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2015年10月14日 (水)

少年の夢

イラクのアルビルの難民キャンプにいた14歳のマージッド君が骨肉腫で亡くなった。
骨肉腫で左腕を切断した直後、ISが彼の住む地域を攻撃。
傷が癒えないうちに、難民キャンプに逃げてきた。

1dsc03642_3 アルビルの難民キャンプで、マージッド君と

1月、2月、6月と難民キャンプに行ったが、
6月にマジット君の父親が病院で撮影した胸のレントゲンを見せてくれた。
両肺に転移がみられた。
非常に厳しい状況だった。
少年は、サッカーが大好きだった。
難民キャンプで、ぼくやJIM-NETのスタッフとボールを蹴り合ったりした。
彼はなかなかの技量をもっていた。
その1か月後、スタッフが日本の有名なサッカー選手のサインやユニフォームを届けに行った。
JIM-NETの働きかけで、人気ナンバーワンのイラク代表選手のマフムード選手が、ぼくたちが支援しているナナカリ病院に来てくれ、マージッド君を励ましたりした。
50℃近くなる真夏のイラクを少しでも過ごしやすくするために、
テントでも使える冷房器具を送ったりした。
しかし、マージッド君を助けることはできなかった。
その後、彼の祖父がカラシニコフ銃で命を絶った。
「ぼくはすべてを失った。家もふるさとも学校も失った。そして、病気で腕も失った」
少年の悲しそうな声を忘れることはできない。
サッカーをすること。
少年の夢はもう叶わない。

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