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2015年11月

2015年11月30日 (月)

チョコ缶から平和の鐘

秋田の熊谷さんは、「この世から戦争をなくそう」と武器から平和の鐘をつくる運動をしています。
日本では戦争中、お寺の梵鐘などの鉄を国に供出させられました。
熊谷さんの住む秋田でも、多くの寺が鐘を失いました。
今度は、その反対のことをしたいと、武器から鐘をつくり、バグダッドの音楽学校に贈ることにりました。

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戦争がある限り、怨嗟は消えず、ISのような非道集団が現れます。
その連鎖を断ち切りたいという願いをこめて、
JIM-NETでは、チョコ缶から平和の鐘をつくるプロジェクトも開始します。
毎年、子どもたちが美しい絵を描いてくれたチョコ缶は食べた後も、クリップ入れやサプリメント入れ、バッジやペンダントにリメイクするなど、多くの人に大切にされています。
それでも、チョコ缶がたくさんたまってしまったという人は、JIM-NETにお送りください。
問い合わせはこちら。
2016年チョコ募金の電話受付が、明日12/1からスタートします。
すでにたくさんの予約がメールやファクスで入っています。
今年もご協力をお願いいたします。

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2015年11月29日 (日)

風に立つライオン基金

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突然、まさしさんから電話がありました。

「風に立つライオン基金の評議員になってほしい」
「わかりました」

これほどそっけなくはないけれど、簡潔な会話でした。
ぼくが評議員を引き受けたのは、次のような理由がありました。

  1. 困っている人を助けたいというまさしさんの思いは、もう“病気”です。この“難病”につきあうのは、医師としてのぼくの使命だと思いました。
  2. 「風に立つライオン」が好きだからです。チェルノブイリやイラクへ医療支援に行くとき、いつも頭の中にこの曲が響いています。この曲のように、世界中の誰も気づかないところで懸命に支援活動をしている人たちを勇気づけるこの基金に協力したいと思いました。
     
  3. 支援を受ける側の人の気持ちがわかる、小さな運動や組織を応援できるからです。

東日本大震災の後、ぼくが救援に入った地域に、まさしさんは足を運び、避難所の体育館で歌い、コンサートの収益を被災地の小さな団体に寄付してあるいてくれました。

これからはぼくも評議員として、災害の多い日本で幸せに生きていく方法を、一緒に探していきたいと思います。

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続きを読む "風に立つライオン基金"

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2015年11月28日 (土)

野良屋さんのカレンダー

今年も信州薪窯パン野良屋のオリジナル壁掛けカレンダー「Noraya Calender」が発売になりました。くちこみで好評をよび、今年で10年目とのこと。

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野良屋さんは、毎年カレンダーの売上の5%を「アラブの子どもとなかよくする会」に寄付し、2011年からはさらに5%をJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)に寄付してくれています。

カレンダーには、自然あふれる風景の中で気ままに暮らす、犬や猫のスナップショットがたくさん。癒されるデザインです。

カレンダーを通じて、イラクの子どもたちに愛の手を!

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カレンダーの詳しい情報や、お申込み方法などはこちら。

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2015年11月27日 (金)

空爆はテロの種をまくだけ

トルコによるロシア軍機を撃墜は、シリアとの国境付近で起きた。
緊急脱出したパイロットら2人を、付近に住むトルクメン人のシリア反体制武装勢力が射殺したと発表した。
トルクメン人はトルコ系の少数民族。
自分たちの上空を空爆するロシア軍機が憎いのである。
そして、トルコもアサドを守ろうとするロシア軍をおもしろく思っていなかった。
ロシアは、アサドに闘いを挑むものはすべてぶっ潰そうとしている。
そのなかにISも入っているだけである。

5 イラクの難民キャンプで

やられたら、やりかえすという泥沼の状況から抜け出さないと、いまだかつてない世界戦争に発展しかねない。
早くシリアの和平交渉をすべきである。
話し合いができれば、ISのもつ矛盾や今後生き残っていく術がないことがはっきりしていく。
空爆は問題を複雑化し、世界にテロの種をまき散らすだけである。
人類は何度も大きな間違いをしてきた。
アメリカはベトコンに空爆したが、勝てなかった。
ソ連は1979年からアフガン戦争をしかけたが、テロリストを産んだだけで敗北した。
空爆しても、その下に憎しみもった人間が生き残り、世界にテロをしかけてくる。
早く話し合いのテーブルにつくべきだ。

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2015年11月26日 (木)

