただき、感謝です。
これからも、日常のことから世界の平和まで、鎌田が考えたこと、活動したことなどを発信してきます。
もちろん健康情報や、大好きな映画、本の話題、B級グルメの話題も。
「八ヶ岳山麓日記」、これからもよろしくお願いいたします。
                     ◇
半月前にスキーで負傷しましたが、一日も休まず飛び回っています。
肋骨骨折の痛みはなくなりました。
上腕骨の3か所の骨折は、ほぼ順調に回復しているとのこと。
近々3回目のレントゲン撮影をしますが、
その結果によって、完全固定を外してリハビリを開始するかもしれません。
たくさんの方々からお見舞いの言葉をいただきました。
この場を借りてお礼を申し上げます。

お約束通り、999万9999回の人と1000万回の人には、鎌田のサイン本をプレゼントいたします。

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お知らせ

「暮しの手帖」74 2-3月号に、鎌田實の「暴力の地に人間らしい愛を」という原稿が載っています。
過激派組織「イスラム国」の暴力で、ふるさとを追われた人たちのことを書きました。

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「日経ビジネス」1/26発売号では、賢人の警鐘のコーナーで、
「介護はお荷物ではない。経済活性化の切り札だ。待遇改善でなり手増やせ」と題し、
10年後の日本の介護について考えています。

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ぜひ、お読みください。

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2015年1月30日 (金)

新しい動き

パレスチナが、89番目のクラスター爆弾禁止条約の締約国として、国連事務総長に条約批准を寄託したそうだ。
クラスター爆弾禁止条約は、クラスター爆弾を使わないだけでなく、製造しない、持っていない、売ったり買ったりあげたりしない、すでに使われている不発弾やもっているものは爆破処理する、ということを規定している。
クラスター爆弾は、悲劇を拡大させる、残忍な武器。
シリアの内戦でも使われているのではないかといわれている。

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イスラエルはパレスチナを国家として認めていない。
イスラエルを応援しているアメリカも、パレスチナの動きにはきっとおもしろくない感情をもっているに違いない。
それでも、パレスチナが平和に向けて堂々と、この条約の締約国になろうとしていることは歓迎すべきこと。
一歩一歩だが、残虐な武器は作らない、使わないというパレスチナの新しい動きを支持する。

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2015年1月29日 (木)

テロの道具

ナイジェリアでは、ボコ・ハラムが関与するといわれる自爆テロが相次いでいる。
1月10日、北東部の市場で、19人が死亡。そのほか多数のけが人がでている。
犯行は、10歳前後の少女らしい。
少女の体に爆弾を巻きつけ、遠隔操作したようだ。
その翌日も、別の市場で爆発があり、少なくとも3人が犠牲になった。
それも、報道によってばらつきはあるが、10代、20代の若い女性の犯行だとされている。
どうも誘拐された少女たちが強制されている可能性がある。
多くの犠牲者を出す無差別テロは許してはいけないが、
テロの道具にされる少女を思うと、なんとも切ない。
ボコ・ハラムは1月3日に軍隊のある町を襲撃。
2000人以上殺したとも言われている。

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また、オーストリアの16歳と17歳の少女がトルコ経由でシリアに入ろうとして、
ルーマニアで拘束されたという。
兵士の妻になることを志願しているらしい。
自分探しの旅にしては、リスクが大きすぎる。
過激化する「イスラム国」やイスラム原理主義者たち。
彼らは寛容さを身に着けて成熟しないといけないと同時に、
我々も寛容でありつづけることが問われているような気がする。
彼らの過激さに対して、我々がヒステリックになればなるほど、さらに激しいテロの応酬になるだろう。
今必要なのは、違いを認め合うこと、そして、暴力を使わないことである。

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2015年1月28日 (水)

チョコ募金、あと1万個を切る

神野美伽さんは毎年、チョコ募金に協力してくれている。
今年も、400個のご注文をいただいた。
すかっとパンチの利いた演歌を熱唱する歌手だが、いつも弱い人の味方。

Photo 2013年、陸前高田で歌う神野美伽さん

陸前高田に一緒にボランティアに行ったこともある。
その後、鎌田が都合がつかないときも、一人、陸前高田で歌の慰問をしている。
5月29、30日、陸前高田に行く計画をしているが、もしかしたら、神野さんにお声をかけるかもしれない。
                        ◇
チョコ募金がいよいよ残り1万個を切った。
先日、「大竹まこと ゴールデンラジオ」に出たとき、出演者の室井佑月さんに応援してもらったのが、かなり効を奏したようだ。
バレンタインデーやホワイトデーのプレゼントにと思っている方は、
お急ぎください。
お申し込みは、左のバナーから。

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2015年1月27日 (火)

緊急・いよいよ1000万PV!

1000万PVが迫ってきました。
日ごろの感謝の意を込めて、
999万9999の人と、1000万の人に、鎌田實のサイン本をプレゼントいたします。
諏訪中央病院 鎌田實宛てにお手紙をください。
 〒391-8503 長野県茅野市玉川4300番地
証拠になるような写真を同封していただけるとうれしいです。
これからも「八ヶ岳山麓日記」をよろしくお願いいたします。
 
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親日的な国ヨルダンに期待
過激派組織「イスラム国」に拉致されている後藤さん。
要求は、身代金から、ヨルダンに収監されている死刑囚の解放へと移ってきた。
ヨルダンが一肌脱いでくれるかどうか。
ヨルダンとしては、「イスラム国」に捕まっている兵士を救出することが最優先だろうが、
ヨルダンはとても親日的であるため、可能性はあると思う。

