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2015年12月15日 (火)

鎌田實の一日一冊(261)

「暖かい日陰に」(神村篤著、青林工芸舎)
人間の心の複雑さをみごとに写している。
近未来のロボットがさみしさを支えてくれる、そんな未来で人間のさびしさを静かなトーンで描く。
ロボットがロボットを作った可能性もほのめかされる。

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ぼくはオタクではないので、ロボットのことは好きではないし、
マンガをしっかり読んだのも何十年ぶり。
でも、この神村篤はほっておけない作家である。
忘れ物をしたのに、何を忘れたのか思い出せないーーと、人間が忘れようとしている何かを問いかける。
19歳で漫画雑誌「ガロ」に投稿。
そして28年ぶりに、この作品を書いた。
奥深い漫画。感動した。

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