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2015年7月

2015年7月31日 (金)

鎌田劇場へようこそ!(217)

「チャイルド44 森に消えた子供たち」
めちゃくちゃ面白い。
英国作家のトム・ロブ・スミスの同名推理小説の映画化。
日本でも、2009年の「このミステリーがすごい!」で、一位を取っている。
スターリン時代のソ連、政策の失敗からたくさんの孤児が生まれた。
その孤児が怪物になっていく。
スターリンは自らの失敗にもかかわらず、自分の身を守るために徹底的な粛清とスパイ活動を繰り広げる。
そのなかで、9~14歳の男の子たちが森の中で殺されていく。

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主演のトム・ハーディが熱演している。
地方警察の署長役のゲイリー・オールドマンの演技もすばらしい。
製作のリドリー・スコットもすごい。
見て損のない映画だ。

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2015年7月30日 (木)

白血病を乗り越えた少女、来日

JIM-NETはイラクの白血病や小児がんの子どもたちの医療支援を続けてきた。
この夏、白血病を克服した19歳のハウラさんと、JIM-NETのスタッフであり、バスラの小児病院の院内学級のイブラヒム先生が、来日する。
ハウラさんが闘病中、描いた花の絵は絵本『ハウラの赤い花』にも使われている。
今回は、日本の花の絵を、日本の子どもたちと一緒に描き、交流の中でイラクの現実を伝えるイベントに参加する。
ぜひ、ハウラさんとイブラヒム先生に会いに来てください。

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<イベントスケジュール>
8/1(土)東京 ※ハウラさん登壇予定
俳優座特別公演「戦争とは...」子どもに向けて
劇団俳優座5F稽古場 14.0~
料金:一般 2,500円 学生 1,000円 小学生以下 500円(全席自由)
お問い合わせ・お申し込み: 劇団俳優座 03-3470-2888 (代表) [10:30-18:30日・祝除く] 
8/2(日)札幌
イブラヒムさん講演会 ピース・オン・イラク~イラクの声を聞こう
札幌エルプラザ4F大研修室 18.30~20.30
参加費:500円 
主催:イラクからハウラを招く会
Email:haurasapporo@gmail.com 電話: 080-1898-7037(七尾)
※8月1日(土)~3日(月)
同会場4Fフリースペースにて開催 「ハウラとイラクの子どもたち絵画展」
8/9(日)東京
白血病を乗り越えたハウラさんとイブラヒム先生「トークと交流会8.9」
パルシステム生活協同組合東新宿本部2F
13:00~14:00 ワークショップ「赤ベコの絵付け」(対象:小学生)
14:00~16:00 トークセッション「白血病を乗り越えて」 出演:ハウラ・ジャマル/イブラヒム・ムハンマッド/佐藤真紀(JIM-NET事務局長)
参加費:500円
必ず事前予約をお願いします(7/31締め切り):03-6228-0746(JIM-NET)
申込多数の場合は抽選とさせて頂きます。(定員:絵付け15名、講演会100名)
8/11(火)東京
新宿クリエイターズフェスタ2015  子どもアート「中東・アラブフェスティバル」
全労済ホール/スペース・ゼロ
9:30~17:00
※ハウラさんが会場で子どもたちと絵を描きます。


いずれも事前に申し込みが必要です。
詳しくはこちらをご覧ください↓

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2015年7月29日 (水)

ホスピスの空気

80代の目の不自由な患者さんが駒ケ根のほうから転院してきた。
転院するたびに、ひどくなると不満をもっていたようだ。
今回も「遠くの病院に来させられて、姥捨て山みたいに扱われる」と思っていたら、
「今まで経験したことがないほどあたたかな看護を受けて感動しています」と言われた。
痛みも完全に取り除くことができ、とても快適だという。
先週、思いがけずカレーライスを食べることができた。
このカレーは、ホスピスボランティアが作って、食べたい人に食べてもらっているものだ。

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緩和ケア病棟は改築後、5階に移り、ベランダが広くなった。
グリーンボランティアの人たちが育てたラベンダーやタイムがきれいに咲いている。
庭で育ったタイムとラズベリーの実を入れた水は、とてもさわやかにのどを潤してくれる。

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呼吸不全の患者さんも、「ここの看護師さんはとてもよく看てくれる」とにっこり。

緩和ケア病棟は、部長の片岡先生を中心に、腫瘍精神科の大中先生、在宅ホスピスケアの奥先生、化学療法科の若い先生たちが支えている。

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そこに看護師やボランティアたちが何重にも取り囲み、患者さんやご家族を支えている。
諏訪中央病院のホスピスはとてもいい空気が流れている。

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2015年7月28日 (火)

鎌田實の一日一冊(240)