Photo 「イスラム国」に当たり前の生活を奪われた難民キャンプの子どもたち

ぼくたちはJIM-NETの事務所を、4年間、首都アンマンにもうけていたことがある。
そこで、ヨルダン人がどれほど日本人に親切か、身を以て感じてきた。
通訳をしてもらっただけで、家族のように迎えてもらい、結婚式にも招待されたこともある。
ぼくが行くたびに、家に招いていただき、お母さんの手料理のごちそうをいただいたことも。
かつて、日本人3人がイラクでテロリストに拉致されたときも、ヨルダンの外交官が必死に救出活動を行った。
地位の高いイスラム法学者にお願いし、その法学者がテロリストを説得、解放に至ったと聞いている。
ヨルダンは、日本人のために一肌脱いでくれる可能性がある国だと思う。
テロリストと交渉はしないという原則は大事だと思うが、
人間の命は大切なもの。
ヨルダン兵の命も、日本人の命も、救出できるものならば、できるだけのことを日本政府にしてもらいたいと思う。
一刻も早い、後藤さんの救出を祈る。

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リカア先生からのお見舞い

過激派組織「イスラム国」に脅されて、イラクから逃れてきたモスルの小児科医リカア先生とそのお母さんから、
お見舞いのカードと手作りのお菓子が贈られてきた。
ぼくが骨折したことを知って、当初、お見舞いにお花を持っていきたいと言ってくれたようだ。
しかし、日本チェルノブイリ連帯基金の神谷さんが、
「鎌田先生は骨折しても、じっとしておらず、全国を飛び回っているので、お見舞いに行っても会えない」と伝えたところ、それなら、ということで、カードをお菓子を贈ってくれたのだ。

Dsc03506 リカア先生とお母さんからいただいた、きれいな花のカードと手作りのお菓子

アラブの人はとてもやさしい。
「イスラム国」やアルカイダ系のテロリストの行いを見ていると、
どうしてもイスラムは怖いと思い込みがちだが、
イスラム社会の人々はとてもあたたかく、平和的なのだ。

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2015年1月26日 (月)

鎌田實の一日一冊(228)

「小麦は食べるな!」(ウイリアム・デイビス著、白澤卓二翻訳、日本文芸社、1512円)

日本は小麦の85%を、アメリカから輸入している。
その多くは遺伝子組み換えの小麦である。
高血圧、肥満、糖尿病、心臓病、関節痛、ぜんそくなど、小麦が原因しているというのが著者の指摘である。
アメリカでは130万部突破した大ベストセラーになった。

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ぼくはホテルで生活することが多い。
ホテルの朝食のときも、基本的にはパンもご飯も手を出さない。
山盛りの野菜サラダとヨーグルト、果物、チーズが中心。
野菜ジュースがあるときは、それを飲む。
イタリアンレストランに行ったときには、パスタは食べるが、
それ以外は小麦を使ったものはあまり食べないようにしている。

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2015年1月25日 (日)

鎌田實の一日一冊(227)

『「役に立たない」と思う本こそ買え』(森田正光著、dZERO、1728円)

お天気キャスターの森田さんは、実はものすごい読書家。
ぼくたちは、ついつい役に立ちそうな本を買うが、その逆をすすめている。
役に立たない本の代表作として「137億年の物語」(クリストファー・ロイド、文藝春秋)をあげている。
実はこの本、めちゃくちゃ面白い。
厚くて高いが、ぼくは買って、食い入るように読んだ。
自分が今生きているのが、生命体の歴史のなかで、どんな歴史の一コマなのかがわかる。

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アメリカのマクロ経済学者ミルトン・フリードマンの「資本主義と自由」(日経BPクラシックス)、この本も読んだが、
自由主義の極致みたいな本だ。
全部規制をとっぱらったほうがいい、たとえば医師免許もいらないとフリードマンは言う。
そんなんでいいのかなと思いながら、
ライセンス主義は、ライセンスさえあれば切磋琢磨しなくてもいいという問題を生み出すが、
ライセンスなしの実力を、一般の消費者がどう判断するのか難しくなる。
ということで、結局、ライセンスを信じるしかなくなってしまうのだ。
この本には、もちろんぼくも読んでいない本もたくさん紹介されている。
森田さんおすすめの「浮気人類進化論」(竹内久美子著)とか「ワニはいかにして愛を語り合うか」(日高敏隆、竹内久美子)など、
読んでみたくなった。
ぼくは子どものころから本をよく読んできた。
本が人生を変えたと思ってる。
今でも、外国や国内の講演に行くときに、数冊の本を持ち歩く。
本に対して、過度な期待はしないので、あまりがっかりすることもない。
いい本もあれば、それほどでもない本もある。
どんな本にも、ちょっとはいいところがあると思って読んでいる。
読む側の受け取り方や能力、気分で、本の存在価値はいくらでも変化する。
本、大好き。

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2015年1月24日 (土)

町の本屋さん

町の本屋さんはがんばっている。
その一つ、大阪の隆祥館書店には、「作家と読者のつどい」に2回、ボランティアで行ったことがある。
この書店は、昔からある小さな本屋さんで、店長が無類の本好き。
ぼくの「○に近い△を生きる」(ポプラ新書)や「1%の力」(河出書房新社)を信じられないどたくさん売ってくれた。

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そのとき来てくれたお客さんが、翌日、杖をついて再びお店を訪ね、
「よくこの企画をしてくださいました。生きる力をいただきました」と話したとか。
店長はもらい泣きをしたそうだ。
このエピソードが、「女性情報」で紹介されている。
(記事は、クリックすると大きくなります)
当時、年間20回ほど書店で講演をしてまわったが、ほとんどが大型の書店。
それだけでは鎌田らしくないと思い、大坂ではこの隆祥館書店と小林書店に行き、よろこばれた。
ネットで簡単に買える時代だが、町から本屋さんが消えてしまうのはさびしい。
がんばっている町の本屋さんは、いつでも応援したいと思っている。

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2015年1月23日 (金)

満員御礼

先週開いたチョコ募金2015プロジェクト「朗読と音楽のつどい」は満員御礼だった。
247人、関係者を入れると約280人が参加。
たくさんの人の応援していただいた。
歌手の園まりさんも、お忍びで駆けつけてくれた。

