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2015年11月15日 (日)

鎌田實の一日一冊(257)

「エラい人にはウソがある 論語好きの孔子知らず」
(パオロ・マッツァリーノ著、さくら舎)
孔子は一冊も本を書いていない。
礼祭を教えて宮仕えしようと諸国を歩くが、どこにも雇ってもらえない。
旅をしている間、弟子たちが孔子の話を書きとめたのが「論語」。
著者は、孔子のことをビッグマウスとか、ただのおしゃべりとか、人間臭いダメおじさんといいながら、屁理屈と強がりを並べる孔子に共感している面もある。
非暴力、平和主義者である孔子を認めている。

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福沢諭吉は儒教を否定し、渋沢栄一は論語を高く評価した。
しかし、著者は渋沢の経営者としての能力や政治家としての能力は論語とは関係ない、渋沢は論語を勉強した形跡はないと言う。
人生の後半になって、論語を読み、後付けのように経済活動と儒教をつなげていったにすぎないと。
彼が論語を読んでいたから慈善事業をやったのでなく、もともと会社を成功させ慈善事業をする才能と人柄があったのだともいう。
論語がそれほど人の行動を変えるならば、現在の中国人にも影響を与えていてもいいはすだが、論語や儒教はほとんど影響を与えていないと主張する著者。
とてもアウトローな本だ。

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