「ファミリー・シークレット」(柳美里著、講談社)
いま柳美里にはまっている。
どれもこれもおもしろいが、この作品は傑出している。
壮絶な人生である。
小さいころから「ばい菌」と呼ばれ、いじめられた。
実の父から暴力も受けた。
「嘘をついた」といって、裸にされて公園に放置されたこともあった。
「パパ死ね」と日記にも書いた。
そして、15年一緒に生活した東由多加から離れた後、好きな人との間に子どもができる。
その男は一緒に育てるつもりはなかった。
末期がんの東が、柳さんと子どもを育てようとする。
その子どもが小学生になり、柳さんは問う。
「なぜ、わたしは愛する我が子を叩くのか」
虐待してしまう自分を、この作品のなかで赤裸々に描いていく。
実話である。

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なぜ虐待してしまうのか。
自分をまな板の上の鯉にしながら、人間の心の奥にあるケモノを見事に描いていく。
避けていた父と26年ぶりに再会。
お互いの記憶を確かめ合うが、暴力について、まるで違うように捕えていたことがわかる。
苦しみのなかで苦しみ、悲しみのなかで苦しんだ柳美里。

柳さんから、本をいただいた。
「鎌田實さま 痛みを悼む」とサインがあった。
「痛みを悼む」とは、彼女の一連の苦しみや悲しみの奥底にあった言葉だと気づいた。

柳さんはうつ病と闘いながら、この作品を最後にこう締めくくる。
「わたしは、わたしを悼んでいる」
熱く、切なく、深い作品である。

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2015年7月27日 (月)

イラクで教えられた戦争という名の地獄

イラク戦争に反対してきた。
戦争によって、イラクはめちゃめちゃになり、いまだにISが暴れている。
クルド人とアラブ人の反目、シーア派とスンニ派の反目がある。
そのイラク戦争に、日本も「人道復興支援活動」という名目で5480人の自衛隊員が派遣された。
そのうちの21人が在職中に自殺していた。
小泉首相は「サマワは安全だ」と、自衛隊を送った。
しかし、安全な戦場などないのである。

1506146fullsizerender 難民キャンプの子どもたち


安保法制の参議院での審議が始まったが、
日本は集団的自衛権を使って、同盟国の後方支援をすることになると、自衛隊員のストレスはもっと大きくなるだろう。
さらに自殺者が増える可能性がある。
アメリカがアフガニスタンとイラク戦争に派遣した兵士のうち、
440万人がPTSDになった。
5人に一人が精神を病んでいることになる。
毎年、アメリカの兵士たちは200人前後が自殺している。
イラクの子どもや若者が傷つくだけでなく、勝った側のアメリカの兵士も傷ついているのだ。
戦争は地獄である。

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2015年7月26日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(216)

「ベル&セバスチャン」
フランス映画。
野獣と言われた犬がいた。
虐待を受けた犬は大きく獰猛であった。
フランスアルプスの小さな村で生活する7歳の孤児セバスチャン。
大人たちから野良犬にかまっちゃいけないと言われながら、少年と犬は心を通わせていく。
第二次世界大戦下、ユダヤ人をフランスからスイスの国境へ逃がすレジスタンスがいた。
ドイツ軍の目を盗んで、あるユダ人家族をスイスまで送り届けようにとするが、案内人が足をけがして案内できない。
この少年が吹雪のなか、ドイツ軍を避けて、氷河のアルプス越えに挑む。

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秋から冬へのアルプスの光景が美しい。
その美しい風景に、そこで暮らす人びとの平和への思い、人間と人間の絆が重なる。
音楽もすばらしい。
50年前、テレビドラマにもなった児童文学を下敷きに、独創的な映画がつくられた。
見逃したくない映画の一つだ。

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2015年7月25日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(215)

「レッドカーペット」
韓国映画。
おもしろくて、ちょっといやらしくて、泣かせる。うまい。
R指定映画のヒットメーカーと言われる監督が、一般映画のシナリオを書き、
いつか映画をつくろうと夢見る。
ひょんなことから、若くきれいな女の子と部屋をシェアすることになる。
いつか女優になったら、あなたの監督する映画に出演すると約束する。
コ・ジュニがかわいい。

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韓国映画お得意のいくつものすれちがいがあり、しかし信じ合い、
互いを思い合い、夢を持ち続けて、ついに映画が完成。
映画祭に招待される。
ドタバタ映画なのに、最後、ウルウルしてしまう。いい映画だ。

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2015年7月24日 (金)

4点セット

7月15日、安保法案が衆議院を通過した。
この日の午前中、衆議院議員会館で小沢一郎議員と対談した。
国会の周囲には、反対を訴えるデモ隊が取り巻いていた。

小沢さんは、安保法案反対。
集団的自衛権だけでなく、個別的自衛権もきちんと枠に入れておかなければ、
戦争が始まる危険性がある、と述べた。
満州事変など第二次世界大戦は、個別的自衛権により日本軍を送り込んだ。

