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2015年2月 5日 (木)

鎌田實の一日一冊(230)

「物語のおわり」(湊かなえ著、朝日新聞出版社、1512円)
「空の彼方」という終わりのない物語に、主人公たちが自分なりの終わりをつくっていく。
小説家になることを夢見ていた若い女性は、結婚のため、小さな山陰の町を出ることができない。
町を出て、自分の夢に走り出すのか、それとも夢を捨て、安全な道を選ぶのか。

Photo

写真家になるのをあきらめようとする男性。
妊娠がわかった後、がんが見つかる女性。
最後は、それぞれが北海道へ向かって旅をする。
それぞれが、おわりのない物語をもちながら、物語の終わりに向かって、
見事に一つのテーマが収斂していく。
剛腕でねじ伏せられるような説得力をもった作品である。
湊かなえがもっている、腕っぷしの強さを楽しめる傑作である。

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