Dsc_8499 川畠成道さんの演奏と、鎌田の朗読

鎌田の、白血病と闘っているハウラさんの朗読と、川畠成道さんのすばらしいバイオリンの演奏は、多くの方から「泣けた」と感想をいただいた。
声優・日高のり子さんの「ほうれんそうはないています」の朗読は、さすがにプロ!
たくさんの方の共感をを呼んだようだ。

Dsc_8429 この年末年始、ヨルダン・イラクを一緒に訪ねたJIM-NETの事務局長・佐藤真紀さんと

Dsc_8511 村上信夫さんと。スクリーンにはバラの絵をかくイマーンさん

会場に用意した「1%の力」(河出書房新社)も用意した60冊があっという間に完売。
ありがたいことだ。

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2015年1月22日 (木)

最新イラク現地リポート

「イスラム国」が日本人2人を拉致し、身代金を要求している。
「イスラム国」のやり方は、常軌を逸している。
この年末年始、ぼくはヨルダンとイラクを訪ね、「イスラム国」の迫害から逃れた難民たちに話を聞いてきた。
1/20発売の「週刊朝日」では、両親や兄弟、3歳の女の子が連れ去られるという、鎌田の最新イラク現地リポートを掲載している。

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シリア難民、イラクの子どもたちの支援のためのチョコ募金のことも紹介している。
ぜひ、読んで、チョコ募金への協力もお願いします。

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2015年1月21日 (水)

お知らせ

鎌田がラジオに出演します。
23日(金)は「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(文化放送)には午後2時25分から30分間。
24日(土)は「土曜ワイド ラジオTOKYO 永六輔その新世界」(TBSラジオ)には、午前9時から30分間。
そして、25日(日)は、いつもの「日曜はがんばらない」(文化放送、午前10.0~10.30)。
どうぞ、お聴きください。
                      ◇
もうすぐ1000万PV!

日ごろの感謝の意を込めて、
999万9999の人と、1000万の人に、鎌田實のサイン本をプレゼントいたします。
諏訪中央病院 鎌田實宛てにお手紙をください。
 〒391-8503 長野県茅野市玉川4300番地
証拠になるような写真を同封していただけるとうれしいですが、
信じていますので、証拠がなくてもOKです。
これからも「八ヶ岳山麓日記」をよろしくお願いいたします。

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イマーンさんの家を訪ねて

チョコ募金のチョコレートの缶に描かれた、可憐なバラの花。
これは、12歳のイマーンさんが、大腸がんで肝臓転移があり、苦しいなかで力を振り絞って描いてたものだ。
彼女は、その3か月後の昨年7か月、亡くなった。
「ほかの友だちの命が助かるように」
彼女の熱い思いを引き継いで、ぼくたちはチョコ募金を行っている。

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年末年始、イマーンさんのお墓参りに行った。
アルビルから車で3時間半かけて、山奥の農村が彼女のふるさとだ。
イマーンさんのお父さん、お母さん、おじいちゃんたちが、出迎えてくれた。
イマーンが描いた絵のチョコ缶を見たとき、お父さんとおじいちゃんの目から大粒の涙がこぼれた。
お母さんは、JIM-NETのスタッフと抱き合って号泣した。
鎌田も、イマーンさんのお墓で、お父さんの涙につられて大泣き。
「やさしい日本人がいてうれしい。娘のことを忘れない日本人がいてうれしい。感謝します」とお父さん。
本当に、訪ねていってよかった。
このときの様子を、佐藤真紀さんがYoutubeにアップしている↓
ぜひ、ご覧ください。

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2015年1月20日 (火)

「ほうれんそうはないています」に一票を

「ほうれんそうはないています」(ポプラ社)を読んで、
40代のママ、てんぐざるさんから「あとがきをぜひ読んでほしいです」というレビューがありました。
「生きものが体内に入れると危険な『放射能』のことを、
近年起きた東北大地震による福島原発事故の事件を例にとり、
医師であり作家である鎌田さんが子どもたちにも理解できる内容で伝えている作品です。
鎌田さんがぜひにと推薦してこの作品の絵を描いたのは長谷川義史さん。
長谷川さんらしい骨太の力強い絵が心にしみてきます。
この作品自体も素敵なものでしたが、鎌田さんのあとがきも読みごたえがあるので、
小学校の高学年以上のお子さんたちには、ぜひ後書きまで読んでほしいです。
作品的にはたくさんのお子さんたちに読んでもらいたい1冊ですが、
この作品は小学校の高学年くらいから聞けるとは思いますが、個人的にはクラス単位での読み聞かせに使うより、
ブックトークなどで紹介して、ひとりでじっくり読んでもらいたいなぁと、思いました。
『放射能』の“怖さ”だけではなくて、
それを使ってしまった後のことを考えることのできる大人たちが増えてくれるといいなと思います」

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この絵本は、第20回日本絵本賞読者賞の候補になっています。

この賞は、読者からの投票で決まります。
詳しくはこちをご覧ください↓
WEB投票もできます↓
日本から原発をなくそう。
二度と福島の悲劇を起こさないように。

原発の再稼働反対の意思表示としても、
「ほうれんそうはないています」をぜひ、応援してください。

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2015年1月19日 (月)

簡単きりたんぽ鍋

南相馬の絆診療所は、原発20キロ圏内にあった小高地区の人たちが主に暮らしている仮設住宅の人たちの健康を守っている。
日本チェルノブイリ連帯基金は、その絆診療所を応援。
ぼくも絆診療所でミニ講演会を開き、健康と食の話をしたり、仮設住宅でも簡単につくれる料理を実際に食べてもらったりしてきた。
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今回は、きりたんぽ鍋を作り、みんなで食べた。
残りご飯を“半殺し”にして、少し塩で味付けする。
残りご飯の活用にもなると好評だ。
次回は、最近、健康食として見直されつつある高野豆腐を使った料理。
絆診療所の管理栄養士・鶴島さんにお願いして、高野豆腐の料理を試作中だ。

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2015年1月18日 (日)

