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2015年10月16日 (金)

希望の足プロジェクト②

JIM-NETでは、主にシリア内戦で手や足を失った難民を対象に、義手や義足の提供を行っている。
以下は、ヨルダンの支援責任者、福田さんからのレポート。
多くの難民たちの自立と自由を支援する「希望の足プロジェクト」にぜひ、ご協力をお願いします。

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アイマンさん(35歳)
2015 年3 月、カラムーン山地と呼ばれる地域で、戦車から発砲された砲弾が彼のすぐ近くに着弾、破片が左脚に突き刺さり、
そのままヨルダンの病院に搬送され、左脚くるぶしから下を切断しました。
以前は建設業に携わっていましたが、内戦が激化した3 年ほど前からずっと仕事がない状態が続いていたとの事。
義足ができるまでは松葉杖での生活だったので、
「これから松葉杖を使わずに歩くのがとても楽しみだ」と言います。
モハンマドさん(40歳)
2013 年1 月、戦闘に巻き込まれ負傷した人々を搬送する途中、その車両を砲弾が襲いました。
一緒に乗っていた2 人はその場で亡くなったとの事です。

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その後ヨルダンに搬送され、ヨルダンの病院で足を切断。
約半年後に義足を作成しましたが、大腿部を包むシリコン素材のソケット部分が傷んできたため、部品交換を行いました。
「この義足を自分の本物の足のように思っています。この足で、遠くまで歩いていく事もできるのです」とのこと。
この日も炎天下の中、自宅から義肢製作所まで汗をかきながら歩いてやってきました。
自分の足で歩く事ができる喜びを、日々の生活の中で感じています。
アフマドさん(25歳)
東グータ出身。ベドウイン(遊牧民)として生活する彼は、戦闘を避け、家族と家畜とともにア
ル・ドゥメイル地区へと避難していましたが、避難先で負傷しました。

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野に出て羊の世話をしていた2015 年4 月、彼のすぐ近くに戦車からの砲撃が落ち、彼の右腕と右
足を奪っていきました。
「また歩く事ができるようになるのは素晴らしい事だ。
松葉杖を使わずに歩くのは大きな変化だろう」と言うアフマドさん。
以前、野で家畜の世話をする時にはやかんやグラスなどの“お茶セット”を持ち歩き、火を焚いてお茶を飲みながら羊が草を食むのを眺めていたとのこと。
その「甘い紅茶が恋しい」とのこと。
またそのような平和な日々が戻ってくる事を願います。

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