絆と生きがい
南三陸へ行ったとき、ある男性に会った。
この男性は、東日本大震災の津波で家を流されたが、
そのとき山のほうのデイサービスに行っていたため、命は助かった。
男性は、車いす生活をしている。
その後の4年間、仮設住宅で暮らしたが、この暮らしが大変だった。
やっとの思いで娘さん夫婦がローンを組み、家を新築することになった。
その家を訪ねていった。
彼は、こう言う。
「仮設での生活はとてもつらかったけれど、いつも心を強くもつように努力した」
「昔の集落の仲間がバラバラになったので、仮設での人間関係を築こうとした。
男は人間関係が不器用な人が多いので、川柳の趣味の会に出ることにした」
もっとも健康寿命に貢献しているのは、就労率が高いことと、生きがいをもつことだった。
また、絆のあるコミュニティーでの生活は、血管がつまる病気を減らすともいわれている。
仮設での生活の課題はたくさんあるが、健康という意味では、生きがいをどう持ち続けるか、絆をどう築くかということがポイントになる。
彼はまさに、この二つを持ち続けたことで、4年間の苦難を乗り越えたように思う。
「仮設愛 つなぎし絆 いつまでも」
彼の川柳だ。
仮設の生活にかぎらず、生きるために大切なヒントが見えてくる。
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