チョコ募金あと5万個

チョコ募金のことがいろいろなメディアで取り上げられている。
最近では、1/10発売の「AERA」や、1/12の読売新聞などで紹介された。
鎌田の骨折のため、代わりに佐藤真紀事務局長が出演した1/14のNHKBS1の「国際報道2015」。
これがとても好評で、たくさんの方がチョコ募金を申し込んでくれた。
さらにぼくたちの活動に共感してくれた方が、100万円の寄付を申し出てくれている。
ありがたいことだ。

Choco07 チョコレートの缶には、子どもたちが描いた可憐な花の絵がプリントされている

チョコ募金に協力いただいた方から、こんなメッセージも寄せられている。
「二回目の購入ですが、年金生活のためこれ以上の支援は無理になってきました」
「家のトイレ掃除の報酬200日分を寄付します」
それぞれの範囲で、チョコ募金のことを気にかけていただき、涙が出る思いだ。
チョコ募金でいただいたお金は、病気の子どもたちに未来を与えてくれる。
ひまわりの絵を描いた17歳のハウラさんは、日本人の支援で白血病の治療を終えることができた。
チョコ募金はすでに11万個成立し、あと5万個となった。
来月のバレンタインデーや、その翌月のホワイトデーなどにお使いください。
哲学のあるチョコのプレゼントは、好感度が上がるかも。
ぜひ、ご協力をお願いいたします。

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2015年1月17日 (土)

やけ食いはストレスの元

ストレスの後は普段よりカロリーの消費量が減るため、やけ食いをすると肥満の元になる、という研究発表を紹介した。
やけ食いは、やはり体によくない。
だが、心にもよくないことがわかった。
これは、アメリカの心身医学会に発表されたペンシルバニア大学の研究で、
やけ食いすると、やけ食いした自分を責めてしまい、心理状態が悪化することがわかったのだ。

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ストレス解消を目的でやけ食いしたのに、実際はさらにストレスをため込んでしまう。
悪循環に陥っているのだ。
研究では、131人の女子大生をフォロー。
不健康な食行動の直前は、気分の変化や落ち込みはなかったのに、
不健康な食行動をしてしまった後はネガティブな気分の変化、落ち込み、抑うつ的になることがわかったという。
結局、ストレスは、やけ食いでは解消しないということだ。

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2015年1月16日 (金)

1/18「朗読と音楽のつどい」

チョコ募金2015のイベント「いのちの花~イラク、福島、シリアをつなぐ朗読と音楽のつどい」の開催がいよいよ今週末に迫っています。
空席は、あと100人ほどとなったので、参加を希望される方はお急ぎください。
申し込みご予約は、080-4837-4015(プロジェクト担当)
またはinfo-jim@jim-net.netへ!

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いのちの花 ~イラク、福島、シリアをつなぐ朗読・音楽のつどい

2015年1月18日(日)
会場 千駄ヶ谷区民会館(JR原宿駅徒歩10分)
開演:14:00
終演:15:30
資料代:500円

「タッチ」のみなみ役でおなじみの声優日高のり子さんが、『ほうれんそうはないています』を、
村上信夫さんが『へいわってすてきだね』を朗読する。
どちらの絵本も、長谷川義史さんが絵を手掛けたすてきな絵本だ。
鎌田實は、『ハウラの赤い花―イラクの少女がねがったこと』と題して、
川畠 成道さんのすてきな演奏とともに、詩を朗読する。
また、鎌田は先日、イラクを訪ねたが、チョコ募金のバラの絵を描いてくれ、その後亡くなったイマーンさんの家族を訪ねたときのことを話す。
イマーンさんのお父さん、お母さんにバラの絵のチョコ缶をみせると、涙してくれた。
圧巻は、日髙のり子さんの『雪とパイナップル』の朗読と、川畠成道さんの演奏のコラボ。
スペシャルトーク『子どもといのち』もある。
平和やいのちを考える、すてきな時間になると思う。
ぜひ、ご参加ください。
申し込みご予約は、080-4837-4015(プロジェクト担当)
またはinfo-jim@jim-net.netへ!

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2015年1月15日 (木)

寛容と成熟

新聞社の銃撃などのテロに反対し、
全仏で大規模デモが行われた。
参加者は、370万人とか。「フランス史上最大」という。
各国の首脳も参加した。
イスラエルのネタニアフ首相や、パレスチナ自治政府のアッバス議長が肩を組んで隊列するなどの光景は、
とても微笑ましい光景である。
こういうことを何回か繰り返すうちに、ロケット弾の応酬や空爆ではない、寛容で成熟した対応ができるようになるのではないか。
ただし、フランスでは、極右の国民戦線などが頭角を現し、人気を博している。
支持率では第一党になっている可能性があるという。
移民や難民の受け入れを反対し、自分たちの国の若者の就職をまず優先させるべきという主張が人気を集めているようだ。
世界は危ない状況になっている。
もっと寛容さをもたなければいけないと思う。

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反テロのデモの話に戻そう。
表現の自由を守る強い意思や勇気は、フランス革命を経験したからだろう。
フランス革命を通して、王政や宗教から自由になるという経験をした。
宗教でもタブーではなく、少しまずいことをしたり、考えたりしたときには、風刺画に描かれたりしてきた。
キリスト教やユダヤ教は、それをむっとしなからも認めてきた。
イスラム教は、偶像崇拝を禁止する要素があるので、モハメッドを描くことじたい、イスラム教徒には納得できないのだと思う。
時間が必要なのだと思う。
単にイスラム原理主義を否定し、批判し、空爆するのではなく、
彼らの宗教観を理解しながら、少しずつ成熟させ、寛容さを身に着けていくことが大事なのだ。

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2015年1月14日 (水)

