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2015年12月21日 (月)

鎌田實の一日一冊(263)

「坂本龍一×東京新聞 脱原発とメディアを考える」(東京新聞編集局編、東京新聞出版局)
記者たちを相手に白熱討論、坂本龍一さんの考えが展開される。
「拳を振り上げず、なるべく心に届くように気を付けて」とか、
「これを続けたらどうなるかという想像力が必要」
「「左翼」とくくらない工夫を」など、面白い視点で語られる。

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最後に哲学者の國分功一郎が「今メディアに求めるもの、忖度との戦い」と述べている。
この国が少しおかしくなっているのは、空気を読み過ぎて、みんなが自由な発言を控えている、そんなことが書かれている。
「戦争の現場で考えた空爆、占領、難民 カンボジア、ベトナムからイラクまで」(熊岡路矢著、彩流社)
人道支援NGOで30年、戦争の現場で著者が考えことが語られる。
「紛争地で動いてきたが、ここで軍隊が来たら助かるだろう」と考えた場面はなかったというのがとても印象的だった。

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NGOの場合、現地のスタッフや地元民と働いているので、彼らのと連携が安全面において大きなカギになる。
だから、軍隊に来てもらったら助かるという局面はこれまでなかったということである。
その通りのような気がする。

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