空爆の下には人間がいる

とんでもないことが起きた。
トルコ軍がロシアの爆撃機を「領空侵犯」で撃墜した。
ロシアはISを叩くといいながら、アサドを守るために反アサドはすべて叩く。
ロシアは、シリアのアサドを応援することで、地中海に安全な軍艦の基地を手に入れることができる。
現在、空軍の基地をシリア内に確保されている。
それに対して、トルコはアサド政権が嫌い。
トルコはISに対して空爆を開始したが、IS以外の反アサド勢力には加担したい。
この立場の違いが、「領空侵犯」という理由で撃墜につなかった。

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プーチンは自国での立場をさらに強めるために、強い姿勢をとる。
そういう男だ。
これからやっかいなことが起こるだろう。
アメリカも、フランスも、アサド政権を許すことはできない。しかもISを叩きたい。
みんな考え方や未来予想図が違っているものの、争うように激しい空爆をはじめた。
しかし、空爆の下には、シリア国民がいることを忘れてはならない。
限定された地域ではあるが、過激派が勢力を確保している国が15もある。
空爆でISを叩いても、そこから逃れた人は15か国の過激派集団に紛れ込み、テロを拡散させていく。
今春、そのことを『「イスラム国」よ』(河出書房新社)に書いた。
いまこそ、この本を読んでもらいたいと思う。
空爆を激しく行えば行うど、世界は絶望に陥っていく。

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2015年11月25日 (水)

性同一性障害

性同一性障害の経産省の職員が、国に約1600万円の損害賠償と処遇改善を求めて提訴した。
戸籍は男性だが、心は女性である職員は、日常、女性の衣服を着、女性として仕事をしている。
問題は、トイレ。
女性のトイレを自由に使えないことで悩み、うつ病になったという。
戸籍の性別を変更する場合は、性別適応手術を受けていることが一つの条件になっている。
今回の経産省の職員は、上司から「性転換手術を受けないなら男に戻るべき」などと言われたそうだが、これはおかしい。

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かつて看護専門学校の校長をしていたとき、性同一性障害(戸籍は男性だが、心は女性)の学生が入ってきた。
彼女は、入学間もなく、クラスメートにカミングアウトした。
つらい気持ちを聞いたことで、理解が生まれた。
それ以来、彼女の「心は女性」という言葉を信じようということになり、
更衣室もトイレも女性用を使うことができた。
看護実習でも理解を得ることができた。
それぞれが前向きに考えていくことで、問題は解決できるはず。
戸籍の性別変更などは法律に明確に規定されるものだが、
職場などの社会生活では、もっとおおらかな対応が必要なのではないか。

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2015年11月24日 (火)

非正規雇用が4割超

非正規社員が初めて4割を超えた。
その3割は、育児などのため短時間のパートで働くらことを選んでいる。
しかし、正社員になりたいのに、非正規雇用で働かざるを得ないという人が多い。
雇用のシステムを見直す必要がある。

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多くの企業は、少しでも人件費を安くしようとするが、
資本主義全体で考えたときに、正規社員が多くなってもらわないと、
安定した消費者が増えず、資本主義がまっとうに機能しにくい。
そういう意味では、企業はつらくても正規の社員を増やし、お金が回転するようにすべきだ。
今のままでは、一部の経営者のみが潤い、
多くの非正規の若者たちが将来設計を立てることすらできない。
ロスジェネ世代が中年からやがて壮年になると、ますます正規雇用の道は狭くなる。
やはり、こんな雇用のシステムはおかしい。

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2015年11月23日 (月)

子育て中の親を襲うがん

国立がん研究センターの発表によると、18歳未満の子どもがいるがん患者は、全国で推計5万6143人。
晩婚化や出産の高齢化によって、子育て中のがん患者も増えている。
同センター中央病院に入院する、18歳未満の子どもがいるがん患者の平均年齢は男性46.6歳、女性43.7歳。
子どもに自分のがんをどう伝えるか、どんな治療を選択するかなど、悩みは大きい。

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若いからだいじょうぶと思わず、早期発見のためにがん検診は受けたほうがいい。
青森県は都道府県別がん死亡率がワースト1だが、がん発生率は他の地域とあまり変わらない。
死亡率が高いのは、進行がんでの発見が多いためといわれている。
現在のがん検診のなかにも、意味があるかどうか議論が分かれる検診もあるが、
自分の健康意識をつくあげていくためにも、きっかけとして健康診断やがん検診を受けておくことが大切だ。
それをきっかけにして、野菜を多く食べる、減塩に気を付けるなどの食生活や、運動習慣を身につけるといった生活習慣を変えられなら、とても意味は大きい。

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2015年11月22日 (日)

