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2015年3月

2015年3月31日 (火)

すごい反響

週プレNEWSの「僕は聴診はでテロとたたかう」という鎌田のインタビューが3/29~、インターネットにアップされた。
これが、Yahooのサイトでも紹介され、一日で23万件のアクセスがあった。
インターネットの力はすごい。
一日で5000件の「いいね!」がついた。
 
ここで紹介された『「イスラム国」よ』(河出書房新社)も売れている。
大きな書店では「イスラム国」関連のコーナーが設けられ、たくさんの関連本が並んでいるが、なかでも群を抜いて売れ始めた。
『1%の力』(河出書房新社)は帯が変わった。
こちらの本も今までの印税を全額寄付しているが、さらに売れれば、緊急支援の費用に充てることができる。
大きな書店では、この2冊が並んで売られるようになった。
どちらかを買ってくれた方が、もう一冊を買ってくれるという人も多いようだ。

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ぼくは、「聴診器でテロとたたかう」と言ったが、
テロとの闘い方には、報道とか、音楽とか、いろいろあると思う。
ぼくの本を買ってくれることも、その一つ。
普通の生活を突然、破壊するテロは絶対に許せない。
これからも、応援をお願いいたします。

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2015年3月30日 (月)

ISのある世界を考える⑯

イエメンで、シーア派のモスクを狙った自爆テロがあり、140人が殺された。
スンニ派過激派組織ISの犯行とみられる。
アルカイダはスンニ派であるが、シーア派を目の敵にせず、イスラムは一つという意識をもっている。
だが、ISはシーア派を認めていない。
そのイエメンでは政変が起きかかっている。
シーア派の一派であるフーシ派が実効支配する地域を拡大し、無政府状態の一歩手前になっている。
一方、リビアでは完全に無政府状態になり、ISがかなりの領域を実効支配しはじめている。
その国境沿いは完全に無政府状態で、国境を超えてチュニジアに入ることもできる。
今回のチュニスの博物館襲撃テロを起こした犯人は、リビアで戦闘訓練を受けていたという。
ぼくが『「イスラム国」よ』(河出書房新社)で言っているとおりになっている。

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ISをたたくのは難しい。
彼らは、「ジハードで死ぬと天国へ行く」とテロをそそのかしている。
死をかけてテロを挑まれると、なかなか勝てない。
テロはどんどん広がってしまう。
対抗できるのは、イスラムしかいないのではないか。
イスラムはイスラムに任せるのがいちばんである。
1997年にエジプトのルクソールで、無差別殺傷テロがあり、日本人10人を含む61人が殺害された。
このときのテロ集団に批判が集まり、その集団は国内から締め出された。
それくらい強く、テロリストの存在を許さないことが大事である。
ぼくたちが拠点を置いているイラクのアルビルでは、クルド自治政府軍がコントロールしているが、クルドは非常に厳しい管理で、テロリストが一人も入らないようにしている。
イスラムの国自身が、テロを許さない空気をつくるべきだと思う。

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2015年3月29日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(197)

「パプーシャの黒い瞳」

ポーランド映画。
奇跡のように美しいモノクロ映像である。
ジプシーの女性詩人を描いている。
「ジプシー」はもともと文字をもたないが、彼女は文字に引かれ、読み書きを覚える。
天才的な才能を発揮し、有名になるが、仲間から「ジプシーの生活を暴いた」などと村八分にされ、傷ついていく。
彼女は結婚していたが、好きな若者ができる。
その若者に書いた詩が評判になり、彼女の生活もこわれていく。

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美しい音楽と映像。
これぞ映画という映画だ。
映画好きにはこたえられない。
4/4から岩波ホールなどで上映。

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2015年3月28日 (土)

日本絵本賞読者賞

第20回日本絵本賞読者賞が発表された。
「ほうれんそうはないています」(ポプラ社)は、3909票で第2位。
1位は4673票をとった「だいおういかのいかたろう」(鈴木出版)だった。

結果はこちら↓
「ほうれんそうはないています」は、放射能に汚染されたほうれんそうの気持ちになってかいたもので、絵本としては異色だ。
重いテーマだが、お母さんと子どもが一緒に読むことで、未来の日本はどうあるべきかを考えてもらいたかった。

