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2015年2月15日 (日)

鎌田實の一日一冊(234)

「父と息子の大闘病日記」(神足裕司、神足祐太郎著、扶桑社)
重度のくも膜下出血で倒れた作家でコラムニストの神足裕司さん。
奇跡的に助かったが、高次脳機能障害が残った。
突然、声が出ることもあるが、しゃべりたいときにしゃべるのが難しい。
しかし、原稿は書ける。
彼はこんなことを書いている。

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「技と言うのはいつも同じように等しく力を出せるということだ。
ぼくはプロフェッショナルというのは相手になんでも合わせられるということも、一つではないかと思う。
たとえば113文字ちょうどぴったりの文字数の原稿とかね。
ヘルパーさんだって、料理人だって、頼まれる人によってアレンジしてちゃんとこなすのではないかと思う。
あれもできない、これもできないと言っているようではプロとは言えないと思う。
プロはプロらしく仕事をしろということだ。
ぼくは今プロとして仕事ができているかとても心配だ。
お金をもらうのがプロということだけはない。
お金をもらうからには覚悟と質が必要だ」

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ある雑誌で、ぼくは神足さんと対談した。
にこにこ聞いてくれているが、簡単に言葉は出てこない。
それでも、目と目で会話は成り立ったように思う。
数日後、ぼくへの思いやぼくに言いたかったことなどを、原稿に書いてくれた。
生きるスタイルは人それぞれ。
神足裕司は、神足裕司の生き方をしていると思った。

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