空爆では解決しない

フランスで無差別テロがあり、129人が殺された。
許せない行為である。
さらにまた、西アフリカの最貧国のひとつマリで、ホテルが無差別テロの標的となった。
とんでもないことが起きている。
マリのテロは、おそらくアルカイダ系といわれている。
ISと敵対するアルカイダ系が自分たちの存在を誇示するためにやったという見方と、
イエメンやマリと隣接するアルジェリアのアルカイダ系の一部がISと連携する動きをみせたとの見方もある。
マリは、かつてフランスの植民地だった。
フランスは「自由、平等、友愛」を国是にしているが、本当にそうであったかどうか。
「自由、平等、友愛」から疎外された人たちがいるのではないか。
フランス国内には470万人のイスラム教徒がいる。
オランド大統領は、すべての人たちが「自由、平等、友愛」の国になる国づくりをすると宣言したほうが、
治安の回復にいいように思う。

7 イラクの難民キャンプで

フランスでは85%の国民が空爆を支持しだした。
無差別テロを受けたフランス国民が「許せない」と思う気持ちはよくわかる。
しかし、「私と息子は、世界中の軍隊よりも強い」と、妻を亡くしたレリスさんが苦渋の思いで出したメッセージを忘れないようにしたい。
復習のために軍隊を送るという憎しみの連鎖を、レリスさんは決して容認していない。
ISをなくすことはできる。
しかし、空爆ではなくせない。
こんなときだからこそ、一刻も早くシリアの難民キャンプの人たちを助けに行きたい。
人間には「愛の手を差し伸べることができる」ということを、世界に見せていく必要があるのだ。
「戦争だ、戦争だ」と熱くなればなるほど、テロが起きる。
次々に、許せない無差別テロが広がっていくだろう。
世界を平和にするためにはいくつもの選択があるが、空爆は決して賢い選択ではないと思う。

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2015年11月21日 (土)

鎌田實の一日一冊(258)

「息がとまるほど」(唯川恵著、文春文庫)
恋愛小説は今まであまり読むことはなかったが、いつか恋愛小説を書きたいと思い、
意識的に読むようになった。
川端康成の「雪国」「伊豆の踊子」なども読み直している。

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川端康成と比べてみると深さがまるで違うが、
この短編集は、男と女のすれちがいみたいなものが見事に書かれている。

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2015年11月20日 (金)

鎌田劇場へようこそ!(249)

「完全なるチェックメイト」
実在の人物、IQ187のド天才、アメリカのチェスプレーヤー、ボビー・フィッシャーが、世界チャンピオンであるソ連のスパスキーに挑む。
ソ連とアメリカは冷戦時代。
チェスの試合は国をあげての戦いになった。

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ボビー・フィッシャーは少しでも気に入らないことがあると、試合を勝手にキャンセルしたりするクセモノ。
やがて、幻聴が聞こえ、精神を病んでいく。
一戦目で王者スパスキー敗れたフィッシャー。
勝ちたい一心で逆転勝利。
24年間続いたソ連の覇権が、はじめてアメリカに移ることになる。
チェスでアメリカの英雄になったにもかかわらず、フィッシャーはアメリカの言うことを聞かない。
ついにアメリカ政府とケンカして出国。
日本に4年ほどいたこともある。
最後はアイスランドに亡命し、亡くなる。
世界が注目した戦いで、ソ連の王者を打ち破ったのにもかかわらず、フィッシャーの狂気は治まらなかった。
めちゃくちゃおもしろい映画だ。

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2015年11月19日 (木)

教員削減は教育の危機

財務省の諮問会議が公立小中学校の教員の大幅削減を提案した。
民間人が入れた諮問会議で、政府がやりたいことを言わせ、まあまあの着地点を探すというやり方はあまり上品ではない。
少子化に伴い、2024年までの9年間で3万7000人削減ができるとしているが、
文部科学省は5500人の削減を計画しており、まっこうから対立している。

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いま、児童虐待の件数が88931件(2014年の速報値)。
つい最近も、名古屋の中一の子どもがいじめで自殺したのではないかといわれている。
子どもたちの命や未来が守られていないのである。
希望出生率1.8を目指すならば、子どもを安心して育てられ、世界に貢献できるような人間を育てる「教育」を大事にしてほしいと思う。

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2015年11月18日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(248)

「忘れ雪」
新堂冬樹のベストセラーになった恋愛小説の映画化。
韓国からやってきた青年を、いま韓国で最も人気のあるといわれるチャンソンが演じている。
すがすがしく、かっこいい青年である。
季節外れの春の忘れ雪。
その日差しのなかで願いをかけると、夢が叶うという話が映画の骨格になっている。
何度か、忘れ雪が降る。
そのなかで大切な約束が交わされる。

