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2015年4月19日 (日)

聴診器でテロと闘う(2)

日本クルド友好協会の会長と食事をし、いろんな話をした。

――なぜ、クルドはいち早く治安をよくしたのか、と尋ねた。
「自分たちはいつも迫害を受けて生きている。
イラク、トルコ、シリア、イランを中心に約5000万人の民がいるが、国家がない。
自分たちはいつか国家をつくりたい。
フセインの時代は、迫害を受け、毒ガス攻撃をされた。
そのため、自分で自分を守るため、自治政府軍を強化してきた。
それが今のペシュメルガである」
――いつか独立する気はあるのか?
「たぶん、あると思う」(ニコリと笑う)

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――モスルへの攻撃は、いつになりそうか?
「たぶん、2か月後」
――クルド自治政府軍も、モスル攻撃に加わるのか?
「もちろん。イラク政府軍よりも、ペシュメルガのほうが強い。
ペュメルガがしっかり働かなけければ、ISを放り出すことはできない」と片目をつぶる。
「クルドが強いのは、クルドにいる人たちみんなを大事するからだ。
イスラム教のスンニ派とシーア派も戦わない。
キリスト教徒も歓迎する。
ヤジディ教徒も大事にしている」

たしかにそうである。
クルド自治区の難民キャンプをまわっていると、ヤジディ教徒の難民に対しても、
キリスト教徒の難民に対しても、それなりの努力をして支援しようとしている。
クルドは柔軟である。
イラク戦争開始のとき、アメリカと協力体制を組んだと批判された。
生き抜くためにはどんなことでもする人たちなのだろう。
しかし、この人たちが本気で平和を考えていることも間違いない。
ISを倒したいと、本気で考えている。
それは、クルド人が大変な迫害を受けているからである。

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