原爆と原発
70年前、ぼくたちの国は戦争に負けた。
だが、なぜ戦争を始めたのか、そして、なぜもっと早く終わらせることができなかったのか、
しっかりと総括できていない。
この国のリーダーは、連合国と戦って勝てると思ったことが大きな間違いである。
満州に兵を送り、同時にハワイの真珠湾を攻撃。
そして中国大陸から南アジアへ戦線を広げていった。
短期決戦のつもりが、長期戦になり、泥沼にはまっても、神風が吹くと信じきっていたのである。
圧倒的に負け続け、大空襲で市民が殺され、広島と長崎に原爆を落とされても、
2000万人の国民が特攻すれば、神風が吹き、上陸したアメリカ軍を打ち破ることができるととんでもないことを言うものもいた。
いったん始めた戦争は、なかなかやめることができない。
2011年、ぼくたちの国は福島第一原発事故という大変な経験をした。
いまだに10万人以上が帰れずにいる。
そんなとんでもない事故が起きたのにもかかわらず、また原発が動き出した。
川内原発は、たった一度の避難訓練もなく、再稼働した。
また得意の「原発安全神話」なのだろうか。
日本は原爆被曝国として、原発事故を起こした国として、核不拡散や核軍縮にもっと積極的にリーダーシップをとるべきだ。
なのに、5000発分の原爆をつくるだけの核廃棄物プルトニウムが、処理場所が決まらず、行き場を失っている。
原発が再稼働すれば、核廃棄物はさらに増加していく。
核サイクル事業は、およそ現実的ではなく、成功の見込みがないことがわかっているのに、一度はじめてしまったからなかなかやめられない。
人間は失敗する。
しかし、失敗したら総括して反省し、成功を目指すべきである。
戦後70年、戦争をしない平和な国でいつづけるためにどうしたらいいか、
そして、自然や命を守り、美しい国を子どもや孫に伝えるにはどうしたらいいか。
本気で考えなければいけない。
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