骨が折れる話

連休中、福島の絆診療所のスタッフにリフレッシュしてもらいたいと、蓼科のスキーに招待した。
みんなで楽しく写真撮影した直後に、なんと!
主催者のぼくのスキー板が2枚はずれ、空中に飛ばされて、左肩から墜落。
左肩を骨折してしまった。
Img_3947 左から絆診療所の遠藤先生、管理栄養士の鶴島さん、鎌田、JCFの神谷さん、撮影者は元JCFのジンさん。楽しいスキーだったのだが・・・
諏訪中央病院の整形外科で診てもらうと、
左肩の3か所が骨折。
骨頭部が下へ向いてしまっている。
1か月は固定が必要。
全治3か月という。
4月にはどうしてもイラクの難民キャンプに診療に行かなければいけないので、
早く治さなければならない。
胸も痛み、どうも右胸の肋骨の骨折もありそうだが、気にしていてもしかたない。
主治医からは手術をすすめられたが、できるだけ手術をしない方向で経過を見ていくことにした。
多少、腕が上がりにくくなってもかまわないと思っている。
骨頭部の血液循環が悪くなり、骨頭壊死が起こった場合、手術で人工骨頭を置くことになるが、
そのときはそのときだ。
主治医も、自分流の生き方や年齢を考え、手術をしないのも一つの選択ですねと言ってくれた。
ありがたい言葉だ。

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体が思うように動かせないなかで、
命とか、生きる意味とかいろんなことを考える。
いろいろ考えた末、生きていることが大事という大前提にまた戻る。
「生きている」という前提があってこそ、人生の意味を問える。
左肩を固定しながらだが、できるだけスケジュール通りにやろうと思っているが、
本日14日のテレビ出演はさすがに代わってもらった。
14日夜10時から、NHKBS1「国際報道2015」にはJIM-NET事務局長の佐藤真紀さんに代わってもらった。
年末年始、イラクとヨルダンの難民キャンプを訪ねたときの様子が映る。
番組をぜひご覧ください。
17日は、今のところ、神戸に行く予定。
NHK総合テレビの「阪神・淡路大震災20年」(午前10.05~11.45)に出演する。
震災20年、今も抱えるいろんな問題について語ろうと思っている。
18日は、チョコ募金2015イベント「いのちの花 イラク、福島、シリアをつなぐ朗読と音楽のつどい」にも予定通り出席する。
http://jim-net.org/blog/event/2015/01/post-17.php
満身創痍の鎌田の朗読や講演を、ぜひ聴きに来てください。

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2015年1月13日 (火)

やけ食いは厳禁

2014年7月の科学雑誌「バイオロジカルサイキアトゥリー」に発表されたオハイオ州立大学の研究によると、
ストレスを感じているとき、高脂肪食を食べると代謝が悪くなって太りやすくなるという。
研究結果によると、前日に一つ以上ストレスを感じた女性は、ストレスを感じなかった女性に比べて、7時間後のカロリー消費量が104キロカロリーも少ないことがわかった。
その後、運動したとしても、ストレスがあると消費カロリーが減ることもわかった。
ストレスを感じて高脂肪食を食べた女性は、ストレスを感じない女性に比べて、一年に5キロも太ってしまう可能性があるということである。

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ストレスを感じた後は、体重増加しやすい。
焼き肉、ラーメン、ケーキ、スナック菓子の大量食いなどは止めて、
別の方法でストレス発散すべきである。

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2015年1月12日 (月)

鎌田劇場へようこそ!(193)

「スパイ・レジェンド」

「007ダイ・アナザー・デイ」などのボンド役で知られるピアース・ブロスナン主演。
女優は、やはり「007慰めの報酬」に出ていたオルガ・キュリレンコだ。
オルガ・キュリレンコは、存在感のある女優だが、チェルノブイリ原発事故を描いた「故郷よ」(2011年)という映画の製作総指揮も務めている。
ウクライナ出身の彼女が、ふるさとのためにすばらしい映画を作った。

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「スパイ・レジェンド」は、めちゃくちゃ面白い話だ。
ロシアの次期大統領と目される政治家のスキャンダルを追っていた女スパイ。
彼女の「回収」を命じられたスパイのレジェンドが登場し、闇に挑んでいく。
ロシアのチェチェン進攻はなぜ起きたのか。
油田、金、女・・・悪の限りを尽す政治家の過去が明らかになっていく。
冷戦時代にはこんなことがあったではと思わせるようなストーリーと、見事なアクションに引き込まれる。
最後まで真相は明かされない。
ハラハラ、ドキドキ、ギラギラがいい。

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2015年1月11日 (日)

鎌田實の一日一冊(226)

「ほかならぬ人へ」(白石一文著、祥伝社文庫、669円)

直木賞受賞作の表題作と「かけがえのない人」2編を収録。
男と女の愛は、一筋縄ではいかない。
ベストの相手を探すことだって簡単ではない。
「自信なんて感情に任せてつっ走ってているうちについてくるんじゃないの、ちょうど筋肉みたいに」
主人公の明生は、良家の息子で一人だけ名門大学に入れず、うだつが上がらない。
しかし、弱さのなかに純粋な心を持ち続けている。
そんな主人公がキャバクラで出会ったなずなに一目ぼれし、結婚する。
だが、そのなずなには、真一という忘れられない人がいる。
結局は、なずなは明生を裏切り、真一の元へ。
明生には、東海さんという素敵な職場の先輩が現れるが、彼女は病に倒れる。
好きな人とうまくいかない話が繰り返されていくが、
それでも恋することは素敵だということが伝わってくる。

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ぼくは、「かけがえのない人へ」のほうが好き。
主人公のみはるはエリートで、美男子の婚約者がいる。
しかし、はちゃめちゃな黒木という上司と別れることができない。
黒木は、母親に裏切られ続けてきたが、その母が末期がんとわかると、複雑な思いを抱えながら母の面倒をみる。
なんとも魅力的な男だ。
黒木を忘れることができないみはるは、結婚式の前夜、黒木の元に走るが、すでに黒木はいない。
「かけがえのない人へ」は、
黒木という男のカッコよさが際立っている。
情愛は、他人の人生をひっぱりこみ、ときには傷つける。
だが、傷ついても、傷ついても、人を好きになることは簡単には止められないのだ。
人間て不思議な生き物だ。