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両親を事故で失った少女が、韓国から来た獣医と恋愛し、そして、大人になったら再会しようと約束。
しかし、二人は擦れ違い、二人を結ぶ糸が見えなくなっていく。
愛し合っているのにすれ違う、美しくもはかない純愛物語だ。
うまくできている映画だが、本当にこんなことが起こるだろうかと、
ついついオジサン的視点で見てしまう。

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2015年11月17日 (火)

感謝

熱海と小田原で手作り展をやっている市民団体から、二十数万円の寄付金をいただきました。
東北の子どもたちを支援する活動に充てさせていただきます。

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このグループは、イラクにも、チェルノブイリにも、東北にも、一年を通じて何度もご支援をいただいています。
しかも、今回はチョコ募金200個もご注文いただきました。
今季のJIM-NETのチョコ募金、第一号です。
ぼくたちの活動は、こういう方たちの思いに支えられています。
感謝です。
                 ◇
下の写真は、手作り展の様子。
手作りのすてきな作品が並んでいます。

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2015年11月16日 (月)

緩和ケア病棟の家族会

緩和ケア病棟の家族会が開かれた。
約50のご家族と医師、看護師、ケースワーカー、ホスピスボランティアら総勢80人が出席し、亡くなられた方をしのんだ。
鎌田の回診をえらく喜んでくれたというご家族の声を聞くと、簡単にはやめられないなと思った。
93歳の女性は脳腫瘍で意識はなかったが、耳が聞こえているような気配があり、家族は「きっと聞こえている」と信じていた。
回診のとき、「きれいな方ですよね」とぼくは声をかけた。
「きっと母は舞い上がって喜んでいたのではないか」とご家族はうれしそうに言う。

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緩和ケア病棟でカラオケを歌ったり、
肺がんなのに、亡くなる直前までたばこを吸い続けていた男性。
最後までやりたいように生きている姿は、残された人たちにも参考になるのではないか。
新しいパートナーとともに、家族会に参加した男性もいた。
奥さんは亡くなったが、奥さんの友だちだった女性とパートナーになった。
数日前まで東京の病院に入院していた方も、この会にはどうしても出たいとやってきた。
「やさしく、よく診てもらった」
「最期までにこにこしていられた」
「いちばんつらいときに助けてもらった」
「よその病院では冷たいことを言われたが、諏訪中央病院では患者の声をよくきいてくれた」
そんな話を聞くとうれしくなった。
「あたたかい医療の基地がある。これは地域の財産だ」
と、言ってくれた人もいる。
ありがたいことである。

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2015年11月15日 (日)

鎌田實の一日一冊(257)

「エラい人にはウソがある 論語好きの孔子知らず」
(パオロ・マッツァリーノ著、さくら舎)
孔子は一冊も本を書いていない。
礼祭を教えて宮仕えしようと諸国を歩くが、どこにも雇ってもらえない。
旅をしている間、弟子たちが孔子の話を書きとめたのが「論語」。
著者は、孔子のことをビッグマウスとか、ただのおしゃべりとか、人間臭いダメおじさんといいながら、屁理屈と強がりを並べる孔子に共感している面もある。
非暴力、平和主義者である孔子を認めている。

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福沢諭吉は儒教を否定し、渋沢栄一は論語を高く評価した。
しかし、著者は渋沢の経営者としての能力や政治家としての能力は論語とは関係ない、渋沢は論語を勉強した形跡はないと言う。
人生の後半になって、論語を読み、後付けのように経済活動と儒教をつなげていったにすぎないと。
彼が論語を読んでいたから慈善事業をやったのでなく、もともと会社を成功させ慈善事業をする才能と人柄があったのだともいう。
論語がそれほど人の行動を変えるならば、現在の中国人にも影響を与えていてもいいはすだが、論語や儒教はほとんど影響を与えていないと主張する著者。
とてもアウトローな本だ。

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2015年11月14日 (土)

1日5000万円

原子力規制委員会は、高速増殖炉もんじゅを管理・運転する能力が日本原子力研究開発機構にはないと断じた。
1995年のナトリウム漏れ事故から20年間、まったく何の役にも立っていない。
もんじゅは、制止したままだが保安管理がやっかいで、点検漏れが相次いでいる。
維持管理と安全対策だけで一日5000万円かかる。
年間200億円。
バカみたいな話だ。
今までだって1兆円も投じられている。

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核燃料サイクルをしないと、原爆の材料になるプルトニウムが余り過ぎてしまう。
形だけでも、核サイクル事業が動いているカッコにしないとおさまりがつかない。
世界のどこも高速増殖炉に期待していないのに。
無駄なお金を使うべきではない。
結局、核廃棄物はいまだに永久処理する場所を決められない。
それなのに、各地の原発では再稼働の動きを示している。
次の世代に負担を押し付けるのは卑怯である。
安易に多くの電気を消費するために、処理できないものを残すのは上品な生き方とは言えない。
とりあえずやれるところからやらなくてはいけない。
1000兆円の借金をしている日本は、もんじゅというわけのわからないものにお金をつぎこんでいる場合ではないはずなのだが。

