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2015年8月29日 (土)

鎌田實の一日一冊(247)

「がんとの賢い闘い方 「近藤誠理論」徹底批判」(大場大著、新潮新書)
「放置がベスト、抗がん剤は毒、検診はムダ、全部、大嘘です」という挑発的な帯がついている。
著者は、帝国ホテルのなかに、東京オンコロジークリニックを開設した外科医で腫瘍内科医。
近藤誠さんに、おもしろい視点でいちゃもんをつけている。
非常におもしろい本である。

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近藤氏の考え方は、今までの日本の医療に一撃を与えた。
しかし、患者さんに実際に接するときにはやはり問題がある。
三大治療をがんがんやっていくという、日本の医療の大半を占めていた考え方が○だとすれば、近藤氏の「抗がん剤は毒」というような治療は×の考え方。
その間にあるいろんな形の△を、それぞれの患者さんに合わせて、
患者さんと相談しながら、自己決定できるようにするのが実際の医療だ。
大場先生と近藤先生の対立軸が明確になる本書は、患者さんが自分の△を見つけるときの参考になると思う。

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