« 絆診療所が新たなスタート | トップページ | 鎌田劇場へようこそ!(244) »

2015年11月 5日 (木)

鎌田劇場へようこそ!(243)

「FOUJITA」(フジタ)
画家・藤田嗣治の半生を描いた、小栗康平監督の映画がなかなかいい。
特に前半が気に入った。
1920年代のパリ。
ピカソやモディリアーニ、ザッキン、スーチンなど時代を彩る画家たちとモデルたちとの交流が見事に描かれている。

Foujita03

フジタは、キューブやシュールなどにとらわれることなく、自分の絵をつくることが大事だと言う。
時代の流れを読んで波に乗ろうなんて考えいないところがいい。
しかし、売れるためには何でもする。
「フーフー」お調子者と自らを呼び、異国の地で名前を知られることが大事だと考える。
フジタフェスティバルなど、自分が中心になって画家を集めてお祭り騒ぎをする。
しまいには、トップモデルたちに花魁道中をさせたりする。
「スキャンダラスになればなるほど、バカをすればするほど自分に近づく。絵がきれいになる」と述べている。
クレイジーを演じながら、注目される画家になっていくフジタ。

Foujita_01

第二次世界大戦が始まると日本に戻る。
パリでは「開かれたフジタ」が、「閉じられたフジタ」になる。
田舎で、日本軍に協力するような絵を描くのだが、
そのタッチは、ドラクロワなどのヨーロッパのクラシックな絵に近い重厚なものだった。
パリでは、日本的な感覚を上手に表現して認められた。
日本では、その逆だ。
ものすごく頭ののいい人だと思う。
戦争が終わると、軍に協力したことで糾弾される。
彼は日本を脱出。
フランスの国籍を取り、日本国籍を抹消した。
カトリックに帰依して、フランスで亡くなる。

Foujita02

日本という小さな器には収まりきれなかった男。
小栗康平が見事に、フランスのロケと、日本のロケを描き分ける。
オダギリジョーも、フジタを見事に演じている。
物語の真ん中で戦争が起こるが、心や考え方は戦争で中断しない。
藤田嗣治という男が何を考え、絵とどう格闘したか。
5回、結婚している。
自由に生きるということはどうことか。
時代にのみこまれていそうにみえて、実はどこで生きてもフジタはフジタだった気がする。
いろんなこと考えさせてくれる映画だ。

|

« 絆診療所が新たなスタート | トップページ | 鎌田劇場へようこそ!(244) »

映画・テレビ」カテゴリの記事