Photo デモで安保法案反対を訴える人たち

福島第一原発の事故があった以上、原発にも反対だという。
エネルギーもほかで代替できる、と詳しい説明をしてくれた。

憲法に合わない法律ができていいのだろうか。
立憲国家とはいえなくなってしまう。
質問中に首相が「早く質問しろ」とヤジったり、沖縄に対して圧力をかけたり、
自民党のあるグループが小林よしのりさんの講演をドタキャンしたり。

秘密保護法を通し、武器の輸出緩和を行い、安保法制を通し、言論統制をする。
戦争をしようとする国がいつも行う4点セットである。
国民は注意しなければいけない。

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2015年7月23日 (木)

お知らせ

今発売中の「女性自身」の人間シリーズで、アルビルの難民キャンプでの支援の様子が7ページにわたり特集されている。
JIM-NETの現地スタッフ榎本さんと、JCFに看護師としてかかわっている国井さん。
この2人の女性の活動を中心に、記者とカメラマンが8日間同行してまとめたレポートだ。
ISに拉致され、無理やり戦闘員と結婚させられた後、逃げてきた少女と、榎本さんが抱き合っている写真は、胸が切なくなる。
日本人の若い女性たちが難民キャンプで活躍している様子がよくわかる。

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感動します。
ぜひ、読んでください。

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ISのある世界を考える(36)

イランと欧米などの6カ国が開いていた核協議で、最終合意が成立した。
イランの核兵器開発計画を完全に止めることができるか微妙であるが、一歩前進である。
話し合いのテーブルにつくことはいい。
イランも、経済制裁が解かれないかぎり発展はないことをわかっている。
選挙により、国民が穏健派の大統領を選出した、こういう国は信じていいと思う。
一方、オバマ大統領はISとの闘いに、イランの協力を模索しているという。
シーア派のイランは、同じシーア派のシリアのアサド政権や、レバノンのヒズボラ、イエメンのシーア派武装勢力などを支援している。
そのイランに、スンニ派のISの掃討の協力を仰ぐとなると、シーア派とスンニ派の憎しみ合いを助長する。
シーア派のイランが、スンニ派のISを叩くという構図はあまりよくない。
ここは宗派を超えて、イランが、暴力集団のISを叩くというのがいちばんすっきりしている。
オバマ大統領はこのへんのデリケートなニュアンスがわかっていないのではないだろうか。

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2015年7月22日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(214)

「アットホーム」
原作は本多孝好の小説。
父は空き巣泥棒、妻は結婚詐欺。
血のつながりのない人たちが家族になる。
三人の子どもはそれぞれ問題を抱えている。
お金持ちのぼんぼんである長男は、弟が大事にされ、本人は立場がない。
長女は性的虐待を受けていた。
末っ子の男の子は鎖につながれ、家に閉じ込められていた。

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そんなある日、詐欺がばれた母が、男につかまってしまう。
母を奪還するために、家族が助け合い、支え合う。
自分を犠牲にしてまで、ほかの家族のことを考える。
いろんな家族があっていい、そんなことを思わせてくれる映画だ。
日本映画は元気だ。

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2015年7月21日 (火)

明日に羽ばたく平和コンサート

まだ残席あります。ぜひご協力ください!

明日に羽ばたく平和コンサート
~指揮者・柳澤寿男と松本&郡山の子供たち~

2015年8月21日18 時半開場 19 時開演 21 時終演
松本市四賀ピナスホール(四賀支所内)にて

協力券:500円 (小中学生は無料・要申込み)

 JCF事務局にて販売受付中(電話予約可)
 参加ご希望の方はJCF事務局までご連絡下さい。
 事務局までお越し頂けない方には、当日窓口でチケットをお渡しします。 
  TEL 0263-46-4218
  FAX 0263-46-6229  
  Emaile asama@jcf.ne.jp

★コンサートプログラム★

・FCT 郡山少年少女合唱団演奏
  「ルージュの伝言」「アヴェヴェルム・コルプス」他

・ミュージックin サークル 「四賀秀麗」合唱
  郡山少年少女合唱団・四賀合唱団・会田中学生有志

・柳澤寿男さん&JCF理事長・鎌田實 平和トーク

・JCFブレーメン音楽隊演奏  
  サン・サーンス 「動物の謝肉祭」

Pdf チラシはここをクリック

20150821戦後70年の節目に平和への思いを再確認する狙いで、この日のために県内外の演奏家約30人が「JCFブレーメン音楽隊」を結成。諏訪郡下諏訪町出身で、現在バルカン室内管弦楽団音楽監督、コソボフィルハーモニー交響楽団首席指揮者の柳沢寿男さんが指揮をとる。郡山市から招くFCT郡山合唱団による合唱披露と地元の四賀合唱団とのコラボも予定。

柳沢寿男×鎌田實 平和対談もあります。

柳澤寿男さんはコソボ紛争により激しい民族対立をしていたセルビア人・アルバニア人・マケドニア人音楽家を楽団員にしたバルカン室内管弦楽団を設立し、歴史的演奏会を実現しました。40年の歴史あるFCT郡山少年少女合唱団を迎えて、「音楽村」を目指す四賀で「平和」の意味を考えたい!

