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2016年1月21日 (木)

聴診器でテロと闘う(36)

悲しい知らせが入った。
1月15日、ナブラスが亡くなったという。
14歳だった。
今年のチョコ募金のポインセチアの絵を描いた女の子である。
シンジャールに暮らすヤジディ教徒で、ISに大変な迫害を受け、すべてを奪われた。
ドホーク近郊の名民キャンプに逃げてきた。
ふきさらしの風が入る建設中の住居にキャンプし、闘病していた。
食事も足りなかった。

27dsc04543 14歳のナブラス「早くシンジャールに帰りたい」という夢はかなわなかった

一年前の時点で、主治医からは「絶望的」と言われていた。
日本から抗がん剤を持っていき、主治医のいるドホークの病院に届けた。
それから一年、よくもったと思う。
2週間前、ぼくが訪問したときは厳しい状態だった。
それでもみんなでいいことが起こることに期待しようと話した。
ぼくが帰るとき、ナブラスはにこにこして
ISがいなくなったのなら、シンジャールに帰りたいと言った。
ナブラスの思いはかなわなかったが、早く平和な世の中にしたい。
             ◇
チョコ募金はあと2万5000個。
終盤に入ったが、ここからあまり動きがない。
完売を目指して、応援をお願いいたします。

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