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2015年11月13日 (金)

鎌田實の一日一冊(256)

「民主主義ってなんだ?」(高橋源一郎×SEALDS共著、河出書房新社)
ダイナミックでおもしろい本。
デモなんかしたことがない若者たちが、何万人ものデモを誘発していったのか。
デモの街宣車を借りるとき、アルバイト代を費やす学生がいた。
スピーチやコールも、シュプレヒコールとは違うものにしようとライブ感覚で考えた。
キング牧師のスピーチを何度も聞いて、リズムや韻を踏んでいることに気づき、ラップ感覚の掛け合いが生まれた。
「政治的な発言はしない」と思われていた学生たちが、いっさい組織に頼らず、一人ひとり自由に参加した。
それによって、ミドルもオールドも学者たちも声をあげ、日本中をまき込んだ。

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民主主義とは何か、本格的に展開され、わかりやすい。
高橋源一郎がアナーキーなテイストになっていくと、学生たちが立憲主義の重要性を説きはじめる。
学生のほうが現実的で、高橋のほうがロマンチスト。
いまの議会制民主主義や代議制民主主義は二世、三世の政治家が多く、貴族制とあまりかわりない。
しかし、それでも独裁主義よりも、民主制のほうがまだましだと、若者たちは発言する。
結局、高橋と学生たちの議論がたどり着くのは、民主主義には完成形がないということ。

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ときにアメリカなどでは民主主義を守れと軍隊を出して、ほか民族や宗教、主義の人を殺したりする。
学生の一人は、民主主義とは何かと考えるのではなく、民主主義的なことをやってみる、つまり話し合ってみることが民主主義なんじゃないかと言う。
話し合いで相手の意見を聞いて、自分も相手も少しずつ変わっていく。
これがぼくらの民主主義の片鱗だともいう。
民主主義は、平等でない現実を認識することからはじまる。
世の中は平等だというフィクションのうえに、民主主義が成り立たないようにすることも大事だと警告する。
いま日本の民主主義は土俵際にきているように見えるが、民主主義の不在や空白は自分たちで埋めていくしかない。
この夏の若者たちの動きは、その力を感じさせる出来事であった。
とてもいい本である。

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2015年11月12日 (木)

鎌田劇場へようこそ!(247)

「ジョン・ウィック」「アンジェリカの微笑み」
福岡のシネコンで「ジョン・ウィック」を見た。
キアヌ・リーブスがかっこいい。
美しい姿で、これでもかと暴れまくる。
激しい音が迫力ある。
映画はここまで来たんだなと感じさせてくれた。

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ホテルに戻り、ポルトガルの大監督マノエラ・ド・オリヴェイラの「アンジェリカの微笑み」のDVDを見た。
名作である。
12月上旬、ロードショーが始まる。
写真好きの青年が夭折した女性の写真を頼まれる。
死んでいるはずなのにほほえんでいるように見える。
そこから生と死、現実と幻想、ミステリアスな世界に運ばれていく。

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この映画を作ったとき、監督は101歳。
実にみずみずしい感性だ。
彼の自由さに観客がどれほど追い付いていけるだろうか。
「だから我々は不確かさとともにあるんだ」とオリヴェイラ。
映画のなかの奇妙なことや、不確かなことに彼はこだわっている。
これが人生だ、とでも言うように。
オリヴェイラは今年4月に106歳で亡くなったが、直前まで短編映画をつくっていた。
大迫力の画面で暴れまくる「ジョン・ウィック」もいいが、
やっぱりぼくが好きなのは「アンジェリカの微笑み」のほう。
上品で、考えさせてくれるような作品が好きだ。

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2015年11月11日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(246)

「ボクは坊さん。」
24歳で突然、住職になるボクの物語。
いい映画だ。
みんなそれぞれ迷いのなかにいる。
檀家総代のイッセー尾形がいい味を出しているが、その老人ですら迷いがある。

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いい言葉もたくさん出てくる。
「自我を超えたところに『空』がある」
「自分は自分ひとりで自分なのではない。周りの世界があって、ここにある」
逆にいまぼくは、周りを気にしすぎていることに気づき、もっと自由になりたいと思っている。
自分探しをしているぼくにとって、ちょっとひっかかる映画だった。
「起きるを『生』と名づけ、帰るを『死』と称す」
これはよくわかる。
何も考えないで、「生」を与えられたように、その時期がくれば「帰る」だけ。
いすれこの世とおさらばすることには、恐怖は感じていない。
納得している。
ただ、生きている時間は短い。
人生をかっこよく走りぬきたいと思っている。