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諏訪看祭のお知らせ

2015年8月2日(日)、諏訪中央病院看護専門学校の学園祭が下記のとおり開催され、鎌田の講演会があります。入場無料です。ぜひお越しください。

Suwakan13●第13回 諏訪看祭
 テーマ「プラス1の心」

 2015年8月2日(日)
 9:00~15:00

※バザーや模擬店、体験ブースやステージ発表など、楽しいイベントが盛りだくさんです。
(スリッパ、下足袋をご持参ください)

●鎌田實(名誉学校長) 講演会 
 「他人(ヒト)のために働くこと」

 2015年8月2日(日)
 13:00~14:304階 講堂にて

続きを読む "諏訪看祭のお知らせ"

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鎌田實の一日一冊(239)

「抱く女」(桐野夏生著、新潮社)
直木賞作家であり、江戸川乱歩賞、泉鏡花賞などたくさんの賞を受賞している桐野の最新作。
1972年9月から12か月にかけての吉祥寺を舞台にした物語。
自由すぎるなかで、どう生きていいかわからなくなっている主人公、おそらく作者自身なのだと思うのだが、
大学の同級生に次々に抱かれても、麻雀をしても、ジャズ喫茶に入り浸っても、どこにも居場所がなかった女性が、
ジャズのドラマーと恋に落ちる。
激しい内ゲバで実の兄が殺される。
そんな状況のなかで、一人の女性の生き直しが始まっていく。
アレン・ギンスバーグやオスカー・ピーターソンが出てきたりする。

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1972年は、ぼくは医学部の4年生だった。
この小説に描かれる、数年前の吉祥寺をよく知っている。
1968年前後、都立西高に通っているとき、吉祥寺や西荻窪がぼくの遊びのホームグラウンドだった。
この本を読みながら、青春時代を思い出した。
家族から離れていく小説である。
人間の自由とは何か、考えさせてくれる。
一人で生まれて、一人で死んでいくことにこだわっているぼくにとっては、自分の人生を考えることができた。
ぼくはこの小説を面白く読んだが、小説そのものがいい出来栄えかというと、そうでもなさそうだ。
本読みの人には物足りないかもしれない。

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2015年7月20日 (月)

鎌田實の一日一冊(238)

「無意味の祝祭」(ミラン・クンデラ著、河出書房新社)
フランスで数十万部突破のベストセラー。
30か国で翻訳されている。
ミラン・クンデラは「存在の耐えられない軽さ」で有名な作家である。
エスプリがよく利いている。
ショーペンハウエルやスターリン、フルシチョフが出てきたりする。
人生に意味なんかない。
人生の本質は無意味で、その無意味を愛さなければならない。
人生はなんでもありと考えていい。
無意味だから、お祭りのように楽しく生きてもいい。
一回だけの人生だから。
今回はおちゃらけたクンデラが肩の力を抜いて、政治や歴史を茶化している。
ちょっと面白い本である。

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クンデラの傑作「存在の耐えられない軽さ」は読んだことがあるが、久しぶりに同名の映画をDVDで見た。
1968年プラハの春。
脳外科医と2人の女性の三角関係を描きながら、自由を叫ぶプラハの春のなかで、
ソ連の戦車軍団がやってきて、彼らの人生が翻弄されていく。
外科医を愛してしまったテレーサのセリフ。
「人生は私にはとても重いのに、あなたはごく軽いのね。私、その軽さに耐えられないの」
ノーベル文学賞を受賞した南米の詩人ネルーダと同じようにクンデラは、愛を語らせるとうまい。

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2015年7月19日 (日)

JCFの放射能測定報告

JCF(日本チェルノブイリ連帯基金)の理事会と総会で、放射能測定の結果について報告があった。
JCFの放射能測定所は、他県の放射能測定所の「こし油に注意」という情報から、
長野県内のこし油を測定。
セシウム137、134を合わせて、65ベクレル/キログラム出ているものもあるが、
大方、不検出か心配ない程度であった。

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福島県では、フキノトウが160ベクレル/キログラム、タケノコが122ベクレル/キログラムと出た。
長野県のタケノコは、5.7ベクレル/キログラム。
長野県のイノシシやシカなどは、測定範囲のなかでは心配なかった。
ただし、キノコは、長野県内でも地域によっては微妙に問題がある。
サクラシメジは187ベクレル/キログラムだった。
また、JCFでは松本市小学校給食の放射能測定をしているが、特に問題はないという報告だった。

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2015年7月18日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(213)

「エレファント・ソング」
監督はシャルル・ビナメ。
主人公マイケルの母は、有名なオペラ歌手。
彼が14歳のとき、目の前で自殺。
彼は死にゆく母の手を取り、母が教えてくれた象の歌を歌い続けた。

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その後、マイケルは精神病院に入院するが、主治医が失踪する。
主人公が殺したのかもしれないと疑われる。
彼は本当の話をする交換条件を出すのだが。
驚愕のラストシーン。
めちゃくちゃ面白い映画だ。

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2015年7月17日 (金)

きんちゃく

パッチワークの手帳カバーやバッグなどを作ってプレゼントしてくれる遠藤由美さんが、
きんちゃくを作ってくれた。
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いつものように、ニコニコ顔の鎌田のイラストが刺繍され、コーヒーやスキーなど、鎌田の好きなものがちりばめられている。

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今、手指が腫れ、疼痛症候群の薬を飲んでいるので、その薬入れに使おうと思う。
ありがとう!