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2015年1月10日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(192)

「サン・オブ・ゴッド」

イエス・キリストの誕生から復活までを描いた歴史スペクタクル。
イエスが生まれ、次々と奇跡を起こし、たくさんの弟子たちが集まる。
その力は、やがて、大きなものとなり、時の権力ローマ帝国やユダヤ教の司祭たちから怖れらるようになっていく。
イエスは、同胞のユダヤ人から嫌われている徴税人マタイを許したり、
誨淫の罪を犯したマグダラのマリアを、信者の列に加える。
親鸞の「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」を思い出す。
そんなイエスを民衆は支持し、時の権力者や宗教者は怖れていく。
ついにイエスは磔にされる。

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宗教映画にはあまり興味がないぼくも、引き込まれて見た。
イエスの役をしたディオゴ・モルガドがいい空気を出している。
この男の笑顔や、苦しみに耐える顔を見るだけでも一見の価値はある。

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2015年1月 9日 (金)

鎌田實の一日一冊(225)

「認知症になった私が伝えたいこと」(佐藤雅彦著、大月書店、1728円)

著者の佐藤雅彦さんとは、何度もお会いしてきた。
51歳のとき、若年性のアルツハイマー病と診断された。
症状が現れはじめたのは、46歳ごろから。
ご飯を食べたことが1時間後にはわからない。
糖尿病の薬を注射したかどうかも、わからなくなることもある。
60歳になった今も、工夫しながら一人暮らしをしている。
「最後まで自分らしく自由でいたい」という強い意思がある。
アルツハイマー病になっても、人間がすべて壊れるわけではない。
記銘力障害などは低下するが、感情の営みやそうありたいというその人らしい望みは残されることが多い。
認知症の症状がまだら状に起きてくるなかで、佐藤さんはこう言う。
「認知症になって生活は不便になったけれど、ぼくは不幸せではありません」
名言だ。

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認知症になったらもう終わりと、ぼくたちは勝手に思い込みがちだが、
彼はすでに14年間、認知症とともに生きている。
日常生活に支障をきたし、「できない」「できない」と日記に書いていたときにはつらかったが、
「今日はこれができた」「こんな美しいものを見た」「こんなおいしいものを食べた」と日記をつけるようになってからは、
気持ちが明るくなったという。
この本は、認知症の当事者自身が、認知症とどう付き合えばいいのか教えてくれる貴重な本だが、
ひろく生き方のヒントまで教えてくれているようだ。
いい本だ。
道を開く勇気をもっている佐藤さんのことが、大好きです。

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2015年1月 8日 (木)

長寿の秘訣は、腸内環境?

森永乳業が腸内環境について、インターネットでアンケート調査を行った。
対象は、47都道府県の20~50代の男女各約5800人。
その結果、腸内環境境が最も優秀で「健康腸」は長野県、腸内劣化が最も進んでいるのは、山形県という。
調査は、最近の便の性状・色、生活習慣をもとに点数化した。
たとえば、便の形でもっとも点数が高いのは、バナナ状のもの。
カチカチコロコロの便や、下痢便は点数が低い。
生活習慣では、運動をしているかどうか、食事の時間は不規則か、野菜を食べているか、などが問われる。
長野県と山形県を比べると、野菜や果物を多く摂る、食物繊維の多い食事を心がけている、運動・体操などをしているなどの点で、
長野県のほうがポイントが高かった。

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この調査では、排便の平均回数は週5.4回と出た。
毎日排便がある人は約半数。
排便の平均時間は5分41秒だった。
時間が長くなればなるほど便秘がちということになるが、この傾向は女性より男性、中高年より若い世代のほうが強く見られた。
おもしろいのは、排便の時間やにおいが、家族の仲にも影響するというものだ。
トイレの時間が長くてケンカの原因になると答えた人が多いのは、大阪府。
においがきつくてケンカの原因になるというのは、埼玉県という結果になった。
ちなみに、この2つとも長野県は最下位だ。
腸内環境は、肌の調子だけでなく、全身の調子、食欲、心の安定などにかかわる。
長野県の長寿の秘訣に、腸内環境という新たな要素が加わる、ちょっとおもしろい調査だった。

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2015年1月 7日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(191)

「ジミー、野を駆ける伝説」

ケン・ローチ監督の「天使の分け前」はとてもおもしろい映画だった。
「軽いノリの傑作」とブログや新聞で紹介したが、日本では大ヒットになった。
そのケン・ローチがまたもやいい映画をとった。
ケン・ローチ史上最低の予算という。
舞台は、アイルランド。
一人の男が自由な人間として必死に生きようとする。
そのためにどれほどの勇気や愛、誠実さを発揮したかが描かれる。
もう一度、人生を見つめ直す必要がある、と主人公は訴える。
名もなき英雄の生きる姿がとにかくカッコいい。
時代を超えて心揺さぶるメッセージになっている。

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たくさんの人に見てもらいたい。
がっかりさせない映画だと思う。

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2015年1月 6日 (火)

鎌田實の一日一冊(224)

「ボケてたまるか!62歳記者認知症早期治療実体験ルポ」(山本朋史著、朝日新聞出版、1296円)

62歳の記者である著者が、軽度認知障害と診断された。
俳優の名前が出てこない。
漢字が書けず、ひらがなばかり。
馬券を買い間違えた。
次々とドジが目立ってくる。
ぼくは週刊朝日で2年ほど連載したことがあったが、そのときの担当編集だった。
実は伝説的な記者だと、永六輔さんから聞かされていた。
彼自身は「ドジな記者」と自称しているが、腕利きの記者であることは今も変わりない。

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認知症サミット国際会議で、オープニングのスピーチをした著者。
そのとき、どうもズボンのファスナーが開いていたらしい。
だれも気が付いていないようだったが、著者の冷や汗ぶりが目に浮かぶ。
ぼくも同じような経験があるからだ。
だれだって、齢をとっていけば認知症のボーダーラインのなかに入っていくが、
そんなことは気にしなくていいと、この本は励ましてくれる。