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子どもたちが大人になるころは、日本に原発が無くなることを祈っている。
日本だけではなく、アジアの国々にもたくさんの原発がある。
その一つでも事故があれば、福島と同じ苦しみが繰り返される。
何度もそんなことが続けば、地球は壊れてしまうだろう。
長谷川義史さんのすばらしい絵で、すばらしい絵本になった。
まさか、日本絵本賞読者賞の2位になるとは思わなかった。

すでに読んだ方はもう一度。
まだ読んでいない方は、この際、手にとって読んでもらいたい。

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2015年3月27日 (金)

新刊『「イスラム国」よ』

本日、「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)に出演。
28日(土曜)日は、「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」(TBSラジオ)に、
30日(月曜)は、関西方面ナンバーワンの人気を誇る道上洋三さんの番組に出演する。
4/2の木曜日は、「ニュースエブリ」(日本テレビ系)で16.20から「聴診器でテロとたたかう」というテーマで放送。
同日22時からはBSャパンで、『「イスラム国」よ』(河出書房新社)が取り上げられる。
ぜひ、ご視聴ください。
                       ◇
『「イスラム国」よ』に、「「イスラム国」のことは、イスラムの人々に任すのがいちばん」と書いたが、まさにそのような状況になってきている。。
イエメンでは140人を殺害する自爆テロがあった。
「イスラム国」が犯行声明を発表している。
その後、シーア派であるイエメンの反政府武装組織フーシに対して、サウジアラビアを中心にしたスンニ派の湾岸諸国が激しい空爆を加えた。
リビア、イエメン、ボコハラムが過激な活動しているナイジェリア、海賊がのさばっているソマリア・・・。
無政府状態の国が広がっている。

Photo 『「イスラム国」よ』河出書房新社、1080円

なぜ、過激派集団がのさばっているのか、
これからどうなってしまうのか。
日本は何をすべきか。
そんなことを鎌田流に『「イスラム国」よ』に書いた。
この本の印税は、「イスラム国」の迫害に遭っている子どもたちのために使う。
ぜひ、応援してください。

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2015年3月26日 (木)

ISのある世界を考える⑮

イラク政府軍を中心にしたシーア派民兵がイラクのティクリートの奪還作戦を行っている。
が、はじめに要衝ダウルの奪還に成功したものの、その後、こう着状態が続いている。
圧倒的な力の差がないと、ISのゲリラ的な闘いに終止符を打つのは難しい。

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この奪還作戦にはシーア派を中心とする28のグループが参加している。
そのなかには明らかにイランの息のかかった部隊がある。
イランのスレイマニ司令官が奪還作戦の先頭にいるという情報もある。
ティクリートはスンニ派の住民が多い。
イランはシーア派が多いので、この奪還作戦が成功したとき、シーア派がスンニ派住民に危害を加えるようなことがあってはならない。
ISを撃退しても、禍根や憎悪を残すことになれば、平和はやってこない。
寛容と融和が問われている。

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2015年3月25日 (水)

あんしん財団福祉講座のお知らせ

超高齢社会のいま、だれもが他人事ではいられない介護。
介護をするとき、されるときに大事なポイントを鎌田が教えします。

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あんしん財団福祉講座【千葉】
「がんばらない介護でいきいき暮らそう」
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日時 5/27(水)17:30~19:45(開場16:45~)
場所 京葉銀行文化プラザ音楽ホール
    JR「千葉駅」東口徒歩約3分
定員 400名 (1事業所4名まで)
無料
申込締切 5/11(月)(必着・申込多数の 場合は抽選)
主催 一般財団法人 あんしん財団
申し込みはこちら↓
介護に興味のある方、ぜひ、ご参加ください。

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2015年3月24日 (火)

鎌田劇場へようこそ!(197)