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2015年7月16日 (木)

痛みの正体

左肩の骨折はだいぶよくなってきた。
動きもかなり改善し、腕が130度まで上がるようになった。
ゴールは160度まで上がることだ。
だが、骨折とは直接関係ない左手の指に、痛みが起こった。
当初、腱鞘炎かと思っていたが、実は違った。
肩の治癒が遅れたため、いつも痛みを抱えていたが、
その痛みが交感神経を刺激し、血管の攣縮で血行障害が起き、指が腫れ、腱に炎症が起き、指がまったく曲がらない状態になっていた。
コンプレックス・リージョナル・ペイン・シンドローム(CRPS、複合性局所疼痛症候群)だ。
このやっかいな痛みを治すため、銀座にある中国鍼に通ったり、諏訪中央病院のリハビリで温熱療法や電気療法を受けている。
写真は、電気療法で血行をよくするために通電をしているところだ。

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薬として、プレドニンというステロイド薬を6錠、うつ病の人などが飲むトリプタノールを使っている。
副交感神経を刺激するので、何となく頭がぼわっとして眠くなる。
電車に乗ってついウトウト。
変な夢を見て寝言を言いかけては、目が覚める。
トリプタノールは口が渇き、不快な感じする。
だが、治療のおかげで指の動きもだいぶよくなってきた。
諏訪中央病院のリハビリ科ではあと3か月くらいかかるといわれているが、内科と整形外科で納得できる説明を受け、治療も順調に進んでいる。
もうすぐ全快の報告ができると思う。

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2015年7月15日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(212)

「アリスのままで」
ジュリアン・ムーア主演。
アカデミー賞をはじめゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞、世界三大映画祭の主演女優賞を総なめにした。
言語学の教授をしているアリスが、50歳で若年性アルツハイマー病と診断される。
しかも、家族性のものだとわかり、家族に動揺が走る。
避けられない運命と闘う主人公を、ジュリアン・ムーアが感動的に演じる。
自分の家のトイレがわからなくなる。
自分の娘がわからなくなる。
家族の葛藤が見事な形で描かれていく。

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監督のリチャード・グラッツァーは、難病のALS。
指示することも話すことも難しい。
この映画を完成させた後、今年3月に亡くなった。
いま日本には認知症患者が460万人、予備軍は400万人いるといわれる。
そうした時代のなかで、この映画は人生とは何か、生きるということはどういうことか、考えさせてくれる。

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2015年7月14日 (火)

新宿駆け込み餃子

新宿歌舞伎町に新宿駆け込み餃子という店がこの春、オープンした。
以前コマ劇場があったところで、今はゴジラがのっているビルから10mほどのところにある。

Photo 玄さんと鎌田

新宿駆け込み餃子をオープンしたのは、玄秀盛(げん ひでもり)さん。
玄さんは駆け込み寺のような相談事業をして、たくさんの人を救ってきた。
自身も4人の父母がいて、DVを受けた。
一時は建設会社を作りお金儲けもした。
しかし、会社がつぶれると同時に、白血病になる因子をもっていることがわかり、
「余命」ではなく「与命」であることを自覚して、困った人を助けようと思ったという。
たくさんの人が玄さんを応援した。

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玄さんが取り組むのは、出所者やひきこもり・ニートなどの人生再チャレンジを支援すること。
犯罪者の46%が再犯といわれている。
刑務所に入った人の仕事探しは大変だが、仕事が見つかれば再犯率が低いこともわかってきた。
まっとうな仕事があれば社会復帰できると思い、この歌舞伎町で始めたのが居酒屋の新宿駆け込み餃子だ。
おでんなどいろんな料理があるが、とてもおいしい。
特に餃子は焼き餃子も水餃子も抜群にうまいし、安い。
店の雰囲気も、感じがいい。
元気で、あいさつがしっかりしている。
気合を込めて、あたたかな仕事をしているのが伝わってくる。
10人のうち2人が出所者、1人はニートというが、どの人がどうなのかはわからない。
みんな同じように一生懸命働いているからだ。

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Photo_2 おいしい餃子が人気

このあたりは怖い歌舞伎町ではない。
健康的な場所になり、そのなかでも最も健康的な新宿駆け込み餃子がある。
ぜひ、いっぱい飲みながら餃子を食べに行ってみてほしい。

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2015年7月13日 (月)

鎌田劇場へようこそ!(211)