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2015年11月10日 (火)

鎌田劇場へようこそ!(245)

「消えた声が、その名を呼ぶ」
ファティ・アキン監督。
トルコの隣でアルメニア人が虐殺された。
その数、100万人ともいわれている。
多くの者が首を切られ殺されたが、奇跡的に助かった男。
ただし、首を切られたときに声帯を損傷し声を失う。
男は、必死に家族を探し生き抜く。
愛する娘が生きているという噂を聞いて、探し歩く命がけの旅がはじまる。
トルコからレバノン、そしてキューバ、アメリカ。
旅は8年にも及んだ。

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人生は困難の連続。
でも、人間は強い。
愛する者をもつ人は、こんなにもたくましく、やさしく、美しく生きることができることを示してくれた映画。
久しぶりに拍手をしたくなった。
人間ってすごい。
いわゆる単館ロードショーものの作品のなかに、ダイヤモンドのように輝く作品を探すのが好きだ。
ハリウッド作品のような、これでどうだ、と感動させれるのは大嫌い。
小さな放っておけないような作品をこれからも探していきたいと思う。

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2015年11月 9日 (月)

今年も新米の贈り物

新潟の未来予想図実行委員会から、今年も、自然農法でつくったお米が贈られてきました。
中越沖地震のとき、諏訪中央病院のスタッフが救援にかけつけたが、そのときのお礼ということで、毎年、おいしいお米を送ってくれています。
この未来予想図実行委員会代表の下條さんは、ワールドホリスティックアソシエーションという統合医療を進める会の中心的な役割も担っているようです。

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食や環境を大事にする丁寧な生き方は、やさしい生き方につながっていきます。
8年前に救援に行ったことがきっかけで、つながりができました。
おかげで、諏訪中央病院の患者さんたちは新潟のおいしい新米をいただくことができます。
新潟の方々に感謝したいと思います。

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2015年11月 8日 (日)

海と山の結婚式

震災で亡くなられたたくさんの方たちに祈りを捧げました。
会津若松のほうから花が運ばれ、
縄文時代のような格好をして、花を海に流しました。
李さんという韓国舞踊家が、チェロと韓国の打楽器を演奏。
海岸でパフォーマンスをしました。

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芥川賞作家の柳美里さん、子どもたち、そしてカマタも体中に花をあしらいました。
ここは、オリンピックのサーフィンの会場になる可能性があり、
世界大会も開かれている美しい海岸です。

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              ◇
柳美里さんと「がんサポート」で対談しました。
彼女はかつて、食道がんになった東京キッドブラザース主宰の東由多加を近くで見てきました。
東さんとは、柳さんが芥川賞を受賞する15年ほど前、一緒に生活していました。

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その彼ががんになり、彼女もほかの男性との間にできた子どもやどしながら、
支えたり支えられたりして再び一緒に暮らしながら、子どもを産む決意をします。
ぼくも、大ベストセラーになった『命』を感動して読みました。
柳美里さんは、たいへんな人生を歩んできた人なのに、それを感じさせない、不思議な強さとあたたかさ、やわらかさがあります。
「がんサポート」ぜひ読んでください。

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2015年11月 7日 (土)

鎌田實の一日一冊(255)

「私の恋人」(上田岳弘著、新潮社)
本年度の三島由紀夫賞を受賞。
めちゃくちゃおもしろい。
時空を超えて生まれ変わる「私」が、10万年という時を超えて恋をする。
「私」は10万年前、シリア近くの洞窟のなかで、人間という生き物の未来を予測して、
自分にしかわからない文字を使って書きつけているクロマニョン人である。

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人類は三周目の旅をしてる。
一周目の旅は出アフリカ。
南アメリカまで、あるいはニュージーランドまで旅をする。
二周目の旅は、1945年に終わる。
広島、長崎に原爆が落とされ、ナチスの収容所でたくさんの人が殺された。
三周目の旅は、世界が一つになり、インターネット上の非リアルな社会が広がり、
人間より賢い人工頭脳がつくられていく。
その旅のなかに、「私」の恋人がでてくる。
ときには純な少女であり、ときには苛烈な女である。
絶世の美人が落ちて麻薬中毒になる。
そこから救われる末期がんの内科医が、人類がたどった旅をし、「私」の恋人と会う。
この作家は、芥川賞の候補にもなった。
空想の世界と10万年の人類の流れと一人の人間が息苦しいなかで生きている。
この作品はそれを、丁寧に小説にしている。
すばらしい。
読んでみてほしい。

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2015年11月 6日 (金)

鎌田劇場へようこそ!(244)