「人の望みの喜びよ」

ベルリン国際映画祭で、子どもたちが審査員を務めるジェネレーション部門でスペシャルメンション賞受賞。
新人監督賞もノミネートされている杉田真一の、長編初監督作品。
突然、両親を亡くした12歳の姉と5歳の弟の物語だ。
周りの大人たちは必死に二人を支える。
だが、大人たちもそれぞれ事情を抱えている。
親戚の家に預けられ、かわいがられるが、その家の男の子が二人に対して嫉妬する。
一般にきょうだいでも、親の愛をめぐってお互いに嫉妬心をもちやすい。
ましてや、突然、やってきた親戚の姉弟。
5歳の弟は、両親が死んだことを理解できていない。
姉は、弟への秘密が心の負担になっていく。
姉も切なく、苦しく、悲しい。
やさしいのにうまくいかない、人間と人間の関係が淡々と、うまく描かれている。
とてもいい映画。

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5歳の弟は、両親が亡くなり、親戚に引き取れた自分の境遇をどれだけ理解しているのか。
自分のことを重ね合わせながら、見た。
1歳10か月のとき、ぼくは岩次郎さん夫婦のところにもらわれた。
当時のことは、覚えていない。
覚えていないが、1歳10か月の子どもでも何かわかったはず。
おそらく大きな家に住んでいたぼくが、長屋のような家に引っ越したのは、なぜなんだろう。
今までいたお父さんとお母さんはどこへいったのだろう。
おかしい、おかしいと思いながら、
そのおかしいという思いを、心のなかにためこんでいく。
それでも、子どもだって生き抜こうとする。
3/28ロードショー。

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2015年3月23日 (月)

『「イスラム国」よ』緊急出版

新刊『「イスラム国」よ』(河出書房新社、1080円税込)が、
東京・関東近辺では本日23日、全国では25日に書店に並びます。
「聴診器でテロとたたかう」という副題をつけました。
アラブで10年間、医療支援を続けてきた視点で、過激派組織「イスラム国」と、
今後、日本はなにをすべきかを考えました。
「イスラム国」は、日本に対して「悪夢を始めよう」と恫喝してきましたが、
この恫喝に負けず、しかも本当の平和を築くために、憎しみの連鎖でもなく、暴力の連鎖でもなく、愛の手を差し伸べることが重要です。

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初版3万部の印税300万円と、同額のカマタ個人のお金を日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)に寄付し、イラクの難民支援のために充てます。
大王製紙からすでに400万円の寄付をいただきました。
アナウンサーの村上信夫さんからも100万円の寄付をいただきました。
これらの資金をもとに、4月から移動診療車で難民キャンプを巡回診療するなどの活動をします。
カマタも、4、6、7月と難民キャンプに行き診療をする予定。

人道支援活動に取り組むJCFやJIM-NETを、ぜひ、応援してください。
まずは、この本を買って、平和について考えていただければ幸いです。

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2015年3月22日 (日)

麺ざんまい

全国を回りながら、B級グルメを食べている。
最近はまっているのは、大阪のラーメン四天王の四天王味噌ラーメン。
野菜がめちゃくちゃ多い。
ごま油がほんの少し入って、いい香り。
めんは細く、スープとよく絡む。
ちょっと辛みが利いている。
とてもおいしい。

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東京駅では、野菜たっぷりのタンメン。
小倉では、とんこつラーメンを食べた。

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名古屋に戻ってきて、みそ煮込みうどんとみそ味のおでん。

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我ながら、B級グルメ、好きだなあ。

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2015年3月21日 (土)

鎌田實の一日一冊(235)

「認知の母にキッスされ」(ねじめ正一著、中央公論新社)


詩人でもあるねじめ正一さんが、認知症の母と向きあって書いた小説。
小説だが、実に参考になる本である。
認知症の本には、精神科医や看護師、家族などが書いた本がたくさん出ており、
ぼくも読んできたが、そのなかでも出色の本である。
妄想をもってしまう母みどりさんの言葉が実に生々しい。
心の蓋が取れて、深層心理が見えるようだ。
まじめで一生懸命生きてきたお母さんが、ちょっと粋なおじいちゃんに心が傾いたりして、
とても人間ぽくておもしろい。