「あん」
監督は、世界的評価の高い河瀬直美。
原作はドリアン助川。
日本、フランス、ドイツの合作映画。
小さな町の片隅にあるどら焼き屋で起こる物語である。
ある日、樹木希林扮するあんこづくりの名人の徳江が、このどら焼き屋に職探しにやってくる。

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とても静かないい映画。
あんこづくりがなんともほほえましい。
あんこづくりを通して、自分たちの周りにある壁をじわじわと乗り越えようとする人もいれば、体当たりして突破しようとする人もいる。
人間は自由であるはずなのに、それほど自由ではない。
それでもあきらめずに自由に向かっていくそれぞれの「もがき」を、河瀬監督が見事に描いていく。
樹木希林の演技がすごい。
それを見るだけでもうれしくなる。
出演は、樹木希林の孫の内田伽羅、市原悦子、永瀬正敏、浅田美代子ほか。
しみじみと、人間てすごいなと思わせてくれるいい映画だ。

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2015年7月12日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(210)

「ベルファスト71」

1972年の血の日曜日事件が起こるが、映画はその直前の北アイルランドの政治的風景が描かれている。
政治に宗教がからみ、カトリックを母体にした過激派IRAと、
イギリス政府とつながったプロテスタントが住民同士、血なまぐさいテロの応酬を繰り返していた。
戦争映画はあまり好きではないが、なかなかおもしろく出来上がっている。
若い英国兵士が、民衆が暴徒化した北アイルランドのベルファストに一人残され、脱出を試みるというサバイバルスリラーだ。

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今、イスラム教のスンニ派とシーア派が闘っている現状を見て、困ったものだと思っていたが、かつてはカトリックとプロスタントも熾烈な戦いをしていた。
宗教は「絶対」をうたいはじめる。
後に引けなくなるのだろう。
少しずつ妥協し合うということができなくなってしまう。
しかし、これだけ熾烈な戦いをした北アイルランドも今、穏やかになったということは、
スンニ派とシーア派も将来は理解し合い、共存できる日が来るのではないか。
そう信じたい、というのが、ぼくのこの映画の感想だ。

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2015年7月11日 (土)

ほろ酔い勉強会

「健康な地域づくり」というテーマで、在宅ケアを精力的に行っている奥先生と鎌田が今年度のほろ酔い勉強会のスタートを切った。
健康で長生きするには、自分だけがいいと思わずに、全体の健康度を上げることが大事だ。
長野県はまさにその地域力で健康日本一になった。

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古い食文化を守ろうとしたことも大きい。
寒天やエゴマ、くるみ、高野豆腐や粉豆腐など、古い食文化を取り入れ、
その上で減塩運動や野菜摂取量を増やしたことで一気に長寿王国になった。
在宅ケアも、施設は上手に使うが、できるだけ自宅や地域で過ごす時間を長くしながら、
家族の介護負担を軽くするようサポートするシステムをつくってきた。

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諏訪中央病院に併設されている介護老人保健施設やすらぎの丘は在宅復帰率がショートステイを入れると90%近くなる。
日本でもダントツに高い在宅復帰率だ。
これは地域の人たちが在宅ケアの大事さをわかっているからだ。
そして、介護する家族を見放さず、サポートしつづける信頼のシステムあっての結果だと思う。

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2015年7月10日 (金)

読みきかせ絵本

親子読書地域文庫全国連絡会が編集する「親地連がすすめる読みきかせ絵本250 高学年向」に、「白い街あったかい雪」「ほうれんそうはないています」(ともにポプラ社)が選ばれた。

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ここ数年は科学やノンフィクション絵本に力作が多いのに比べ、
高学年に読みきかせしたくなる物語絵本が少なめで選定に苦労しました、とあとがきに書かれている。
絵本は、幼児から大人までいくつになっても楽しめる。
ぜひ、鎌田の絵本、手にとってみてください。

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2015年7月 9日 (木)

ホスピスで焼き肉会

諏訪中央病院の緩和ケア病棟は増床し、新たに畳の部屋ができたり、ベランダが広くなった。
おしゃべりしながらお茶を飲んだり、夜お酒が好きな人がいるときは飲み会になったりする。そんな病院らしからぬ場が広がった。
7、8年前から焼き肉会もしている。

1507013fullsizerender ホスピスのベランダで肉を焼く

きっかけは、若い乳がんの患者さんの「たまには焼き肉が食べたい」という言葉だった。

この言葉を聞いた看護師はすぐに栄養課と相談。
ベランダで火をおこして、肉を焼いて食べてもらおうと盛り上がった。
その患者さんはやさしい人で、自分だけで食べるのは申し訳ないということで、
患者さんや家族と一緒に焼き肉を食べた。
これが好評で、毎年のように焼き肉かいが開かれるようになったのだ。

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1507012fullsizerender 諏訪中央病院ホスピス恒例の焼き肉会

