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2016年1月18日 (月)

聴診器でテロと闘う(33)

難民キャンプ訪問記⑩
農園に行った。
指導役は日本のJICA(国際協力機構)。
JICAからは林さんという方が来られ、全体のマネージメントをしている。
専門家は佐久間さん。東南アジアでも指導してきたベテランである。
ハウスでブロッコリーをつくっているというので、おもしろいと思って見させてもらった。
かつてアメリカで健康運動の潮流ができたとき、ブロッコリーを食べようという運動があった。
ブロッコリーはビタミンA、B、Cなどが豊富である。
特にビタミンCはレモンの2倍。
抗酸化力が高いため、がんにもなりにくく、動脈硬化もおこしにくくなり、脳卒中のリスクも減るといわれる。
ハウスでは、日本の技術指導で、すばらしいブロッコリーができていた。
そのブロッコリーを市価の半分くらいで買わせてもらった。
市価に出しても買いたたかれるので、買ってもらえるとうれしいと言われた。

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偶然、クルド人のバルザンという青年が見学にきていた。
バルザンは農業のかたわら、社会福祉の勉強をしている。
福祉活動、社会貢献をしたいといい、JIM-NETにも興味をもっていると話した。
彼と話しているうちに、彼の農園に難民キャンプの人たちを雇うのはどうか、
農作物を育てるには人手がいるし、難民の人たちの雇用にもつながる、という話で盛り上がった。
ブロッコリーは、まだイラクでは一般的ではない。
輸入野菜で高価だ。
そこで、農園で収穫したおいしいブロッコリーを、鎌田の講演会に持って行こうという話になった。
ブロッコリーの栄養の話をし、ブロッコリーを食べてもらおうという作戦に出たのだ。
イラク北部にあるダラシャクランの難民キャンプのおばさん2人が手伝いに来てくれた。

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講演会でブロッコリーを見せると、次々に質問がでた。
「料理法はどうするんだ」
簡単な方法は、ゆでて塩かマヨネーズで、と言うと、
「先生は前回来たときに、塩はよくないと言ったじゃないか」
そうだ。よく覚えている。
じゃ、マヨネーズにしようと笑った。
今回は、トマト味のブロッコリーが入ったスープ。
それに、ブロッコリーのピザを出した。
ピザは、パレスチナで難民の救援活動をしているUNRWAの清田先生から教えてもらったレシピである。
夏には、清田先生が難民キャンプでの鎌田の健康づくり運動を見に来てくれることになった。
いよいよおもしろくなった。

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