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お母さんの言葉で、すごいのがあった。
「マンゲツガアマリウツクシイノデ、セシマショウゾウサンニ、アノマンゲツッテイクラクライスルノデスカトキイタラ、
マンゲツハミンナノモノデスカラ、ネダンハツケラレマセントイウカラ、ワタシハハラガタッテキテ、ソンナコトハワカッテイルノ、
デモイクラナノ? イクラナノ? ッタラ、1000マンエン、トコタエテクレタ」
満月はみんなのものだから、値段はつけられないなんて、なるほどなと思ってしまう。
新鮮な言葉が並び、お母さんは詩人だなと思う。

悲しくて、しんどくて、それでいてちょっとくすっと笑ってしまう。
生きるということは、これでいいのかなと思った。
最後は認知症になっても、抑えられていた蓋が取れて自由になるんだと思えば、怖いものではないなと思った。
ちょっと勉強になる本だった。

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2015年3月20日 (金)

お知らせ

「日経ビジネス」2015年3月16日号の「賢人の警鐘」コーナーに、
鎌田の原稿が載っている。
題して「イスラム同士のみが過激派を緩和できる。日本は人道支援でそれを支えよ」。

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アメリカやヨーロッパ、日本がいくら言っても過激派をコントロールできない。
コントロールできるのは、16億人いるといわれるイスラム教徒たちだ。
彼ら自身が過激派を許さない空気を作り出すことが大事ーー。
そんな話を書いた。
「イスラム過激派集団を解消できるのは、まっとうなイスラムの人たちしかいないと思う」
という一文は、同誌の「今週の名言」にもなっている。

ちなみに、同じ「今週の名言」でおもしろかったのは、
「悔しいね。ハイブリットに関して、トヨタはすごかった」というホンダの伊東社長の言葉。
ぜひ、お読みください。

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2015年3月19日 (木)

鎌田劇場へようこそ!(196)

「ノクターン-夜想曲」(倉本聰作・演出)


倉本聰さんと対談した際、倉本さんは「心の洗濯屋」と自称した。
80歳という年齢を感じさせない。

「ぜひ」とご招待いただき、東京で見る余裕がなかったため、
いわき市で村上信夫さんと一緒に見た。
東京で見る場合と、被災した人と一緒に見る場合など、見方も違ってくるように感じた。
被災地を何度も訪れ、書いては消し、書いては消し、やっとできたという力作。
懐の深い、おもしろい作品だった。
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原発のある世の中にクエスチョンマークをつけている、その哲学が芝居の根底に貫かれている。
なのに、原発に関していろいろな意見がある人が見ても、
それぞれの立場で、もう一度考え直させる。
芝居の大事な場面で、ショパンのノクターンが流れる。
人間の愚かさや悲しさ、つらさが見事に描かれている作品であり、
倉本聰さんらしい、凛とした、すがすがしさを感じる芝居だった。

公演は非常に好評で、チケットはなかなか手に入らないと聞いた。
福島のことを風化させないためにも、日本中で巡演してほしいと思った。

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2015年3月18日 (水)

『いのちの花』 朗読と音楽のつどい 2

2015年1月18日(日)、JIM-NET主催のイベント
『いのちの花』 2015チョコ募金プロジェクト
~イラク、福島、シリアをつなぐ朗読と音楽のつどい~

が千駄ヶ谷区民会館で行われました。(続編)

 

  • 朗読:日高のり子(声優)
  • 絵本:『ほうれんそうはないています』 (鎌田實著 長谷川義史イラスト ポプラ社)
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    2015年3月17日 (火)

    『いのちの花』 朗読と音楽のつどい 1

    2015年1月18日(日)、JIM-NET主催のイベント
    『いのちの花』 2015チョコ募金プロジェクト
    ~イラク、福島、シリアをつなぐ朗読と音楽のつどい~

    が千駄ヶ谷区民会館で行われました。

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    「タッチ」の南ちゃん役で有名な声優の日高のり子さん、
    ヴァイオリニストの川畠成道さん、
    元NHKエグゼクティブアナウンサー村上信夫さんらが、
    ボランティアで出演してくださり、たくさんの方に募金のご協力をして頂きました。

  • バイオリン:川端成道さん
    朗読:鎌田實「ハウラの赤い花-イラクの少女がねがったこと」(文・JIM-NET 佐藤真紀)
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    2015年3月16日 (月)