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2015年1月 5日 (月)

いのちの花

チョコ募金の缶に、バラの花をかいてくれた12歳のイマーンさんは、大腸がんで亡くなった。
子どもの大腸がんはないことはないが、本当に珍しい。
遺伝的な大腸がんもあるが、これも珍しいことだ。
推測でしかいないが、劣化ウラン弾が影響しているのではないかと疑いたくなる。
イマーンさんは、渾身の力をこめて、美しいバラの花を絵をかいてくれた。

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本当にすばらしいバラの花だ。
その絵をかいた3か月後に亡くなったが、
自分と同じように病気に苦しむ仲間たちを助けたいという思いは、今も生きている。
できるだけ多くの方に、その思いをチョコ缶に託してお渡ししたいと思っている。
                     ◇
昨年12月、「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)に、チョコ募金のことで出演させてもらった。
月曜だったので、阿川佐和子さんが大竹さんをサポートしていた。
豪華な番組だ。
チョコ募金の見本のチョコを見ていただくと、阿川さんも賛同し協力してくれた。
ありがたいことだ。
チョコ募金のお申込みはこちら↓

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2015年1月 4日 (日)

アルビル救援活動(その4)

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キャンプに沈む夕日

ニブラスという女の子は、6月にユーイング肉腫の診断を受け、ドホークの病院で治療が開始された。
主治医のアブドルラフマン先生の病院では、
白血病の子どもの治療にはどうしても必要な、6-MP、ビンクリスチンが全く手に入らないとのこと。
「1%の力」(河出書房新社)の本の印税で、アルビルで薬を購入して届けた。
その時、ニブラスの容体を聞いた。
腫瘍は非常に小さくなった。うまくいっているという。

ニブラスを元気づけ、感染症予防などを教えるために彼女を訪ねた。

Photo_5 ドホークの病院に抗がん剤を届けた

Photo_6 ユーイング肉腫と闘うニブラスさん(左から2番目)

Photo_7 悪性リンパ腫の子どもも


JIM-NETは難民キャンプの子どもたちに美味しいものを食べさせようと、炊き出しをすることにした。
佐藤事務局長と榎本さんが二人で羊のスープにラーメンの麺を入れて、クルド人に食べてもらおうと考えた。
すると、食堂のおやじさんがスープだけでなく大変安いお金で、サラダや肉料理や豆料理を作って難民キャンプまで運んでくれた。

Photo_8 トラックの荷台で炊き出しの準備


アラブでは食事はゲストが中心。
その後、男性が食べて、その後、子ども、最後にようやく女性が食べる。
その定型を崩して日本流の食事をすることにした。
子どもと女性を中心に車座になって一緒に食事を始めた。
男も女も子どもも外国人も、みんな同じ人間。一緒に食べると一気に仲良くなった。笑顔の少なかったニブラスが美しい笑顔をするようになった。

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車座になって、炊き出しの食事をいただく


ついて来てくれた食堂のおやじさんに、なぜこんなにも親切にしてくれるのと聞いた。
「日本人が遠くからきてクルド人のために支援をしてくれているのだから自分も難民キャンプの子どもたちに美味しいものを食べさせないわけにはいかない」
あたたかさは連鎖するのだ。
肉腫という病気と今闘っているニブラスのために、感染症予防対策のアルコールジェル消毒薬をプレゼントして帰ってきた。

チョコ募金のチョコレートを子どもたちにプレゼントしてきた。
チョコ募金への応援を是非よろしくお願いします。

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2015年1月 3日 (土)

アルビル救援活動(その3)

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アンカワモールキャンプの子どもたち

夜中の飛行機でアンマンからアルビルに移動。
時差で体が慣れていないため、ほとんど眠れなかった。
着くとすぐにアンカワの診療所のナガム先生の家でランチを食べた。
ブドウの葉やトマトの中にご飯をつめてオリーブオイルで作ったドルマがおいしかった。

Photo ナガム先生と、アンカワモールキャンプへ


食事を終えると、ナガム先生の案内で、アンカワモールキャンプへ。
ここは、建設中のショッピングモールを難民キャンプにしている。
コンクリート打ちっぱなしなので、埃と湿気がひどい。
日が射し込まないために寒い。最も体に悪いキャンプだ。
トイレと洗濯場と炊事場が一か所になっている。感染性腸炎が起きたら、集団感染してしまう。
ナガム先生も、呼吸器の患者が多くなっていると心配している。

Photo_2 キャンプ内の生活環境は劣悪だ


部屋の状況を見せてもらいに入った。

3歳の娘が「イスラム国」に誘拐されたという家族がいた。「イスラム国」の司令官に娘を返すよう訴えたが拒否されたという。

42歳のお母さんが70歳くらいの老人に見えた。精神的にも病んでいると言っていた。夫が視力障害者であるため逃げ遅れたことを後悔している。ここでの生活も、目の見えない彼にとってかなり生活しにくそうだ。

343 3歳の娘を誘拐された43歳の母親

このキャンプでも、できるだけ早く生活改善が必要なように思う。
ナガム先生とナガム先生の聖マリア教会診療所を支援する契約を結んだ。
聖マリア教会診療所を支援すれば、当然、この難民キャンプの医療支援にもつながる。
半年間は薬を中心とした支援をしたいと思っている。

ぜひ、お力添えをお願いします。

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2015年1月 2日 (金)

アルビル救援活動(その2)

ヨルダンのアンマンから2時間ほどシリア国境に向かった地域に巨大なザアタリーキャンプができた。シリア内戦に巻き込まれた国外難民が150万人いると言われている。その中でも最も巨大なザアタリーキャンプはピーク時には20万人、現在は10万人が生活をしている。半分はプレハブやコンテナ、半分はテントで生活している。
キャンプには、巨大な商店街ができ、一つの街に近い。

