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2015年10月11日 (日)

鎌田實の一日一冊(251)

「Yの木」(辻原登著、文藝春秋)
芥川賞や谷崎潤一郎賞、司馬遼太郎賞など、文学賞を総なめにしている作家。
文学というものがどういうものか、この本を読むとよくわかる。
二人の主人公は自殺するが、自殺を除けば、二人とも文学的生き方ができてない。
そのために文学に恋をし、文学に打ちのめされていく。

Y

谷崎潤一郎や太宰治は、やはり文学をしていたという感じがする。
文学をしながら、文学を書くことができると、きっと幸せなんだろう。
まっとうな社会生活をしながら、文学を書こうとして苦しんでいるたくさんの作家たちの苦しみがわかる本でもある。
文学するということは、死に備えることであり、死を乗り越えることであり、あるいは死を手繰り寄せることだったりする。
この小説は、何のために生きるのか考え続けているぼくには、刺激的であった。

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