    ISのある世界を考える⑭

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    アルビルに急速に増えた難民キャンプ。
    モスルから逃れてきた4万人が生活している。
    その難民キャンプの仮設の診療所に、JCFのフラッグが掲げられた。

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    JCFでは、この診療所の薬を毎月約300万円、半年間にわたって支援する計画だ。
    ナガム先生が、会計を丁寧につくって透明性を高め、無駄を省いてくれている。
    ほかの医師や薬剤師たちとの協力態勢も整った。
    運営も、軌道にのりはじめている。
    難民キャンプの人たちの健康を守るために、ぜひとも成功させたい。

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    2015年3月15日 (日)

    総合医の重要性

    沖縄の研修医制度は、日本でも先頭を走るくらい進んでいる。
    研修病院には、日本中の志の高い医学生たちが集まり、初期研修を受けている。
    いま日本の医療を考えるなかで、いかに優秀な総合診療医を育てるかということが重要だとぼくは考えている。
    総合診療医は、鬼に金棒。
    50床くらい小さな病院ならば、総合医が半数くらいいるといい。
    もっと大きな、高度医療をしている病院でも、10%くらいいると医療がやさしくなる。
    たとえば、高齢で心筋梗塞を起こしたが、糖尿病もあり、腎臓も肝臓の機能も悪いという患者さんなどは、
    総合医が主治医になるほうがいい。
    カテーテルの治療のときだけ循環器のドクターに相談したり、
    糖尿病の治療が難しいときだけ糖尿病の専門医にアシストしてもらいながら、全体は総合医が診る。

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    そうすることで、高齢者に多いせん妄やほかの病気を起こすのを防ぐことができ、精神的なサポートもできるようになる。
    優秀な総合診療医は、在宅ケアや緩和医療に興味をもち、なおかつ過剰診療をしない。
    総コレステロールが220を超したからといって、すぐに薬を出したりしない。
    生活指導が丁寧である。
    超高齢社会にも対応しながら、膨れ上がる医療費の抑制にもつながる。
    こうした役割をもつ総合診療医の重要性に、もっと気づくべきだと思う。
    医療界ももっと総合医をリスペクトすべきだし、患者さんも専門医ではないと信用しないというはおかしい。
    沖縄で、総合医を広げて、市民の安心にこたえる会があった。
    以上のような総合医の重要性についてボランティアで講演。
    その後、ゴーヤちゃんぷるとソーキそばを食べて、とんぼ返り。
    でも、満足の沖縄だった。

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    2015年3月14日 (土)

    難民キャンプでの食事

    ヨルダンやイラクの難民キャンプにも、生活がある。

    難民キャンプでは、女性たちが窯でパンを焼いていた。

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    ぼくたちは、まちで食材を買って炊き出しをしたり、
    現地の人に協力してもらって、野菜や魚、豆料理など、おいしいものを食べてもらった。

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    緑のスープは、アラブでよく食べられるモロヘイヤのスープ。

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    ザアタリキャンプへ行くとき、焼きたてのパンを食べるカマタ。

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    2015年3月13日 (金)

    鎌田劇場へようこそ!(195)

    「イミテーション・ゲーム」

    むちゃくちゃおもしろい。
    絶対おすすめ。
    ナチスの最強の暗号機エニグマと、その解読に挑むイギリスの数学者チューリングの実話。
    チューリングは、人間オンチ。
    友だちをつくれない。
    学生時代、たった一人の同性の友だちを愛す。
    が、その彼が亡くなり、傷ついた心をずっと抱えている。
    好きな女性もできるがうまくいかない。
    切ない話である。
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    エニグマの解読は、1400万人の命を救ったといわれる。
    ナチスの邪悪な心に世界が制圧されないですんだのは、この暗号解読の功績のためともいわれる。
    だが、その功績者は、長らく不当な扱いを受けてきた。
    英国王室が彼に謝罪したのは、2013年のことだ。
    なんという人生の切なさ。
    深い感動に襲われると思う。
    3/13ロードショー。

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    2015年3月12日 (木)

    ISのある世界を考える⑬

    世界で750万部のベストセラーとなった「0(ゼロ)ベース思考」(スティーヴン・レヴィット他著、ダイヤモンド社)という本を読んでいる。
    すべてのバイアスをゼロにして考えるという、なかなかおもしろい本だ。

