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2015年8月17日 (月)

鎌田實の一日一冊(242)

「アウシュヴィッツを志願した男 ポーランド軍大尉、ヴィクトル・ピレツキは三度死ぬ」(小林公二著、講談社)
こんな男がいたなんて信じられない。
ポーランド軍大尉であったピレツキはアウシュヴィッツに948日間潜入し、かつ脱走を果たした。
ピレツキは自由であることを誇りとし、社会が自由であることを求め続けた。
ぼくはこのところ、自由についてこだわって考えている。
自分は自由だと思い込んで生きてきたが、決して自由でない自分に気が付いた。
ピレツキには自由を求める凄味がある。
ナチスドイツと戦い、その後、母国ポーランドがスターリズムに支配されることに対してレジスタンスをする。
1945年1月、ソ連軍によりアウシュヴィッツは解放されたが、その後はスターリズムと戦わなければならなかったのだ。

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パラダイスのような自由な社会というのが常にあるわけではない。
ぼくたちは生涯かけて、自由に挑戦している。
常に自由な人間として生まれを変わっていくことが、生きるということなのではないかと、この本を読んで思った。

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