« 鎌田實の一日一冊(234) | トップページ | ISのある世界を考える② »

2015年2月16日 (月)

ISのある世界を考える①

過激派組織IS(「イスラム国」)が侵攻していたシリア北部のコバニを、
1月末、クルド人民防衛隊(YPG)が奪還した。
ISは、約1000人の戦死者を出しているもよう。
長い戦いだった。

ぼくがアルビル郊外のダラシャハラン・キャンプを訪ねた1月3日、
コバニから逃げてきた市民から戦争の模様を聞いた。
ISは最新鋭機を持ち、コバニを制圧しかかっているが、
クルド人防衛隊だけでなく、クルド人自治区の治安部隊ペシュメルガが、
アメリカ軍を中心とした有志連合の空爆の支援を受けながら応戦。
いずれ近々、クルドがコバニを制圧するだろうと予想していたが、その通りになった。

このコバニ奪還に、アサド政府軍は何もタッチできていない。
もともとここはシリアのクルド人が住む地域であった。
ペシュメルガは、トルコを通ってコバニに入ったようである。

Fullsizerender1501312

トルコはなかなか難しい存在だ。
シリアのアサドとは仲良くなれない。
さりとてトルコ国内に約1500万人のクルド人がいて、そのクルド人のなかに反トルコ活動をしているクルド労働者党PKKが存在している。

クルドもとても難しい。
約2500万人の民族といわれているが、クルド人自身の国はない。
イラク国内には約600万人いるといわれているが、イラクのクルド人は隙あらば独立したいと思っている。
そのために、治安部隊ペシュメルガの力を大きくしている。
もしかしたら、イラク政府軍よりも強いのではないか。

このペシュメルガは、ISと闘う大きな戦力となっており、
今のところ、ISと闘うことで、イラク政府軍と協力し合っているが、
これが将来まで続くとは限らない。
いつかまた、イラク中央政府とクルドが袂を分かつ時が来るのではないか。

|

« 鎌田實の一日一冊(234) | トップページ | ISのある世界を考える② »

経済・政治・国際」カテゴリの記事