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    たとえば、911のテロ攻撃については、イスラム教社会に聞いた。
    アラブ人が実行したと信じている人は、インドネシアでは20%、パキスタンでは4%という。
    「イスラエル人」や「アメリカ政府」が実行したと考える人も多かった。
    イスラム教徒は、イスラムは悪いことをしないと思い込んでいるようだ。
    しかし、思い込みはイスラム教徒だけではない。
    イラク戦争の大義となった「フセインが大量破壊兵器をもち、アルカイダと結託している」という主張を、
    アメリカ大統領だけだなく多くのアメリカ国民が信じ、911の仕返しをしたいという「愛国精神」に走ってしまった。
    その結果、8年間で8000億ドル、4500人近いアメリカ人が命を落とした。
    イラク人は、それをはるかに上回る10万人が亡くなっている。
    イスラムだけでなくこちら側の世界にも思い込みや偏見があったのは言うまでもない。
    バイアスをゼロにして考えないと、世界はとんでもないことなる。

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    2015年3月11日 (水)

    ISのある世界を考える⑫

    「モスルの地上戦ももうすぐ間近。アメリカ軍が地上戦の準備に入った」という噂が飛び交っている。
    クルドの治安部隊ペシュメルガは、カルクーシュのいくつかのまちを「イスラム国」から奪還しはじめている。
    シーア派を中心にしたイラク政府軍は、モスルの周りの一部地域を奪還したという話も聞く。

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    しかし、いい話だけではない。
    イラク政府軍のシーア派の兵士たちが、スンニ派の住民やクルドの人々にリンチを加えているという話も聞いた。
    クルド治安部隊のペシュメルガは、制圧した地域にイラク政府軍を入れないという。
    クルドの「いずれ独立したい。できるだけ広い領土を自分のものにしたい」という下心だ。
    対「イスラム国」の戦いをしながら、それぞれ思惑を抱えている。
    人間はなかなかやっかいだ。
    非道な暴力を振るうのは「イスラム国」だけではない。
    混乱に乗じて、シーア派やクルドの兵士たちがスンニ派の住民に対して、非道な行いをしないことを祈らないではいられない。
    やられたら、やり返すという報復をやめないかぎり、平和はやってこない。
    「イスラム国」を制圧しながら、どう平和を作り出すか。
    とても難しいが、暴力に対してはできるだけ小さな暴力で、短期間に終わらすことが大事。
    そして、スンニ派にも、シーア派にも、クルドにも、
    同じように戦争で傷ついた人たちに対して平等に手を差し伸べていくことが大事だ。
    日本の役割はそこにある。
    非軍事、人道支援にこだわることが大事だと思う。

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    2015年3月10日 (火)

    お知らせ

    原発20キロゾーンにある小高区のカフェいっぷくやで、
    先日、ラジオ特別番組の収録をした。

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    この放送は、3月11日午後7時~、文化放送で特別番組「いま聴こう!福島の声を2015」として放送する。
    ぜひ、お聴きください。

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    2015年3月 9日 (月)

    JIM-NET動画: ヨルダンでのリハビリ支援

    昨年の暮れ、ヨルダンの都市部の機能回復訓練とザアタリキャンプの機能回復訓練を見て回った。現地のNGOをさらにサポートする形で、JIM-NETが機能回復訓練を行っている。JIM-NETの機能回復訓練は日本の外務省からも支援してもらえることになりました。

    これと平行して、希望の足プロジェクトも行っています。
    義足を作る支援体制も整えていきたいと思っています。

    シリアの内戦で背後から銃弾を受け、脊髄損傷になった少年が、戦争に負けず前向きに生きようとする姿がよく見えます。

    ほんの少しあたたかな手を差し伸べることが大事なのです。

    皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。

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    ガザと釜石で凧揚げ

    パレスチナ自治区ガザでは毎年、日本の支援に感謝し、東日本大震災の被災者を激励するために、凧揚げが行われている。
    今年も8日、ガザで行われた。

    昨年、ガザではイスラエルの武力により、2000人を超す人たちの命が奪われた。
    一般の人の家が多数破壊されている。
    その惨状、悲劇を体験しながら、大震災で被災した日本に「がんばれ」と言ってくれている。
    とてもあたたかい人たちだ。
    アラブ世界は全体的に親日的なのだ。