「ハッピーエンドの選び方」
はちゃめちゃな個性豊かな老人たちが友情、愛、家族、命について考えながら、
あくまで自分らしい生と死を実行しようとする。
おもしろい映画だ。
裸で朝食に出てきた認知症の友人を守るために、みんなで裸になってワインを飲む。
人間っていいなと思わせてくれる。

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死を望む友人のために、安楽死の装置もつくる。
だが、こんなに簡単に安楽死ができてしまうというのは、まずい。
仲間同士の関係にも、亀裂が生じる。
もっと透明性を高め、他者がかかわるような形での安楽死のシステムを考えなければいけないのだが、
その前段階で人間の生と死はどうあるべきかを考えるにはとてもいい映画だ。
絶望や悲惨な状況を乗りえるユーモアをもっている人々がいるというのは、とてもうれしくなる。
人間と人間の関係が上手に描かれている。
いい映画だ。

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2015年11月 5日 (木)

鎌田劇場へようこそ!(243)

「FOUJITA」(フジタ)
画家・藤田嗣治の半生を描いた、小栗康平監督の映画がなかなかいい。
特に前半が気に入った。
1920年代のパリ。
ピカソやモディリアーニ、ザッキン、スーチンなど時代を彩る画家たちとモデルたちとの交流が見事に描かれている。

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フジタは、キューブやシュールなどにとらわれることなく、自分の絵をつくることが大事だと言う。
時代の流れを読んで波に乗ろうなんて考えいないところがいい。
しかし、売れるためには何でもする。
「フーフー」お調子者と自らを呼び、異国の地で名前を知られることが大事だと考える。
フジタフェスティバルなど、自分が中心になって画家を集めてお祭り騒ぎをする。
しまいには、トップモデルたちに花魁道中をさせたりする。
「スキャンダラスになればなるほど、バカをすればするほど自分に近づく。絵がきれいになる」と述べている。
クレイジーを演じながら、注目される画家になっていくフジタ。

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第二次世界大戦が始まると日本に戻る。
パリでは「開かれたフジタ」が、「閉じられたフジタ」になる。
田舎で、日本軍に協力するような絵を描くのだが、
そのタッチは、ドラクロワなどのヨーロッパのクラシックな絵に近い重厚なものだった。
パリでは、日本的な感覚を上手に表現して認められた。
日本では、その逆だ。
ものすごく頭ののいい人だと思う。
戦争が終わると、軍に協力したことで糾弾される。
彼は日本を脱出。
フランスの国籍を取り、日本国籍を抹消した。
カトリックに帰依して、フランスで亡くなる。

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日本という小さな器には収まりきれなかった男。
小栗康平が見事に、フランスのロケと、日本のロケを描き分ける。
オダギリジョーも、フジタを見事に演じている。
物語の真ん中で戦争が起こるが、心や考え方は戦争で中断しない。
藤田嗣治という男が何を考え、絵とどう格闘したか。
5回、結婚している。
自由に生きるということはどうことか。
時代にのみこまれていそうにみえて、実はどこで生きてもフジタはフジタだった気がする。
いろんなこと考えさせてくれる映画だ。

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2015年11月 4日 (水)

絆診療所が新たなスタート

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震災後、南相馬に仮設で設けられた絆診療所が、本格的な診療所となり新たなスタートを切った。
仮設をつくるときも、診療所長の遠藤先生が地元の被災した人たちに頼まれて、私財をつぎこんだ。
検査機器などは2000万円もする。簡単なことではない。
今回の新築も、もっと大きな投資となったことだろう。
この半年、遠藤先生は自分の給料なしでやってきたようだ。
彼が希望すれば、いくつかの病院の院長や副院長の仕事はあるはずなのに、
リスクを冒して、地域の人たちのために開業した。
とにかく頭が下がる。

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新築の診療所はとてもすがすがしい。
“患者第一号”として、ウォーターベッドのマッサージ器を試させてもらった。
肩の骨折から10か月、ジムで自転車をこぐトレーニングを30分、2日続けて行ったところ、
夜中に足がつってしまい、歩くのも痛かった。
だが、このマッサージ器をつかったところ、かなり楽になった。
きっと仮設住宅暮らしで足や腰が痛むという人には、とてもいいと思う。

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11月18日午後2時から、開業記念第二弾の鎌田實講演会がある。
講演の後には、被災した人たちにおふるまいをしようと思っている。
ぜひ、南相馬市の絆診療所にお出でください。

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2015年11月 3日 (火)

はらこ飯と塩タン

仙台で、はらこ飯と塩タンを食べた。
はらこ飯は鮭の身をごはんに炊き込み、そのうえにイクラとウニがのっている贅沢なごはん。
おいしい。

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塩タンも大好き。
とにかくうまい。

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仙台に泊まった翌日は、新築の絆診療所へ。

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2015年11月 2日 (月)