Photo_2 ザアタリーキャンプの商店街

10 10万人の胃袋を満たすのは大変

JIM-NETでは、ここの仮設病院を応援している。特に戦争で傷つき手や足を失った人たちの機能回復訓練を行っている。

ぼくたち3人のスタッフが訪ねると、日本人が提案している女性の機能回復訓練や訪問リハなどに非常に興味を示してくれた。障害があるためリハセンターに通院するのは大変だが、そのための交通手段を応援したり、こちらから訪問することでリハビリの有効度を高めることができる。シリアのドクターや理学療法士たちは、興味をもってくれたようだ。日本で行われている普通の地域リハを持ち込もうとしているが、どうも受け入れられそうだ。

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Photo_3 仮設病院の前に立つ鎌田と、その内部

シリアから脱出した19人の医師が中心となり、10万人を対象に診療を行っていた。その中の外科医バッサームさんから「できるだけ早くシリアに戻りシリア国内で傷ついている人のために命がけで働きたい、シリアに戻ったら薬などの応援をしてもらいたい」という要請があった。
「1%の力」(河出書房新書)をもう少し売って、その印税で彼の夢を応援したいと思っている。
彼とは連絡を密にとることを約束した。

Photo_6 地雷で足を失い、リハビリをしているイサームさんと

34歳の農業をしていたイサームさんはアサド政府軍の地雷を踏んで右足を切断。右手の損傷も酷い。
それでも彼はリハビリをやってその後義足を作り、家族が待っているシリアに帰りたいという。

どんなに危険でもシリアに帰りたい人たちと、アサド政権の圧政と「イスラム国」が暴れている不安定なシリアには二度と戻りたくない人と、それぞれである。
ひげ面のイサームさんは時折笑顔を見せて、「シリアに帰る」と言った。

10万人の難民キャンプを去る時、診療所の責任者から、スタッフ3人に感謝状が渡された。数日後、難民キャンプのニュースには、日本のNGOが支援に来たというニュースが載った。

Photo_5 ヨルダンの可能回復訓練プロジェクトの責任者、JIM-NETの福田さんに、ザアタリーキャンプから感謝状

難民キャンプでは、一つの街の機能を十分に保っている。ルールや治安が守られていて、行政的手腕が発揮されていることがよくわかった。しかし、生活は劣悪、できるだけ早く難民キャンプが不必要になることを祈っている。

 

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2015年1月 1日 (木)

アルビル救援活動(その1)

成田をたってトルコのイスタンブールを経て、20時間かけてアンマンに到着。

翌朝すぐにヨルダン北部の街イルビドの都市難民の家を歩いた。

なんと3人のこどもさんを亡くし、奥さんが左足を切断、たった一人生き残った15歳の娘は左腕の切断という家族に出会った。シリアのダラアという街で政府軍の空爆にあって必死にヨルダンに逃げてきた。

父親は、「アサド大統領は国民を守るための軍隊ではなく、国民の命を奪う軍隊をつくった。」と言った。彼に戦争とは何かと聞いたら「人生のすべてを奪ったものだ。」と答えた。

 

15歳の娘ルカイヤちゃんに君の夢は何かと聞くと「医者になりたい。スウェーデンに行って医学部に入る。」と言った。

勉強しているかと聞くと、にこにこしながら「勉強している。」と答えた。

この家は、絶望の中でたった一つの希望があるとすればルカイヤちゃんが夢を叶えて世界に羽ばたくときだろう。羽ばたいて欲しいと思う。

8歳のターハ君の家を訪ねた。

夫を空爆で失った若いお母さんが一人、鎮痛な表情で僕たちを迎えてくれた。足と手は砲弾によってケロイド状に筋肉や皮膚を奪われていた。腹部にも大きな傷跡があった。今年の4月に空爆を受けたという。



まだ日が浅い。悲しみから癒えていない。お土産に持って行ったケーキを子供たちが見つけて目を輝かせた。本当はお土産を持っていくべきではないと思ったが、とにかくこの家にとって久しぶりの嬉しい出来事だったようだ。こどもたちはて手づかみでケーキを食べだした。にこにこして。

その子供たちに明るい未来がつながることを祈っている。足や手を失った子供たちや若者たちに義足をつくる「希望の足プロジェクト」が開始された。たくさんの人の応援を待っている。



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1. 政府軍の兵士からスナイパーから銃撃、脊椎を打たれ、脊損になったクサイ君(12歳)

 

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2.足を切断したお母さんと左腕を失ったルカイヤちゃん(15歳)

 

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3.空爆を受け体中が傷だらけになり歩行障害と戦っているターハ君(8歳)

 

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あけましておめでとうございます。

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新しい年を、異国で迎えました。
過激派集団「イスラム国」の足音が聞こえてくるアルビルで、
平和がどれほど大切なものかを実感しています。
今年こそ、世界が平和であることを願っています。
子どもたちが当たり前に育つことができ、教育を受けるチャンスがある。
そんな世界になればいいと切に願います。
日本は、格差の指標となるジニ係数が、徐々にアメリカ並に近づいて、格差が大きくなっています。
できるだけ分厚い中間層をつくらなければいけない日本で、新自由主義を展開するアベノミクスは、
たくさんの子どもや女性の貧困をつくりだしました。
雇用の形態を変え、若者たちも、未来が見えなくなっています。
格差をなくし、希望のある、あたたかい日本にするにはどうしたらいいのでしょうか。
ぼく自身は、もっと自由人になりたいと思っています。
言うべきことをきちんと言い、やるべきことをきちんとやる。
空気を読んでばかりいないで、空気をかきまわす勇気を、今年こそ持ちたい。
18歳の夏、父から「自由に生きてよい」と言われました。
66歳になってわが身を振り返ると、本当の自由人になっているとは思えません。
もっと、もっと自由人になって、やるべきことをやる一年にしたいと思っています。
そのための勇気を持ちたいと思います。
今年一年、よろしくお願いいたします。
--イラクの難民キャンプより愛を込めて。

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