    これに返礼するように、釜石でも同日、凧揚げが行われた。
    親子連れ100人が参加し、凧に絵を描いて、揚げたという。

    紛争の地と被災の地をつなぐ、希望の凧揚げ。
    子どもたちが当たり前に凧揚げができるよう、平和な日常を守るのは大人の責任だ。

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    2015年3月 8日 (日)

    みそかつとトンテキ

    相変わらず講演に出ると、B級グルメを食べ歩いている。
    名古屋では、矢場とんのみそとんかつの鉄板焼きと、エビフライ。
    みそとんかつ、うまいです。

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    三重県四日市市ではトンテキ。
    にんにくのかたまりが入っている豚のステーキだ。
    キャベツがいっぱいで、玉ねぎとにんにくもたっぷり。
    厚い豚肉に、おいしいたれをしみこませて食べる。

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    みそとんかつも、グローブのようなトンテキも大好き。

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    2015年3月 7日 (土)

    カフェいっぷくや

    絆診療所で講演した後、小高区のカフェいっぷくやを訪ねた。
    小高区は20キロゾーンにあり、家には帰れない。
    その人たちが、立ち寄りやすいカフェで、障害をもつ人たちの就労支援をしているNPO「ほっと悠」が運営している。

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    そこで、村上信夫さんとラジオ特別番組を収録。
    「帰りたくても帰れない」という小高区の人たちの思いや、4年経った今を聞くことができた。
    この模様は、3月11日午後7時~、文化放送で特別番組「いま聴こう!福島の声を2015」として放送される。
    ぜひ、お聴きください。

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    2015年3月 6日 (金)

    絆診療所のお昼ごはん

    南相馬の絆診療所で講演をしてきた。
    仮設住宅で生活する人たちの心と体の健康法について、飛び入り参加の村上信夫さんと1時間、話した。
    その後、みんなでおふるまいの食事。
    メニューは、管理栄養士の鶴島さんとカマタの合作だ。
    まずは、この季節、東北各地で食べられるほっきごはん。
    絆診療所の応援団のおばちゃんたちが、ほっきごはんのおこわを蒸してくれた。

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    高野豆腐の料理は、間にねぎみそをはさみ、ごま油で焼く。
    これがとてもおいしい。

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    粉豆腐はブームになっているが、火付け役はカマタ。
    粉豆腐を使ったさんまのつみれ風。
    また、鶏がらスープに、ごはんをきりたんぽ風にまるめたスープも。

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    いずれも、詳しいレシピは、月刊「日経おとなのOFF」で紹介される予定。
    ぜひ、作ってみてください。

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    2015年3月 5日 (木)

    JIM-NET会議

    イラクのとある場所で、JIM-NET会議が行われた。
    スンニ派も、シーア派も、クルドの人も、クリスチャンもいる。
    みんな子どもの白血病を治すために協力し合っているドクターたちだ。

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    混乱のなかで、白血病の治癒率が下がらないように、バクダッドやバスラなどの病院の支援を続けていく。
    こんな状況になったからこそ、イラクの子どもたちを助け続けたいと思う。

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    2015年3月 4日 (水)

    東北へ行こう!

    南三陸に2日間、ボランティアに入った。
    「がんばらない介護を考える会」の面々が、講演会で集めた25万円を南三陸町に寄付。
    町長に渡してきた。
    南三陸で、介護教室も開いた。
    鎌田と失禁予防ナースで有名な西村ナースら4人で、介護の大切なポイントをおさえながら、
    笑いあり、涙ありの講演会となった。