武器から平和の鐘を

11/6の「INORIチャリティコンサート」で、うれしいお知らせをします。
第二次世界大戦の時、日本ではお寺の梵鐘や鉄の鍋釜など、鉄製品を無理やり供出させられました。
武器をつくるためです。
秋田県の元教師熊谷さんは、今度は反対のことをしようとある計画を立てました。
武器から平和の鐘をつくろうというのです。
そして、その鐘をイラクのバグダッドの音楽学校に送ろうという計画で、
JIM-NETがその仲介を頼まれました。
鐘は、使わなくなった武器の材料を集め、鋳造会社につくってもらっています。

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テロと闘い、平和を構築する方法はいろいろあります。
コンサートでは、このすてきな計画を立てた熊谷さんもご紹介します。
まだ、席があります。
ぜひ、お出でください!
応援してください!!
助けてください!!!
INORIチャリティコンサート&トークライブについて詳しくはこちら↓

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鎌田劇場へようこそ!(242)

「放浪の画家ピロスマニ」
ギオルギ・シェンゲラヤ監督の、数々の賞をとっている名作が11/21から岩波ホールで再上演される。
すばらしい映画である。
放浪の画家ニコ・ピロスマニは、「百万本のバラ」のモデルになった貧しい絵描きの半生を描いたすばらしい映画である。
は100万本のパラで歌われた貧しい絵描きである。
彼の「女優マルガリータ」という作品には、ちょっと太目の踊り子が描かれ、
なんともあたたかい感じ。
生涯孤独で放浪を続けながら、一杯の酒のために酒場で絵をかき、ときには看板もかいてきた。
しかし、天才は天才を見抜くことができる。
ピカソは、グルジアには私の絵はいらない、なぜならピロスマニがいるから、と述べ、ピロスマニのデッサンを描いている。
ピロスマニは漂白と貧困のうちに人知れず亡くなり、死後、有名になっていく。
一時期、彼の絵は注目されたが、新聞の絵画評で「絵の基本を知らない」と書かれ一斉に否定される。

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売れる、売れないというのは不思議だ。
芥川賞の「火花」が200万部も売れる。
命を削って書いた作品が、初版5000部なんていう時代にである。
本当の芸術をわかろうとせず、だれか権威のある人間が評価しているからということだけで価値が上がることもある。
なんとなくうんざりである。
劇中、こんな会話が交わされる。
「飲んで忘れろ。世の中の歩調に合わせるんだ」と酒場のおやじ。
ピロスマニは答える。
「ぼくにはそれができない。人生がぼくをのみそこなってのどにひっかかってしまったのさ」
うまく生ききれない男だったからこそ、切ない心が絵の中にあらわれる。
ぜひ、見てください。

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2015年11月 1日 (日)

陸前高田から見学

陸前高田の在宅療養を支える会のメンバー6人が、茅野市に一泊し、諏訪中央病院に見学にやってきた。
震災後、「建物を復興するだけでなく人間と人間の関係の復興が大事」と言い続けてきたぼく。
古い家と新築の家を流された保健師さんや、
ご主人を津波で失い、家も流され、その後の事故で左腕も失った看護師さんらとの縁ができ、陸前高田に通うことになった。
ぼくが行ったことがきっかけで、在宅療養を支える会が発足。
陸前高田は震災前には十分ではなかった地域包括ケアシステムを構築しようと張り切っている。
そのメンバーが諏訪中央病院にやってきた。
内科の奥先生による在宅医療の説明や、老健や特養の師長さんの地域包括ケアについての話のほか、
患者サポートセンターやグリーンボランティアの活動、ロビーボランティアの活動を見学したりした。

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4年半の疲れをいやしてもおうと、温泉のあるテラス蓼科をとった。
ホテル側も陸前高田からのお客さまとあって大サービス。
シェフも腕をふるってくれた。
翌日、お昼はうなぎを食べて解散。
みんな「元気が出た」と話してくれた。
今回の見学が、陸前高田で在宅療養システムがしっかりと根づく第一歩になることを祈っている。
                                               ◇
11/6「INORIチャリティコンサート&トークライブ」
クミコを中心にしたコンサート。
鎌田のミニ講演もあります。
まだ席がありますので、ぜひご参加ください。
11/11「介護の日セミナー」
失禁があっても積極的に外に出て行くことが大切。
そのための排泄ケア用品の選び方など、専門家が教えます。
幸せで健康で長生きを喜べる社会にするにはどうしたらいいか、専門家たちの話はきっと役に立つはず。
こちらも、まだ席があります。
ぜひ、ぜひ、お出かけください。

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