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2015年10月27日 (火)

鎌田實の一日一冊(254)

「服従」(ミシェル・ウエルベック著、河出書房新社)
世界でベストセラーになっている。
2022年フランスにイスラム政権が誕生する、というとんでもない小説なのだ。
大統領選で、極右の国民戦線が穏健イスラム政党と決戦投票になる。
そのとき、中道のUNPや左派の社会党などが穏健イスラム政党を支持し、イスラム教徒が大統領になる。
ヨーロッパの近代知性がよくわかるようになっている。
同時に主人公の40代のデカダン作家ユイスマンスの研究者の教授の人生観や知性が語られ、
根源的に人間を問うていく。

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キーワードは「服従」。
イスラム教がもっている神への服従。
いくつもの「服従」により、服従することの生きやすさが語られていく。
北アフリカや北欧まで徐々にイスラムの色が濃くなっていくなか、
フランス語を話すイスラム圏が大きくなることによって、フランスも強くなっていくという想定外の物語。
とにかく面白い。
一日で読み切った。

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