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2015年8月21日 (金)

鎌田實の一日一冊(245)

「大石芳野写真集 戦争は終わっても終わらない」(藤原書店)
70年経っても戦争は終わっていない。
傷跡がたくさん残っている。
日本の戦争が残した傷跡と、苦しみながら不屈に生きる人々の姿を写真集にした。
この写真集を、安倍首相に見てもらいたい。

Photo

安倍首相の戦後70年談話はなんともはっきりしない談話であった。
こんなものならば、出さないほうがよかった。
多くの憲法学者が「違憲」とする安保法案だが、衆院、参院ともに絶対多数をもつために押し切ろうとする安倍政権。
支持率がどんどん下がり、多くの国民が納得していない。
談話には、「侵略」や「植民地支配」「反省」「お詫び」などの言葉を入れたが、
肉体化した言葉ではないために、上滑りしている。
四方に気配りし、空気を読んだ結果、何が言いたいのかわからない。
こんな談話を発表するなら、初めから威勢のいいことを言うべきではなかった。
安倍さんの平和への哲学は簡単に揺れ、転ぶことがよくわかった。
もともと安倍さんには平和への哲学なんてないのかもしれない。
なんとか、「戦争をしない国」を続けたいものである。

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