今年の焼き肉会も、焼き肉や焼きそば、旬のトウモロコシ、地元のトマト、レタスなどおいしいものが山盛り並んだ。
ボランティアや非番の看護師も出てき、調理師まで地下から上がってきて応援してくれた。
諏訪のKさんは
「やっぱり諏訪中央病院はすごいな、こんなことまで患者さんにしてくれるのか」と驚き、
「泣きそうになるくらいうれしかった」と話した。

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2015年7月 8日 (水)

リカア先生の論文

イラクから信州大学に来ているリカア先生は、遺伝子研究を続けている。
今回はリンパ芽球性白血病RASの遺伝子の変異について研究し、
論文が採用された。
イラクには白血病の子どもが多い。
遺伝子の変異によって起きている可能性があり、その原因として劣化ウラン弾が怪しいと考えている。
白血病と劣化ウラン弾の因果関係はまだわからないが、変異遺伝子がわかったことは一歩前進だ。

1506273fullsizerender 先日見た東京での夕焼け

以下は、リカア先生からのメールです。


Dear All Our paper entitled {Analysis of KRAS and NRAS gene mutations in Arab Asianchildren with acute leukemia: high frequency of RAS mutations in acutelymphoblastic leukemia} was accepted today... Congratulations

Thank you for all of you for your contribution.

Sincerely,
Lika'a Fasih Yaqoub Al-KzayerConsultant Pediatric Oncologist, MD, PhDResearcher in Shinshu University, School of Medicine,Matsumoto, Nagano, JapanMobile in Japan

皆さま

論文「アラブアジアの急性白血病児のKras/Nras遺伝子変異の解析 ― 高頻度に起こる急性リンパ芽球性白血病におけるRAS変異」は本日受理されました。
おめでとうございます。ご貢献ありがとうございました。

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2015年7月 7日 (火)

鎌田劇場へようこそ!(209)

「チャップリンからの贈りもの」
喜劇王チャップリンの死去から2か月経ったころ、墓が荒らされ、
遺体の身代金を要求する事件が起きた。
実話である。
チャップリンの妻は「夫は天国と私の心のなかにいます」と身代金の支払いを拒否した。
犯人から27回の電話があったが、女優である娘が悲嘆にくれる見事な演技で会話を引き伸ばし、
逆探知に成功したというから、ドジな話である。

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犯人は失業中のポーランド人の自動車修理工と、東欧からの亡命者。
遺体を隠すために、ジュネーブの郊外の麦畑に埋めた。
静かな場所を選んだことに、チャップリンの妻は感謝したという。
なんともおうようで素敵だ。
チャップリンの家族がこの映画に協力しているみたいだ。
ところどころでサイレント映画のように、会話が聞こえなかったりする。
犯人の一人がサーカスのサルをつれて、道化となるところは、
まるでチャップリンの映画をみているようだ。
ドジな2人の犯人にどんでん返しがある。
これがいい。
どんなどんでん返しかは言わない。
音楽がいい。
「シェルブールの雨傘」の巨匠ミッシェル・ルグランが担当。
「ライムライト」のテーマ曲をアレンジした素敵な音楽が流れてくる。
心あたたかくなる映画。ぜひ、ご覧ください。

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2015年7月 6日 (月)

夢はサッカー選手

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14歳の少年マージッド君は骨肉腫の手術で左腕を切断した。
その手術が終わった直後、ISがシンジャール地方を攻撃。
マージッド君の家や学校が奪われた。
傷も癒えないうちに、シンジャールからアルビル郊外の難民キャンプに逃げてきた。
4月にぼくが訪ねたとき、マージッド君はこう言った。
「ぼくは幸せじゃない。
家もなくなった。ISに学校も壊された。
病気がぼくの左腕を持っていった」
気分を変えたくて、ぼくは「君の夢は何?」と尋ねた。
「サッカー」
そう答えるマージッド君とサッカーボールを蹴り、パスをした。

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6月、再び彼がいる難民キャンプを訪ねた。
マージッド君の父親から、胸の写真を見てくれといわれて驚いた。
両肺に転移がある。
厳しい状態だ。
骨肉腫は化学療法が効く場合があるので、何とか効いてほしい。

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6月に九州から参加してくれた看護師の飯干さんが、マージッド君を何とか励まそうと、
Jリーグの得点王・大久保選手や海外で活躍する香川選手にサインをしてもらった。

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そして、先日はイラクの人気ナンバーワン・ストライカーであるユーニス・マフムード選手に会えることになった。
マフムード選手が、マージッド君の病院を訪ねたのだ。
憧れのマフムード選手を前に、緊張するマージッド君(いちばん上の写真をみてください)。

子どもたちにとって、夢は大切。
厳しい状況のなかで生きるために、何とか夢をもたせたいと思っている。

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2015年7月 5日 (日)

