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2015年10月25日 (日)

鎌田實の一日一冊(253)

「弱いつながり 検索ワードを探す旅」(東浩紀著、幻冬舎)
ネットは階級を固定する道具。
所属も固定され、その人間関係をより深め、逃げ出せなくするメディアだという。
その関係を断ち切るためには、どうしたらいいか。
1、無責任でもいい。
2、偶然を大事にする。
3、失敗してもいい。
4、ネットは緩く接続しておく
5、ときどきネットを無視する。そのためには旅にでるのがいちばんいい。
6、レスポンスに捕らわれるな。
著書は、友人に捕らわれるな、必要以上に人間関係を大切にするなと言っている。

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チェルノブイリのダークツーリズムにならい、福島のダークツーリズムを提唱している著者は、
毎日新聞で開沼博さんとガチンコの往復書簡をしている。
これが、実におもしろい。
東さんは、移動すること、観光することにこだわっている。
福島県人が福島のダークツーリズムを言いだすならわかりやすいのだが、
福島の人の立場にたってみると、そうでない人にダークだと言われるのはつらいだろうなと思う。
哲学者としておもしろいなと思うのは、
「旅先で新しい情報に出会う必要はありません、出会うべきは新しい欲望なのです」という言葉。
情報はいくらでも複製できるが、時間や欲望は複製できない。
複製不可能なものは旅しかないと語っている。
「強いつながり」のネットという視点もおもしろい。
強いつながりに縛られすぎないことが大切だ。

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