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    仮設住宅で介護をしているお宅も訪問した。
    ほぼ4年ぶりにお会いできた人もいた。
    震災直後、避難所の仮設医務室を運営していた西沢先生だ。
    久しぶりに会えてうれしかった。
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    当時、南三陸には日本中から医師が救援に集まり、40人くらいが医療活動に当っていた。
    彼の判断がすごいのは、できるだけ早く医師の数を通常の形に戻し、自分たちのペースで、自分たちのやれる医療にすることだった。
    今回の震災で、個々に在宅医療をしている開業医らと仲よくなり、
    その連携のなかで新しい南三陸のスタイルができそうだと言っていた。
    今回お会いして話を聞くと、その言葉通りに、在宅ケアに興味をもって取り組んでいるのがよくわかった。
    南三陸では、在宅ケアを支えている訪問看護師や介護系の人とのチームワークが非常によい。
    ぼくたちの介護教室にも、200人近くの人が集まり、住民と専門家が一緒になってぼくたちの話を聞いてくれた。

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    翌日は介護施設を慰問、
    仮設商店街でお土産を買い、イクラどんを食べた。
    商店街は閑散としているのがとても気になった。

    東日本大震災からもうすぐ4年。
    被災地以外では「もう大丈夫だろう」というムードがあるかもしれないが、
    決してそんなことはない。
    東北各地には、いい温泉、おいしい食べ物がある。
    ぜひ、東北に行ってください。
    東北に行って、それぞれができる範囲でお土産を買ってください。
    東北に行くことが、東北への応援になるはず。

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    2015年3月 3日 (火)

    ISのある世界を考える⑪

    後藤さんが殺害された後、安倍首相が「罪を負わせる」と述べた。
    この言葉を、ニューヨークタイムズでは「平和主義と決別し、殺害の報復を誓う」と解釈した。

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    安倍首相の言葉は重い。
    空爆をしていないのに、している国の仲間にさせられてしまった。
    できるだけ外国へ行くとき、時間や場所を示さないようにしようと思う。
    やっかいなことになった。

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    2015年3月 2日 (月)

    4日は絆診療所へ

    新潟県の三条市に行った。
    ここは東日本大震災直後から多くの南相馬の人たちがお世話になった。
    今も144人の被災者が暮らしている。
    震災直後、ぼくも南相馬の避難所の体育館から、「三条にいる仲間に電話をしてやってほしい」と言われ、電話をかけたことがある。
    カマタと話したいという人たちが次々と電話をとって、ずいぶん多くの人たちに電話がわたりあるいた。
    そのとき話した人のなかに、双葉食堂のおばさんもいて、
    後に仮設商店街で再開した双葉食堂のおばさんと会うことができた。
    いまは南相馬に行くと、双葉食堂のラーメンを食べに行くのが恒例だ。
    3月4日もその予定でいる。

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    4日の午前中、絆診療所で例の講演会を開く。
    今回のお昼ごはんは、ほっきごはんと高野豆腐の料理、粉豆腐を使った新しいメニューを準備し、仮設住宅で暮らす人たちに食べてもらおうと作戦をたてている。
    10時半ごろから開始。お昼を食べがてら、カマタの講演を聞きに来てください。
    お昼は、双葉食堂でラーメンを食べに。
    午後2時からは、福島第一原発20キロ圏内のにある小高区の地区センターにある「ほっとゆう」の村田さんがやっている障害者のカフェで、
    「日曜はがんばらない」の収録。
    これは3/11、文化放送で放送される。
    詳しい時間は、後日お知らせしますので、お楽しみに!

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    2015年3月 1日 (日)

    デミカツにはまりそう

    岡山、広島、出雲と講演した。
    骨折から1か月半。
    まだ肩を三角巾で固定しているが、まったくへこたれていない。
    人生はつまずくもの。
    負けてはいない。
    今回も各地で、B級グルメのおいしいものを食べた。
    岡山では、ラーメンとデミカツのセット(1100円)。
    駅ビルにあるフードコートの麺屋匠(たくみ)というラーメン屋だ。
    このデミカツどんがうまい。

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    デミグラスソースにカレーがちょっと入っているような感じで、
    ソースかつどんと、かつカレーの中間のような感じだ。
    はまりそうだ。

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    翌日は広島でカキフライと焼きカキ、そしてお好み焼き。
    もちろん、お好み焼きは広島の名物のそば入りのお好み焼きで、
    エビとイカが入り、キャベツがたんまり入っている。
    おなかいっぱいになった。

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