エゴマ豚のカレー

毎年、被災地の高校で「命の授業」をしている。
昨年は岩手の高校を、今年は福島、宮城の高校を訪ねる。
先日、福島の2つの高校で講演をしてきた。
そのとき、福島の駅前のカジュアルなフレンチレストランで食事。
何から何までおいしかったが、最後の締めでカレーが出てきたのには驚いた。
ごろっと入っているのは、ジャガイモとエゴマ豚だ。

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エゴマと言えば、今、オメガ3といういい油でブームになっている。
そのエゴマの葉を食べさせた豚という。
科学的に証明されているわけでもないし、ただのイメージだが、何となく体によさそうな気がしないでもない。

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2015年7月 4日 (土)

心を育てる

佐世保に行ってきた。
お昼ごはんは佐世保バーガーという巨大なバーガーと、
B級グルメが有名なレモンステーキ。
なかなかおいしい。

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            ◇
佐世保では6月を「いのちを見つめる強調月間」とし、
心の教育の充実やコミュニケーション能力の向上、
子どもの居場所づくりを三本柱に活動してきた。
佐世保では、11年前、小学生が小学生を殺害する事件、昨年には高校生が同級生を殺害する事件などが起こり、教育関係者をはじめ地域に大きな衝撃を与えた。
どうしたら、子どもの心を育ることができるか。
命を大切にできるか。
学校、家庭、地域が連携しながら命の集会など、語り合いの場をつくったり、
心の教育を続けてきたようである。
1500人を超える人たちの前で、ぼくはこんな話をした。
自由が大事。だが、一生かけても本当の自由は得られるかわからない。
でも、一人ひとりが本当は自由なのだ。
ときには心のなかの獣が暴れることもある。
関係づくりが上手でにできない子もいる。
そうした子どもたちが、自分の個性を自由に発揮できる学校や地域になってほしい。
子どもの心を育てようと思ったら、まず大人が自分の心や命に向き合ってみることが大事だと思う。

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2015年7月 3日 (金)

また薬でインチキが

製薬会社のインチキが続いている。
今回、実際の効果以上の誇大広告で問題になったのは、武田薬品の高血圧の薬ブロプレス。
京都大学などの研究チームが他社の薬と比べて、脳卒中などの発症抑制効果に有意差はなかったのに、
データの曲線をずらして、「ゴールデンクロス」などとかっこいい表現を用い、
いかにも脳卒中の発症抑制効果が高いように見せた。
とんでもないことだ。

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同じようなことが以前もあった。
ノバルティスのディオバンという薬である。
この薬も血圧を下げるだけでなく、「脳卒中を減らす」などの臨床データを改ざんしていた。
武田薬品は今回のブロプレスを売るために、大学に30億円以上の寄付金をはらっている。
もう少し企業は志をもつべきではないか。
製薬企業は研究データや副作用情報の透明化を習慣づけなけばいけない。
企業が守れないなら、厳しい罰則強化が必要だと思う。

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2015年7月 2日 (木)

あたたかな会社

鎌倉投信という投資信託会社から頼まれて、「自分にもできる少しだけの貢献」というテーマで講演をした。
この会社は、2012年に出した『ニッポンを幸せにする会社』(集英社)で取材し、ぼくと同じ名前の鎌田社長と対談した。
2年前に訪ねたときには、株は1万円だったが、現在は1万7000円。
預かるお金は10億円で、100億を目標にしていると言っていたが、現在は160億円になった。
著しい成長を遂げている。

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ぼくがこの会社に興味をもったのは、独自の基準で選んだ「いい会社」に投資しているからだ。
その独自の基準というのが、もうけだけでなく社会的貢献をしている、スタッフにやさしいといった、
どこかにあたたかな理念をもっている会社ということである。
「いい会社」を応援しながら、自分たちも利益を得る。
とてもおもしろいと思った。

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『ニッポンを幸せにする会社』には、そんなあたたかな会社がいくつも載っている。
まだ読んでいない方は、ぜひ、お読みください。

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2015年7月 1日 (水)

ISのある世界を考える(35)

アフガニスタンを中心とした過激派タリバンがISに警告している。
「アフガンの聖戦は、一つの旗印の下に戦わなければならない」
一方、ボコハラムが無政府状態に陥らせているナイジェリアの隣国チャドでもテロがあった。
ISが抑えていたシリア北部のテルアピヤドは、クルド人組織が制圧した。
ここはトルコと接している場所。
トルコ人はシリアのアサドもやっつけたいが、クルド人が強くなることも異常に嫌っている。
少し離れたコバニも、クルドがISから奪還した。
クルドが実に強い。

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イラクのティクリートは、イラク政府軍とクルド軍、トーア派民兵で協力してISから奪還した。
しかし、ラマディが再びISに取られたとき、イラク軍は戦わずして逃げたといわれる。
このイラク政府軍に影響力をもっているといわれている前首相のマリキが、
権力を奪われた腹いせに、イラクを混乱させるために戦わず逃げるように仕向けたという噂もある。
戦うときに、宗教宗派、民族を超えたチームワークがないと、ISを放逐することは難しい。

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